先日、出張で京都、大阪方面に行ってきました。
合間に時間が出来たので、ちょっと足を伸ばして清水寺へ。
たぶん30年ぶり(!)くらいの訪問でした。
お約束の奥の院側から見た清水寺。
やはりここからの眺めが一番映える、気がします。複雑な形状で柔らかに波打つような檜皮葺の屋根がとてもキレイです。懸造の架構もよくわかるし、左手には京都市街が望めて、とてもフォトジェニックなアングルです。
音羽の滝。
清水寺の開創の起源になった滝で、寺名もここが由来になっているそうです。
並んでいるのはほとんど海外からの観光客の方々で、30年前からの時代の流れを感じてしまいました。。。
下から見上げた本堂。
懸造りといわれる、貫をつかった釘を全く使用していない架構。
大阪万博の大規模木造建築「リング」のモデルとなっています。
下からの見上げもなかなか迫力があるのですが、意外に皆さんスルーしてゆきます。。。
まあ、じっくり眺めているのはケンチク好きのみ、、、というのは30年前と変わらないような。
本堂の手前の石垣も改めて見ると見事なものです。奥に懸造りの舞台がちょっと見えています。
ふと考えてみると、本堂もより頑丈な石垣の上につくれば良かったのではないか、、、と思ったのですが、調べてみると懸造りでつくられている、いわゆる「舞台」部分は、後から増築でつくられたようです。
江戸時代の参拝客の増加に対応して、崖側のせり出した部分に仮設的につくったのが「舞台」部分のようです。
屋根の複雑な形状も、増築を重ねた結果と考えると合点がゆく感じがします。
一般にも知られる名建築の中には増築を重ねて現在に至っているものがけっこうあるのですが、様々な変化に対応しながら改善を積み重ねていった結果、名建築が生まれる、というのもひとつの真理かもしれません。
翻って自分の30年前と較べると、当時は単体のケンチクばかりを見てましたが、今回は周りの部分や歴史的な成り立ちも含めてケンチクを見る視点を持てたことが自分自身の多少の成長、、、かもしれません。
ケンチクやアート、映画にしても、定番の名作を時々見返すことで、自分の年齢や経験に応じて視点や感想が変わってくるトコロが面白いなあと思います。
まあ、清水寺のような名建築は、もうちょっと頻繁に来るべきとも思うのですが、いつでも来られると思うとあっという間に10年、20年経ってしまう、、、というものです。
今回は、芦屋にあるフランク・ロイド・ライトの旧山邑邸も久々に訪問できたので、近々にレビューできればと思います。