2021/05/05

目黒区庁舎

 気づけば5月に入っていますが、なかなか遠出が出来ない状況が続いています。


いずれにしても、私の方はステイホームならぬステイオフィス、、、という感じでシゴトに勤しむ日々になっているのですが、先日久々に近隣にある目黒区役所に行ってきました。


目黒区役所は旧千代田生命本社ビルをリノベーションした建物で、設計は昭和の巨匠、村野藤吾です。





写真は区役所の中にある、茶室ゾーンの中庭。



イベントや催し用にいくつか和室・お茶室があるのですが、その中にしつらえられた中庭の眺めです。


特にどうということの無い庭ではありますが、このジグザグに組み合わせられた横桟のフェンスのデザインがとても好きで、訪れるたびに見入ってしまいます。

おそらく村野藤吾によるとてもさりげないデザインですが、軽さとリズムがあって、建物の雁行した形状とあいまって中庭にいきいきとした風情を与えている感じです。


決して高い素材で作られた造形物ではないですが、こうしたちょっとした工夫でその場所を活性化させるようなデザインの好例だなと思います。



自分も見習いたいデザインのひとつですが、近隣とはいえたまに外出すると日常にある風景の良さを再発見するものです。




GWも終盤ですが、ゆっくり穏やかにお過ごしください。












2021/04/30

けやき並木

 3度目の緊急事態宣言ということで気軽に外出できない状況が続いていますが、シゴトの打合せ等でたまに外に出ると、良い気分転換になるものです。




すでに新緑の映える季節になっていますが、写真は府中市のメインストリートにあるけやき並木。

立派なけやき並木の新緑は歩いていて清々しい気持ちになりますね。



以前にブログでも少しご紹介した、府中の二世帯住宅プロジェクトは実施設計が佳境を迎えている最中ですが、これからけやき並木の四季の変化を楽しみつつ現場に通えるよう、がんばっているトコロです。






2021/04/21

省エネ法講習

 今年の4月から改正省エネ法が施行され、300平米以下の住宅でも省エネ基準に適合しているか、建築主への説明義務制度がスタートしました。

そして、その施行に合わせて東京建築士会のオンライン講習が開催されていたので、先日受講しました。




今回の改正では住宅のような小さな建物では省エネ基準への説明義務が生じるのみなので、実は不適合でも罰則等はありません。

その意味では非常に緩い縛りの改正ではあるのですが、建築士は省エネの適合について検討し、建築主へ説明する必要があります。


ウチの事務所では各プロジェクトごとに省エネ計算をするようにしているのと、現行の省エネ基準より高い省エネ性能(=HEAT20G2レベル同等)を目指した住宅づくりをしているので、実際に業務や設計のスペックに大きな変更は必要無い、、、ということが講習を受けてわかったのですが、建築に関連する法規や基準は日々更新されてゆくので、常に新しい情報を更新する必要があります。


そういう意味ではこうした講習会がオンラインで開催されるのは移動が無いぶん気軽に受講できるので、参加しやすいものです。

参加が気軽なぶん、途中で眠くなったりするのが弊害かもですが・・・(笑。



まあ、常にブラッシュアップが必要なのはどの職能にとっても同じなのかと思いますが、スキルや情報の更新はおこたらないように心がけたいと常々思っています。





2021/04/14

世田谷美術館

 アアルト展関連が続きますが、展覧会が開催されているのは用賀の砧公園の中にある、世田谷美術館。





世田谷美術館は80年代半ばに建てられた建築で、設計は内井昭蔵さん。集合住宅や戸建て住宅の設計で名を馳せた、昭和の巨匠の一人です。世田谷美術館はここ数年、大規模改修で休館していましたが、昨年リニューアルオープンしました。

リニューアルといってもデザイン的には大きな改修はしていなさそうで、公園の木々の中に建つ建築はなんとなく風合いが増して、風景に馴染んでいました。





こちらはエントランスホール。床や階段はトラバーチンと言われる大理石の一種がゼイタクに使ってあります。

おそらく今はこうしたリッチな石の使い方をするのは、特に公共建築では難しいのではないかと思います。




展示室間をつなぐ回廊から中庭を見たところ。

単板ガラスをV字柱と壁に枠なしで納めている、ちょっとアクロバティックなディテール。

少しフランク・ロイド・ライトっぽい感じもします。




入口脇の傘立てもオシャレ。

庇や雨樋も含めて一体的にデザインされていて、違和感の無い組み合わせになっています。



もうすぐ40年近く経つはずの建築ですが、クラシックな近代建築、といった趣きで古さが良き味わいになっている建築です。


世田谷美術館は最寄りの用賀駅から徒歩15分くらいかかるのですが、時折良質な企画の展覧会をやっているので学生の頃から通っている美術館のひとつです。


こういう年月が経っても変わらず大事に使われている建築は日本には大変少ないのですが、、、設計がキチンとしていて、メンテナンスが継続して行われていれば持続的に使用可能、という点を証明しているものと思います。

いわばサステナブルな建築のひとつの好例、とも言えるかもしれませんが、ちょっと昭和レトロな風格も感じられる、80年代の良質な建築のひとつです。


今回は閉館間際の訪問だったので、またカフェでお茶したりしつつゆっくりした時間を過ごしたいものです。






2021/04/10

アアルト自邸

 前回、世田谷のアアルト展の展示を少しご紹介しましたが、2016年にアアルト自邸を訪れた際の写真を見直してみると、展示と同じようなアングルの写真を発見しました。





若干アングルは異なりますが、展示にも再現されていたアアルト自邸のリビング。

南側に拡がる庭園からの柔らかな光があふれる穏やかな室内です。

奥の部屋はスタジオですが、段差があって心理的に仕事場と切り替えるようになっています。

そして、テーブルの奥にはグランドピアノ。


アイノ・アアルトが愛用して弾いていたものだそうです。




ピアノの上の写真はアイノさん。


照明や雑貨といった調度品とも調和が取れていて、アイノさんが住んでいた当時の気配が色濃く感じられるような気がします。





それにしても今見ても全く古く感じない、、、、そんな居心地の良い空間です。





今回の展覧会は今一度、二人のアアルトが手掛けた建築やデザインについて復習する、良い機会だなあと思います。








2021/04/07

アアルト展@世田谷

 現在、世田谷美術館で「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展が開催されています。


アルヴァ・アアルトはフィンランドを中心に活躍した20世紀の近代建築の巨匠のひとりですが、その公私にわたるパートナーがアイノ・アアルトでした。


今回の展覧会はその二人が一緒に活動した約25年間にスポットを当てて展示する展覧会です。




アイノ・アアルトはどちらかというとインテリアや家具、食器といった分野のデザインを中心に活躍したそうですが、今回の展覧会では彼女のデザインした製品が数多く展示されているのがポイントです。


写真撮影OKエリアに展示されている、アアルト自邸のリビングのインテリアの再現展示。

もう80年くらい前の住宅ですが、今だに販売されている家具や照明で構成されていて、全く古さを感じさせません。むしろ、新鮮な感じすらあります。


ちょっと自慢になりますが(w、数年前にヘルシンキにこの自邸を見学に行きました。木やレンガ等のナチュラルな素材を使って緑の環境に囲まれた気持ちの良い住宅でした。


フィンランドにあるアアルトの建築は現在、世界遺産登録に向けて活動しているようです。





こちらはニューヨーク万博の展示風景を再現したもの。

波打つカーブの優しい造形が和みます。

こちらにも二人のアアルトがデザインしたプロダクトが展示されていましたが、その多くが今も現役で販売されています。

ウチの事務所や自宅で使用しているものもありますが、いずれも手触りが良くて機能的なものが多く、長く使えるロングライフデザインのプロダクトです。





ちなみに、今回の展覧会は完全予約制なので、適度な密度で鑑賞することが出来ます。

最近の美術館は予約制で人数制限をしているところが多いですが、その方が混雑せずにゆったりした環境で見られることが出来るので、コロナ禍以降も継続してほしいなあと思います。


とはいえ、アアルト展には日曜の夕方にもかかわらず多くの人が見学に来ていました。

やはり昨今の北欧デザイン人気を反映しているのかと思いますが、時代の流れとして優しいデザインに皆興味があるのかなと思います。


アアルトは自然環境から学んだ素材や造形を多用していて、エコデザインの源流ともいえる巨匠ですが、個人的に以前にも増して大変興味深い建築家のひとりです。




オススメの展覧会ですので、ぜひ足を運んでみてください。





2021/03/31

サクラ2021その4

 今年のサクラは散り際も大変早いです。







もう葉桜になりかけていて、川面には花びらがサラサラと流れています。



例年開花から散り際まで3週間くらいのところを2週間くらいで駆け抜けたような感じがしますが、やはり夏日に近い気温で推移したことが影響しているのかもしれません。



先日、テレビのお天気コーナーで春分の日の平均気温が40年前から約4℃上がっている、ということがコメントされていましたが、この数十年でかなりの温暖化・気候変動が起こっているのだな、、、とちょっと驚きでした。


その影響か、サクラの開花も年々早まっている印象が強いですが、今年は例年以上にその傾向が強い年だったと思います。




このままですと日本のメリハリのある四季折々の風情が無くなりそうな可能性も十分にありえますが、そうならないように、建築を通してエコロジカルで持続的な社会を創ってゆくよう、引き続き努力を継続したいと思います。





サクラの写真4連投でしたが、、、そろそろケンチクの投稿に戻りたいと思います。







2021/03/29

サクラ2021その3

 中目黒のサクラは週末が満開でした。



日曜日は雨風の強い、やや荒れた天候だったせいか、既に花びらが散り始めています。



平年はもっと長く楽しめるものですが、今年は例年以上に早く咲いて、早く散りそうな感じです。



写真は、中目黒駅近くの川べりのサクラ。


川べりの片側のみがサクラ並木になっているのですが、川面に枝がせりだし、しだれ桜のようになっていて迫力のある景色をつくっています。




もう今週中には散ってしまいそうな感じですが、通勤の行き帰りの道すがら、多少ともサクラの景色を楽しんでゆきたいなあと思います。





2021/03/24

サクラ2021その2

 東京のサクラは昨日に満開宣言が出されたそうですが、目黒川のサクラも見頃を迎えています。






毎年、同じような写真を撮って、同じような記事を投稿しているのですが(笑、、、見事なサクラ並木を見るにつけ、ついついブログにアップしてしまいます。




また今年も、サクラの写真にしばしお付き合いいただければと思います。





2021/03/18

サクラ2021

今年もサクラの季節がやってきました。


例年よりもかなり早めの開花となっていますが、目黒川のサクラもそろそろ咲きだしています。






まだ1分咲きにも満たない感じですが、1週間もすれば満開になるのではないかと思います。




例年であれば提灯や出店がズラリとならんで賑やかな光景になりますが、今年はそうした準備が行われている気配すらなく、昨年同様に浮わついた雰囲気の無い静かなサクラの季節を迎えています。




まさか今年もサクラの季節に人のいない風景が拡がることになるとは、一年前は考えが及ばなかったですが、、、人の少ない静かなサクラ並木を通勤の行き帰りだけでも多少楽しむことができればと思います。







2021/03/08

麻婆豆腐@原宿

 ここのところ、仕上材の選定で連日ショールーム通いが続いています。

その帰りしなに、ランチで原宿の中華の老舗「龍の子」さんに立ち寄りました。



前職で某スウェーデン系ファッションブランドの入っているテナントビルを担当していた時に現場がすぐ近所にあったので、入ったことがあるのですが、それ以来、10数年ぶりの訪問。


コロナ禍にもかかわらず行列の出来る名店で、原宿の喧騒とは離れた地下にあるお店です。





お店の名物は麻婆豆腐と担々麺とのことで、麻婆豆腐定食を注文しました。



見た目の色は激辛のように見えますが、実際は山椒等の香辛料が効いたちょっとクセになるような上品な辛さでした。

ちょっと独特の風味でしたが、移り変わりの早い原宿界隈で生き残ってきただけに他のお店ではなかなか出せないような、リピートしたくなるような独特の風味だなあと思いました。



地下にあって一見、ちょっと目立たないお店ですが、原宿のど真ん中にありながら落ち着きのあるオススメのお店です。









2021/03/04

イタリア視察:ヴェネツィア1

不定期ながら時々掲載している、イタリア視察旅行の続きです。


フィレンツェ滞在の後、一路ヴェネツィアへ。




ヴェネツィアは今だに水運が主な交通手段ですが、水上バス・ヴァポレットに乗船して市街地の中心部に向かいます。



大通りに相当する「カナル・グランデ」という旧市街をぐるりと巡る大きな運河を起点として、細かい運河が市街地に張り巡らされていますが、写真はカナル・グランデを通っているヴァポレットから見た街並み。

かつての日本の都市も水運がメインで、往時はヴェネツィアのように船が行き交う街だったらしく、東京にも日本橋界隈やダウンタウンエリアにその名残が若干残っていますが、ヴェネツィアはそうした水運による街のアクティビティがそのまま動態保存されている感じです。




ヴェネツィアのシンボル、サンマルコ広場。

最近の日本のニュースでは、海面上昇による「アクア・アルタ」という洪水で水没したサンマルコ広場の様子がよく出てくるので、その姿ばかりが印象的に報道されますが、行った時にはそうした水害のおもかげは全くありませんでした。
とはいえ、この写真の数週間後には水没のニュースが流れてびっくりしましたが・・・。


「アクア・アルタ」は近年その頻度が多く水位も高くなっており、地球温暖化が原因とも言われています。

そうした意味で、ヴェネツィアは温暖化により被害をこうむる都市文明・文化遺産の象徴のようになっていますが、実際に街を歩いてみると、そうした問題がよりリアリティをもって体感できる気がします。


とはいえ、最近のニュースでは水面の低下で運河が機能していない、、、という報道もあって、気候変動によってどういう影響を受けているのか、単純に判断できないような点もあります。



いずれにしても、我々が日常的に天気予報を気にしているように、海という大自然の変化を気にしながら住んでいる街なのだろうと思います。



そうした気候の変化に対して、建築に何が出来るか、、、建築家としての取り組みを続けてゆきたいと改めて感じる次第です。



2021/02/25

フローリング@ショールーム

 現在設計中の府中の住宅について、お施主様とフローリングを検討しに渋谷にある「無垢フローリングドットコム」さんのショールームにお邪魔してきました。








良さげなフローリングのサンプルを床に並べて、それぞれの風合いの確認。



無垢フローリングはやはり質感の良さや長期的なスパンでのメンテナンスの良さが長所ですが、その分手間がかかったり価格がお高めだったりする点が短所だったりします。


とはいえ、一度手にとってみるとその良さは一目瞭然、、、ということで、いくつかの候補を持ち帰って長短を比較検討することとなりました。



やはり建材は大きなサイズで実物を見ないとわからないもので、その点はオンラインでは再現できない点があります。



ここ最近、各社のショールームは感染対策として完全予約制のところが多く、ショールームによっては日程の空きがなかなか無く、気軽に行きづらくなっているのが悩ましいところです。

とはいえ、実物を色々見ないと良し悪しが判断出来ないので、お施主様とのショールーム巡りは設計のプロセスの中でも重要なイベントのひとつです。




もうすぐ緊急事態宣言も解除されそうですが、また気兼ねなくショールームに行ける世の中に早く戻って欲しいものです。






2021/02/23

シンプル・エコなプロダクト#3 風船クロック

 先日、注文していたプロダクトが事務所に届きました。


倉俣史朗デザインの「風船クロック」。





時計を覆うフードが透明なアクリルでできていて、その見た目から通称「風船クロック」と言われています。



80年代にデザインされたプロダクトですが、今だに販売されていて、ロングセラーになっています。


そんなロングセラー商品でありますが、薄くて微妙な曲面のあるアクリル・フードをつくる技術が大変難しく、制作の手間を鑑みて昨年大幅に値上げされました。


実は値上げ前に駆け込みで発注したのですが、、、数ヶ月待った上で先週ようやく届きました。


実物は直径30cm、厚みが10cmくらいあるので、けっこうボリューム感がありますが、透明なので、繊細ではかない感じもします。

そして、アクリルがつくる微妙な陰影が壁面に投影されて、白い壁面に映えるデザインだなと思います。



倉俣史朗のデザインは極限までシンプルで、大胆でもありながら普遍的なデザインになっており、いくつかのプロダクトは今も生産・販売されていてロングライフ・デザインの代表例になっています。

一般的な意味での「エコ」ではないかもしれないですが、40年近くずっと形を変えずに生産されていることを考えると、「シンプルでエコロジカル」なデザインだなあと思います。




これから、事務所のインテリアの一部として一緒に時を刻んでいってほしいなと思います。





2021/02/20

法隆寺宝物館

 ちょっと東博ネタが続きますが、東博の名建築のひとつが谷口吉生設計による「法隆寺宝物館」です。先日の「日本のたてもの展」の帰りに立ち寄りました。




写真は入口へと向かう、水盤のあるアプローチから見た宝物館の眺め。

入口へ向かって軸線がスッとまっすぐ伸びていて、キレイに対称形をつくっています。

ものすごくシンプルで余計なものが無く、それでいて緻密なデザインに背筋が伸びる思いがします。


内部は今回時間が無くて見学しなかったのですが、法隆寺伝来の1000年以上の風雪に耐えた様々な宝物が展示してあり、建築デザインの質の高さもあいまって凄みのある空間が展開されています。




自分にとって、時々訪れて体感したくなる名建築のひとつですが、皆さまもぜひ訪れて気持ちの良い静かな空間を体験していただければと思います。






2021/02/17

東博の大階段

 「日本のたてもの」展を観た後は常設展示の東博の本館をぶらりと。



本館は渡辺仁による帝冠様式(=東洋風の屋根と古典様式による近代建築)の重厚な建築です。

個人的にはこうした重厚感があってなんとなく圧のある空間の雰囲気が少し過剰な気がしてあまり好きではない、、、のですが、ここ最近は館内の大階段が巷で有名になっています。




ご存知、ドラマ「半沢直樹」の東京中央銀行本店のホール、、、ですね。

やはり、この重厚感が銀行の本店にふさわしい、ということかもしれませんが、逆に言うとこうした劇的な階段のあるホールの空間は日本には非常に稀有な存在なのかもしれません。



東博の本館は常設展示がメインですが、国宝、重文クラスの美術品がゴロゴロあって、本気で見ようとすると1日かかっても見きれないくらいの質と量があります。



いつも駆け足で廻ってしまうのでもったないような気もしますが、東博は建築も見応えがあるので、機会があればじっくり一日かけて観覧されることをオススメします。





2021/02/15

日本のたてもの展

 東京国立博物館で開催中の「日本のたてもの」展に行ってきました。


この展覧会は日本の「伝統建築工匠の技」がユネスコ無形文化遺産登録が決定したことを受けて開催されている展覧会です。


東博での展示テーマは「古代から近世、日本建築の成り立ち」というものでした。


テーマだけを見ると何やら難解な感じもしますが、展示物は保存修理時に制作された1/10模型を中心に構成されており、非常に明快でわかりやすい展覧会でした。




会場は東博の中にある表慶館。

入るとすぐのホールに法隆寺五重塔の模型。

西洋古典建築の空間とのコントラストが良い感じです。





唐招提寺金堂の断面模型。

実物では断面を見ることは出来ないので、構造的な成り立ちがよくわかります。






こちらは松本城の断面模型。

やはり、現実にこういう姿を見ることは出来ないので、興味深いものです。







こちらは一昨年に焼失してしまった、首里城正殿の模型。

昭和28年に制作されたそうですが、この模型がひとつの原型となって、正殿の復元が出来たようです。

一昨年の火事による焼失は非常にショッキングな出来事でしたが、こうした模型もひとつの参照にしてこれから再建されていくのかなと思います。




ご紹介したのは一部の模型に過ぎませんが、多くの模型が1/10というスケールなので各建築の大きさが体感的に理解できるのと、普段見られない部位やアングルから建築を概観出来るという点で非常にわかりやすく、楽しい展覧会でした。



それにしても、こうした模型がつくられているのは保存修復のたゆまぬ努力の成果な訳ですが、工匠の技術を含めてきちんと伝承していって欲しいなと思います。



展覧会は2月21日までらしいので、ケンチク好きの人は是非、足を運んでみてください。





2021/02/05

永田町

 先日、赤坂・永田町にある日枝神社にお参りに行ってきました。


日枝神社へアクセス出来る駅はいくつかあるのですが、今回は千代田線の国会議事堂駅からお参りしてみました。


国会議事堂駅は文字通り国会議事堂に近く、首相官邸や議員会館等々、日本の権力の中枢が集中しているエリアにあります。

その為、至るところで厳重な警備がされていて、近代的で重厚な建物が立ち並ぶ街並みと合わせてちょっと物々しい雰囲気がするエリアです。



そんな街中で、昔ながらの風情を漂わせている瀟洒な木造建築を発見。



松の鏝絵が目を惹くこちらの建物は「黒澤」というお蕎麦屋さんだそうです。

残念ながらコロナ禍の影響で長期休業されているようですが、昔から続く人気のお店のようです。


周囲の再開発で現代的に洗練された街から取り残されたようにひっそりと建っていますが、いつか入ってみたいなあと思わせる、雰囲気のあるお店です。






そして、日枝神社。


赤坂・永田町の中心にあるこの神社はやはり都心の見晴らしが良く抜け感のある高台に立地するという、そのロケーションが抜群だなあと行く度に思います。



そもそも神社仏閣はその地域の中でも非常に良い場所に立地している事が多いですが、そうした場所を訪れるとなんとなく気持ちも晴れ晴れと穏やかになるものです。

それがいわゆる「パワースポット」の効能ということなのでしょうが、自分が歳を重ねるごとに、場所の持つ特性が人の心理に大なり小なり影響を与えることを実感しています。





そして、それは建築も同じことで、住む人、使う人に対して多少とも心理的な影響を及ぼすものになるなあと経験的・体感的に感じています。




そのことを改めて実感しつつ、住む人・使う人に良い影響を及ぼすような建築づくりに取り組んでゆきたいと考えた、永田町の冬のお散歩でした。






2021/01/28

松濤美術館

 先週末は渋谷の松濤美術館へ久々に行きました。


1/31まで開催されている「船越桂展」を観に行ったのですが、感染対策ということで連絡先の登録や人数制限をやったりして、三密にならない環境でかえって快適に鑑賞できました。



松濤美術館は昭和の伝説的な建築家、白井晟一の晩年の代表作です。



外装は曲面の石貼りで、美術館らしからぬ重厚で異彩を放つデザインです。





中に入るとブリッジのかかった楕円形の4層吹抜けが目を惹きます。

地下2階部分にあたる吹抜けの底面には噴水が出ており、叙情性を高めます。渋谷の住宅街にいながら、ちょっと異国に来た気分を味わえます。





階段室も暗めの室内に照明が劇的な影をつくっていて、神秘的な雰囲気を漂わせています。中世のヨーロッパの建築の中にいるような気分を味わえます。




かように、松濤美術館は楕円形や噴水吹抜け、石貼りなどの建築のデザイン的な主張が非常に強く、正直美術館としては使いにくそうな感じもする、、、異色の美術館です。

とはいえ、こうした西洋の古典建築にも通じるデザインは展示されるコンテンツによってはその空間と展示品が共鳴して、不思議な調和を生み出すこともあります。


今回の船越桂展はまさにそうした感じの展覧会で、船越さんの有名なクスノキによる木彫の人物像が白井晟一の濃厚な古典主義的な空間の中にただずむ姿はなんともいえない、懐かしさの中に古典の凄みを感じさせるような、昭和レトロの良質な部分が結晶したような魅力的な展示空間が出来上がっていました。



それにしても、公立でよくこうした個性的な美術館を建てたものだなあと訪れる度に感嘆してしまいますが、竣工は1981年だそうで、今年でちょうど創立40周年です。


昨今、この時代の建物は老朽化を理由に解体新築される傾向が強いものですが、松濤美術館のように建築家が全身全霊をかけて打ち込んだ建築は、未だにその魅力を失っておらず、年を経るごとにその魅力や価値が増してゆくようにも感じられ、その価値に気づいた人々によって大切に使われてゆくのだろうなと思います。





行く度に新しい発見のある松濤美術館ですが、やはり意匠的にも耐久性の上でも質の高い建築をつくることがサステナビリティーに直結すると強く感じました。






2021/01/08

OZONEの展示会に出展

新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。


事務所のウエブサイトでもお知らせしておりますが、新宿パークタワーにあるリビング・デザイン・センターOZONEで開催されている住宅作品の展示会に出展しています。


展覧会のタイトルは「OZONEの考える『New Normal』な暮らし展」で、リモートワーク等の新しいライフスタイルに関する事例を集めた展示会になっています。


2月2日までの展示となっていますが、緊急事態宣言の自粛期間とちょうど重なる、、、ことになってしまっています。

もしご興味ございましたら、感染対策に十分ご配慮いただいた上でどうぞお立ち寄りください。



2度めの緊急事態宣言もあり、心持ちの晴れない年明けとなっていますが、皆さまどうぞご自愛ください。




本年もよろしくお願いいたします。