2009/10/30

London

今日は、前職の同僚でロンドンの事務所で働いていた友人夫妻が帰国したとのことでジムショに遊びに来てくれました。

で、色々と現地の建築事務所事情を聞いたのですが、まあ彼の地においてもリーマンショック以降、プロジェクトの中止、延期が多いらしい。そうすると次に始まるのがリストラ。。。

聞いた話ですと、とあるビッグファームは一気に300人斬った、とか、EU圏内にあるブランチオフィスに勤めていた人がそのオフィスが閉鎖されたのを新聞のニュースで初めて知った、とか、ある建築家は自分の知らないヒトが事務所の打ち合せにいるのを見かけると「あんたクビ。」とすぐ宣告する、とか、、、結構恐ろしい話(というより笑い話・・・)を色々と聞きました。

日本の建築業界もかなりお寒い状況ですが、こういうドライなリストラというのはなかなか無い、というか法制度上できないのかもしれないです。逆に徐々に辞めさせるように仕向ける、という陰湿な話は十分ありうる訳ですが。

で、そういう昨今の状況を反映してか、ウチの事務所には1、2ヶ月に1通くらい履歴書+ポートフォリオのメールが世界各国から届きます。日本在住の外国のヒトが多いですが、スペインとかアルゼンチンとかアラブとか、何故我々の事務所へ??という理由がよくわからない国の方から届いたりします。まあ、お断りの返信を出す訳ですが、送ってくる人というのは同じようなメールを世界各国に一杯出しているんだろうなあ、とか思います。
まだ日本の事務所は多国籍になっていないですが、だんだんそうなるかなあ、という兆しはそういうところでちょっと感じます。

で、友人のいた事務所というのもイギリス人はほとんどいない多国籍チームだったそうなのですが、逆にいえばそれだけ労働環境が厳しかった、らしいです。

ま、建築家のシゴトがいろいろ厳しいのも万国共通、みたいです。。。

2009/10/27

1周年

本日、10月27日は事務所を立ち上げて丸1年となる日です。めでたい。

振り返れば1年はあっという間でしたが、まあリーマンショックで大騒ぎしている最中からはじまって、なんとか1年もって、赤字にならなかったのは幸いかもしれません。

これもひとえにクライアントの皆さんのおかげと思います。ありがとうございます。

2年目は更なる飛躍をしたいところです。

思えば、2006年の春に前職で同じプロジェクトをやっていたジムさんと将来の独立話をしたのが発端でした。それから既に3年以上経ち、紆余曲折あって今に至る訳ですが、まあ赤の他人と事業を起こすというのはほとんど結婚する、ようなものです。。。シゴト場で働いている時間とか経済的な損得をシェアすることになるので、苦楽を共にする、という表現がホントによくあてはまります。
実際に結婚している訳ではないですが。(ここは強調しておきます。。。)

まあ、ジムさんのような外国人とシゴトをする場合、日本人同士のような以心伝心、という訳にはいかないのでなるべく論理的に対話をするようにしています。これは内部的な話に限らず、デザインという定義しにくいものを言葉に置き換えて話す、というのは設計において非常に重要なことであると思ってます。
これからも色々試行錯誤を繰り返しながら、時に議論し、モノをつくる楽しさをクライアントや施工関係者も含めて共有しながらやっていければなあ、と考えています。

と、以上のような話をジムさんとして、1周年のお祝いでもしようかなと思っていたのですが、相方は中国出張中、、、だったりするので備忘録的にブログに書いています。

まあ、行ったついでに中国のビッグプロジェクトを取って来い、、、と心の中で念じつつ留守を預かっているのでした。

2009/10/24

江東区リノベーション2

今日は現場立会いの日でした。
仕上げが少しづつ入ってきているのですが、和紙クロスと集成材と照明のコンポジション。

写真ではわかりにくいですが、玉虫色のラメのあるクロスで、和とも洋ともアジアともいえる、なかなかいい感じの素材です。
来週末にはもう竣工するので、楽しみです。

   

   

   

   
そして、現場への通り道で以前から気になっていたガソリンスタンドのノボリ。

   

   

   

   

よく見ると、

キターッ。     by 織田裕二。

   

   

かなりあくどい落書きですが、店員も何故かずっと撤去していません、お店公認なのでしょうか。。。

でも、これを見て、「あー、そうそう!」と違和感の無さに納得してしまう自分がいるのも事実な訳で。

芸能人というのは世の中にカオがさらされ、時につるしあげられるツライ職業なのかもしれません。

そう思うと建築をやっている方がまだマシかも、と思いつつ事務所へ帰ってシゴトをしたのでした。。。

2009/10/20

ライトアップ

最近、中目黒の目黒川沿いのサクラ並木をライトアップしてます。


サクラが散って、緑もひとしきり落ちた後の目黒川というのは、華のある春に較べると断然さみしい、、、ものですが、ライトアップでちょっとムーディな感じが漂ってます。

このムーディ・ライトのおかげで、これからクリスマスにかけて「月9なカップル出現率」、が平年より高くなるかもしれません。。。

まあ、そういうシーズンが近づいてきました。

早いものです。

2009/10/18

江東区リノベーション

江東区のマンションのインテリア改修の現場に行ってきました。
だいぶ形が見えてきてます。

現場は6-7割の完成度くらいに見るのが一番楽しいです。

形が見えてきて全体の構成が把握できて、かつこれからどんどん出来上がってく様が想像できる、のが面白いという感じでしょうか。

10月末には完成なのであっという間です。

2009/10/17

壁掛CDプレーヤー

姉夫婦から事務所の開設1周年のお祝いということで、無印良品の壁掛CDプレーヤーを贈ってもらいました。

無印良品は基本「無印」なのでデザイナーは原則非公開ですが、かなりデザイン的に優れたプロダクトを連発しており、このプレーヤーも深澤直人さんのデザインとして有名なものです。

MOMAのコレクションにもなっていたような。

ちょうど換気扇をそのままCDプレーヤーに置き換えたような形になっている訳で、誰でも知っている形と機能をそのまま別の器具に置き換えた、という発想がミソです。「使いやすい」デザインというより、「使いたくなる」デザインで、CDがくるくる回る動作は見ていて楽しくなります。

姿形が控えめな感じで、ロックをがんがん鳴らすよりもむしろ静かな音楽をBGMとして流すのにちょうどいい感じです。ちなみにロックは嫌いでなくてむしろハードロックとか結構好きだったりする訳ですが。

でも、事務所で流すときっとお客さんはドン引きでしょう。。。

電話越しにヘヴィメタルのシャウトが聴こえる事務所、というのも信用上いかがなものか、という気もします。。。

ということで一緒に無印のCD集=世界のハートフルな民族音楽集、というのをいただいたのですが、そっちを聴きながらリラックスして仕事している状況です。

まあ、個人的にかなり「ムジラー=無印フリーク」かなあと思いますが、無印良品の中でも代表的なプロダクトだなあ、と使ってみて改めて思う次第です。


2009/10/14

南青山

先週になりますが、南青山の某オフィスインテリア計画の建築本体の現場を見に行きました。
大手不動産+大手ゼネコンの手になるからか、現場は整理整頓がきちんとできています。








で、現場の作業員詰所で見かけた演歌ポスター。

「いのち惚れ」。「神戸でもう一度」。

現場に慰労兼営業に来たのでしょうか、サインも入ってました。

確かに、現場と演歌は相性がいいです。

が、青山らしからぬそのヴィジュアルに思わずグッと、惹きつけられてしまったのでした。。。



2009/10/13

スペイン-ビルバオ

以下、HPに掲載していたスペイン旅行シリーズの再掲です。
個人的なアーカイブの意味もあってこっちに随時アップします。

年明けにスペインの視察旅行に行きました。10日間で5都市を巡る強行軍だったのですが、今回はビルバオについて記したいと思います。ビルバオはバスク地方にある工業都市で、観光上はマイナーな都市、といえるのですがアメリカの建築家フランク・ゲーリーによるビルバオ・グッゲンハイム美術館により、特に建築家の間では知られる都市となりました。シーザー・ペリもビルバオの都市計画マスタープランを手がけているのですが、今回の目的はこのグッゲンハイムを訪れること。グッゲンハイム美術館は空港から市街地への幹線道路にあたる橋梁の脇に立地しています。深夜に到着したのですが、闇夜にライトアップされた美術館は彫刻とも建築ともつかぬ姿で目の前に忽然と現れてきてなかなか圧巻。建設プロセスを追った書籍を見ると、すでに完成していた橋梁といかに対比させて建物を見せるか、という点をかなりスタディしていたようです。つまりは都市的、土木的スケールで街のランドマークになることを意識しており、徹底して彫刻的な形態とすることで高層ビルとはまた違う次元でのシンボル性をつくりだしているといえます。



一方で内部は、複雑な形態がからみあってさながら迷宮のような空間が拡がっているのですが、吹き抜けのアトリウムを中心に八方に大きさの異なる展示室が連結されている割と平面のため、迷うことなく見て回れます。また、形の異なる展示室にはそれぞれの異なるアートが展示されていて、建築とアートが意外になじんでいました。 以前、ゲーリーの仕事ぶりを追った映画を観たのですが、ハサミでバリバリ材料を切りながら模型をつくってました。 結構荒っぽいのですが、すごく恣意的に見えながら実は相当なスタディを重ねた末に形を決定しているようです。実際行ってみると、形やスケールに違和感がなく、注意深くできているというのがよく理解できました。
 


強いて言えば、建物のディテールも荒っぽいというか割り切ってつくっているので、日本のように精度や安全性を重視する建設方法だと成立しにくい建築とはいえます。神戸にフィッシュ・ダンスという日本で唯一の実作がありますが。 ただ、日本の場合は標準化・工業化が過度に進みすぎている感もあるので、実はこういう特殊解に対応する能力が乏しくなっている気がします。いずれにしてもゲーリーの評価を決定づけた建築、といえるのですが、その評判に違わない秀作、という印象でした。
最後に、トイレの写真を。 個人的に建築を見に行った時にはトイレは結構チェックしてます。トイレの良し悪しで設計者の技量が判断できるという点もあるからですが、グッゲンハイムのトイレはポップで、かわいい系、でした。合格かなと。。。

2009/10/12

砂町銀座

現場に行った帰りに、近くの「砂町銀座」という商店街にお施主さんと散歩に行きました。
道幅の狭い路地に商店がすずなりに連なっています。
どの駅からも遠い場所にあって、時代から取り残されたような、でも賑わいがあって、ちょっと懐かしい光景が拡がっています。今時の東京にこんな場所があった、というのがオドロキです。


2009/10/11

はじめに

以前から自分のHPにコラム欄ということでブログ的に書き綴っていたのですが、アップロードが意外に面倒くさい、、、ということもあり更新が滞っていました。そのため、より簡単に書き綴れるようにブログサイトに書くことにしました。ブログというと頻繁に日常のトピックを公開する、という一般的な前提があって個人的に抵抗があったのですが、まあ、ゆるやかに日々考えたこと感じたことを更新したいと思っています。そのため事務所のオフィシャルサイトとは一味違ってリラックスできる話題を中心に取り上げてゆきたいと考えていますが、そういう点からタイトルを「Cafe LHA」としました。ユルくやってゆきます、よろしくどうぞ。