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2024/06/29

清水寺

 先日、出張で京都、大阪方面に行ってきました。


合間に時間が出来たので、ちょっと足を伸ばして清水寺へ。

たぶん30年ぶり(!)くらいの訪問でした。





お約束の奥の院側から見た清水寺。

やはりここからの眺めが一番映える、気がします。複雑な形状で柔らかに波打つような檜皮葺の屋根がとてもキレイです。懸造の架構もよくわかるし、左手には京都市街が望めて、とてもフォトジェニックなアングルです。



音羽の滝。

清水寺の開創の起源になった滝で、寺名もここが由来になっているそうです。

並んでいるのはほとんど海外からの観光客の方々で、30年前からの時代の流れを感じてしまいました。。。






下から見上げた本堂。

懸造りといわれる、貫をつかった釘を全く使用していない架構。

大阪万博の大規模木造建築「リング」のモデルとなっています。


下からの見上げもなかなか迫力があるのですが、意外に皆さんスルーしてゆきます。。。


まあ、じっくり眺めているのはケンチク好きのみ、、、というのは30年前と変わらないような。



本堂の手前の石垣も改めて見ると見事なものです。奥に懸造りの舞台がちょっと見えています。



ふと考えてみると、本堂もより頑丈な石垣の上につくれば良かったのではないか、、、と思ったのですが、調べてみると懸造りでつくられている、いわゆる「舞台」部分は、後から増築でつくられたようです。


江戸時代の参拝客の増加に対応して、崖側のせり出した部分に仮設的につくったのが「舞台」部分のようです。


屋根の複雑な形状も、増築を重ねた結果と考えると合点がゆく感じがします。


一般にも知られる名建築の中には増築を重ねて現在に至っているものがけっこうあるのですが、様々な変化に対応しながら改善を積み重ねていった結果、名建築が生まれる、というのもひとつの真理かもしれません。



翻って自分の30年前と較べると、当時は単体のケンチクばかりを見てましたが、今回は周りの部分や歴史的な成り立ちも含めてケンチクを見る視点を持てたことが自分自身の多少の成長、、、かもしれません。


ケンチクやアート、映画にしても、定番の名作を時々見返すことで、自分の年齢や経験に応じて視点や感想が変わってくるトコロが面白いなあと思います。



まあ、清水寺のような名建築は、もうちょっと頻繁に来るべきとも思うのですが、いつでも来られると思うとあっという間に10年、20年経ってしまう、、、というものです。




今回は、芦屋にあるフランク・ロイド・ライトの旧山邑邸も久々に訪問できたので、近々にレビューできればと思います。








2023/01/31

沖縄視察その2:中城城跡

 ちょっと間が空いていますが、沖縄視察の続きを。


昨年、ちょっとアップした世界遺産・中城城跡(なかぐすくじょうあと)。

中城城跡は、室町時代から築城されたらしいですが、現在は石垣が残るのみの城跡です。

ですが、そのロケーションや石垣の石組みが素晴らしく、日本の100名城にも指定されているそうです。





尾根沿いの起伏に沿った石垣と、その先に拡がる市街地と海。






丘の上にあるので、海岸線越しに沖縄本島を眺めることが出来ます。
海と空の拡がる、まさに天空の城。





遺構の中でも特に象徴的な、一の丸への入り口のアーチ。









一の丸の内側の石垣の上から見たところ。有機的な曲線を描く石垣が美しいです。







一の丸を出たところ。
石垣のちょっと朽ちた感じも、なんともいえない情感があります。







逆光で見た感じも、なんとも「映え」ます・・・(笑。






全体を俯瞰できる模型。

地形を活かしつつ、巧みに築城されている様が理解できます。




決して写真が上手い方ではありませんが、撮るだけで「映え」る写真になってしまう、、、のがよくわかるかと思います。



丘の上に立った時の開放感や眺望の良さは素晴らしく、この場所に城をつくった先人達の土地に対する感覚の鋭さは見事としかいいようがありません。



中城城跡は沖縄出身の友人に勧められて、予備知識をあまり持たずに訪ねてみたのですが、非常に印象深く、行った良かったなあとつくづく思う次第です。




沖縄では中城城跡以外にも色々行ったので、こちらのブログでも随時ご紹介してゆきたいと思います。




まあ、まずは更新頻度をもう少し上げないと、、、、いけないですね。










2022/11/30

沖縄視察その1

 気づけば11月も終わりになりますが、個人的に今年の11月は実りの多い日々でした。


というのも、タイトルの通り、ひょんなことから沖縄視察が実現したのです。


個人的に数少ない未踏県のひとつであった沖縄。

見に行くことが出来た建築もさることながら、色々な意味で良い刺激とリフレッシュできる活力をいただきました。






写真は、世界遺産・中城城跡。

丘陵の上に拡がる、まさしく天空の城、です。



この写真を見るだけでもちょっと高揚感が出てしまいますが(笑、豊かな自然と人間の感性が融合した素晴らしい場所でした。




またちょっと不定期に視察の様子を更新できればと思いますが、まずは第一弾ということで。






2021/09/11

イタリア視察:ヴェネツィア3

 不定期でレビューしている、イタリア視察のベネツィア編の3回目です。


ベネツィアの中心といえばサンマルコ広場ですが、広場に面して多くのカフェがあります。

その中でも最古といわれる「カフェ・フローリアン」を訪ねました。

調べると1720年創業(!)だそうで、カフェ・ラテ発祥のお店とのことです。




クラシックな雰囲気のあふれる、お店の外装。





店内もクラシックな感じ。古さを感じますが、よくメンテナンスされているので上質な感じがします。





店内の床のモザイクタイルも可愛い、です。床は消耗しやすい部位ですが、やはりメンテナンスがしっかりされているのだと思います。




ちなみに、こちらが当日頼んだティーセット。
何を頼んだのかは忘れてしまったのですが、、、カフェというのは雰囲気を含めて味わうものかなと思います。




外にはテラス席。楽団の生演奏付きなのですが、その分お値段もお高く、、、設定されていました。


こうして大勢のお客さんが集まって会食を楽しんでいる風景は今や隔世の感がありますが、また自由に往来して気楽にカフェに行ける日々が早く戻ってほしい、、、と思います。



そして、日本では100年以上前から同じ立ち姿で持続しているお店はなかなかお目にかかれないものですが、さりげなく日常に溶け込んで使われ続けているこのカフェのように、持続的に愛されるような空間づくりを心がけたいなあ、と気持ちを新たにした次第です。








2021/05/26

イタリア視察:ヴェネツィア2

 不定期にアップしているイタリア視察、ヴェネツィアの2回目です。



サンマルコ広場に面していて、ケンチク好きなら誰もが立ち寄りたい場所として「オリベッティ・ショールーム」があります。

イタリアの近代建築の巨匠の一人、カルロ・スカルパの設計によるショールームです。


元々はイタリアの家電メーカーのショールームですが、その後お土産屋さんに改造されたりして往時の面影が無くなっていたところ、近年になって修復されて新たにスカルパの文化遺産を展示するギャラリーとして復活していました。



自分にとっては20年以上前の1998年夏に訪れたことがあったのですが、今回再訪がかないました。




外観はこんな感じで、地味な印象です。

でもよくよく見ると、入口廻りの造作とかが凝っていることに気づきます。





レールで吊られた鉄の格子戸。

木の天井と鉄や真ちゅうの錆びた質感がマッチしています。




大理石と真ちゅうを組み合わせた照明。

50年以上前の作品ですが、古さと新しさが同居したデザインです。





このショールームで最も有名な大理石の階段。

緩やかな勾配と対称形を崩しながらリズムをつくりつつ、端正なたたずまいも感じさせる、近代建築を代表する名作階段のひとつです。





2階も天井の低いギャラリーになっていました。

20年前、お土産屋だった時に訪ねた時は2階に上がることが出来なかったので、ちょっと感激でした。

木と大理石、しっくいの質感、穏やかな光がなんとも良い雰囲気です。




中央の丸い部分は噴水と水盤で、床のタイルはベネチアン・モザイクタイル。

素材の使い方の細やかさとデザインの緻密さやはり工芸品といった方が良いような趣きがあります。




カルロ・スカルパは、一般的なイメージの白いガラスの近代建築というよりは、イタリアの伝統的な素材や技術をモダン・デザインに取り込んだ近代建築を創り出したところに大きな功績があるといえそうですが、年月を経ても輝きを失わずにむしろ風合いを増すようなデザインや素材の使い方は大いに見習うべき点があるように思います。




言葉や数値で表現しにくいものですが、こういうロングライフなデザインこそがサスティナブルだなあと写真を見返しつつ、しみじみ思います。




2021/03/04

イタリア視察:ヴェネツィア1

不定期ながら時々掲載している、イタリア視察旅行の続きです。


フィレンツェ滞在の後、一路ヴェネツィアへ。




ヴェネツィアは今だに水運が主な交通手段ですが、水上バス・ヴァポレットに乗船して市街地の中心部に向かいます。



大通りに相当する「カナル・グランデ」という旧市街をぐるりと巡る大きな運河を起点として、細かい運河が市街地に張り巡らされていますが、写真はカナル・グランデを通っているヴァポレットから見た街並み。

かつての日本の都市も水運がメインで、往時はヴェネツィアのように船が行き交う街だったらしく、東京にも日本橋界隈やダウンタウンエリアにその名残が若干残っていますが、ヴェネツィアはそうした水運による街のアクティビティがそのまま動態保存されている感じです。




ヴェネツィアのシンボル、サンマルコ広場。

最近の日本のニュースでは、海面上昇による「アクア・アルタ」という洪水で水没したサンマルコ広場の様子がよく出てくるので、その姿ばかりが印象的に報道されますが、行った時にはそうした水害のおもかげは全くありませんでした。
とはいえ、この写真の数週間後には水没のニュースが流れてびっくりしましたが・・・。


「アクア・アルタ」は近年その頻度が多く水位も高くなっており、地球温暖化が原因とも言われています。

そうした意味で、ヴェネツィアは温暖化により被害をこうむる都市文明・文化遺産の象徴のようになっていますが、実際に街を歩いてみると、そうした問題がよりリアリティをもって体感できる気がします。


とはいえ、最近のニュースでは水面の低下で運河が機能していない、、、という報道もあって、気候変動によってどういう影響を受けているのか、単純に判断できないような点もあります。



いずれにしても、我々が日常的に天気予報を気にしているように、海という大自然の変化を気にしながら住んでいる街なのだろうと思います。



そうした気候の変化に対して、建築に何が出来るか、、、建築家としての取り組みを続けてゆきたいと改めて感じる次第です。



2020/11/17

イタリア視察:フィレンツェ4

 すでに一年以上経ってしまいましたが、、、イタリア視察の続きです。


今回はダビデ像で有名なアカデミア美術館についてです。


アカデミア美術館は、ミケランジェロ作のダビデ像が展示されていることで有名な美術館です。

行った当時はご多分に漏れず観光客でごった返していました。。。



天窓のあるドームの真下に屹立しているダビデ像。

光の美しい、劇的な演出です。






像の高さは約5メートルだそうです。

人と対比すると大きさがよくわかります。

ミケランジェロの彫刻作品としては最大クラスかと思いますが、ミケランジェロは筋肉質で力強い男性の像のクリエイションに関して右に出るものがいない、、、という感じもします。500年前の作品になりますが、その普遍的な美の力は現代の我々に十分感じることが出来るかと思います。




そして、このダビデ像以外にもミケランジェロ作による未完成の像があります。





「奴隷像」として知られるこれらの彫刻も有名な作品です。

未完成ながら、石の中でもがくように体をねじらせている像はもしかすると完成品よりも迫力のある、独特の魅力があります。





たしか、中学か高校時代の美術の教科書に載っていて、未完成の作品の中にも「美」がある、というような趣旨の解説だった気がします。

未完成の美、というのがちょっと学生時代の自分にとってすごく印象的でしたが、異なる目線から物事を観るとまた新しい視点があり、様々な視点の中に複合的にものの見方がある、ということを示唆してくれたようにも思います。



まあ、難しいことを考えずに現地に行ってアートを体感するのが一番良い訳ですが、改めてこれらの写真を見てみると、制約無しに再訪できる日がいつ訪れるかなあ、、、思わずにはいられません。



まだまだコロナ禍の厳しい昨今ですが、制約なく自由に往来できる日々が近々に訪れることを願うばかりです。





2020/07/15

イタリア視察:フィレンツェ3

今回は街並みの様子を撮った写真をいくつかご紹介。



ウフィツィ美術館の回廊から裏手を流れるアルノ川越しんにヴェッキオ橋を見たところ。
おそらく400年くらい変わっていないのかなあ、、、と思います。





こちらはルネサンス建築の初期の代表作、ブルネレスキの「捨子保育院」前の広場の眺め。
観光でポピュラーなエリアではないので少し落ち着いた風情があります。
こちらの風景も数百年変わっていないのかもしれません。






一方でバイクの並ぶ、現代的な風景。
狭い路地が広がっている旧市街ではやはりバイクのように小回りが効く乗り物が有効なのか、少し奥の路地に行くとバイクが列をなして止まっています。





他方、観光エリアでは馬車が走っていて、往時をしのばせます。
これはどこの観光地でもおなじみの光景かもしれません。




そして、広場では馬が草を食んでいたりして、ちょっとのどかな風情も感じさせます。






町中の集合住宅の扉にある、人型の取手。
全体に使い込まれた感じが良い風合いになっていて、街の細部に味わいと深みを加えています。






フィレンツェのような古い市街地がそのまま残っている都市では往時をしのばせる風合いが随所に残っている訳ですが、その一方でその中身は更新されていて、ギャップがありつつも上手くバランスを取りながら生活している様がうかがえます。





そうした新と旧のバランスがヨーロッパの都市の魅力とも思いますが、建築デザインの観点からすると、持続的に残ってゆく魅力とスペックのある建築をつくってゆくことが大事だと改めて思う次第です。








2020/06/20

イタリア視察:フィレンツェ2

フィレンツェの2回目はサン・ロレンツォ聖堂のミケランジェロの作品について。



サン・ロレンツォ聖堂はルネサンスの興隆を担ったメディチ家の加護のもとにルネサンス時代に大きく発展した教会です。



教会の正面(ファサード)。ご覧の通り、粗い石組みのままで未完の状態です。
ミケランジェロのデザインによるファサードのデザイン案が残されていますが、資金や
政治的な事情で実現しなかったようです。未完のまま500年近く残っているのもすごい話ですが、、、やはり石造建築の耐久性とメンテナンスに対する不断の努力の結果かもしれません。



この聖堂は様々な用途の複合体になっていますが、その中からミケランジェロに関する部分をご紹介します。




まずはメディチ家礼拝堂にある、新聖具室。









彫像を含めてミケランジェロの作品です。
訪問時は部分的に修復用の足場がかかっていて見づらい箇所もありましたが、素材を限定しつつ建築の厳格なプロポーションと彫像の肉体的な量感が対比的で緊張感のある空間を創り出しています。
この部屋はメディチ家の墓所にあたる訳ですが、墓所にふさわしい静謐な空間を創り上げているなと思います。




そして、サン・ロレンツォ聖堂のもうひとつのミケランジェロ作品、ラウレンツィアーナ図書館。





この図書館で有名なのは閲覧室よりもむしろ前室にある大階段かもしれません。
天井の高い、縦長の空間にオブジェ的でマッシブかつ流麗な階段が鎮座しています。


この階段は建築史の教科書に必ず出てくるような階段ですが、おそらく階段単体をデザインの対象としてきっちりと設計した最初期の代表例なのかもしれません。
実際に見てみると、彫刻的でとても迫力のある階段です。





閲覧室の中もミケランジェロのデザインです。
閲覧台と窓割・列柱が厳格でリズミカルな空間をつくりだしています。


この閲覧室の奥が展示室になっていて、サン・ロレンツォ聖堂の宝物が展示してありました。


現存するミケランジェロの建築作品は数少ないのですが、そのうちの2つを見ることが出来るサン・ロレンツォ聖堂は建築好きにとっては欠かすことの出来ない聖地、とも言えます。


いずれも重要な文化遺産として大切に保存されていますが、保存と利用を上手く両立させながら活かされているように思いました。


日本においても文化遺産の保存と利用はずっと課題になっていますが、建築の場合は立入禁止で外から眺めるしかないような例が多く、残念に思うケースがよくあります。



そういう意味ではイタリアでは保存と利用を両立させながら上手く観光資源として活用している例が多くみられました。
日本でもこうした利用可能な文化遺産がより増えてゆくといいなと思います。










2020/06/12

イタリア視察:フィレンツェ1

コロナ禍もあってレビューがしばらく途切れていましたが、昨年秋のイタリア視察の続編ということでフィレンツェについて。



フィレンツェといえばやはりドゥオモ(大聖堂)がランドマークとして有名です。






外装は白とグリーンの大理石のパターンで華やかな印象です。
グリーンの大理石をここまで多用しているのは珍しい気がしますが、寄木細工のような細やかなパターンが効果的に使われています。









華やかな外装に較べるとインテリアはちょっと地味な印象です。
屋根にはゴシック様式のリブヴォールトの架構がかかっていますが、いろんな時代の意匠が少しづつ積層している感じです。全体的に少し地味なのは、おそらくインテリアの工事に取り掛かった頃にはフィレンツェという都市自体が盛期を過ぎて資金がなかった、、、のかもしれません。

とはいえ、建物のスケールの大きさ、華やかさはルネサンスの花の都と讃えられた時代を想起するのには十分な偉容であるといえます。

二十年前に訪れた時はもっと建物が経年変化で汚れていて、重苦しい印象があったのですが、近年の修復で汚れが除去されて往時の華やかさが戻っていたように見えました。







最後に、この大聖堂のデザインを手掛けたルネサンスの巨匠ブルネレスキのお墓。
ブルネレスキはルネサンス建築の創始者ともいわれる建築家ですが、聖堂の地下に眠っていらっしゃいました。本来は地下で静かな環境のハズですが、すぐ隣がお土産ショップエリアに改装されていて、とても賑わっていました。まあ、どう見ても安らかには眠れない環境(笑、、、に変化していてちょっとかわいそうだなあとは思いましたが、資本主義や観光という産業がもたらした時代の変化を如実に表わしているのかもしれません。




今回のコロナ禍でまた静かな環境が戻っているのでしょうが、、、また聖堂に賑わいが戻ることをブルネレスキもお墓の下で願っている、かもしれません。







2020/02/20

イタリア視察:バチカン2

バチカンの続きです。

今回の視察で特に印象的だったのは観光で有名な場所はいずれも長蛇の列が出来ていたことです。

これは観光客の絶対数が増えているのと、セキュリティチェックがかなり厳格化されていて空港と同じくらいのチェックをされるためですが、バチカンの大聖堂もご多分に漏れず広場を巻くように列が出来ていました。



我々が行った季節はまだ穏やかな時季でしたが、これが猛暑や極寒だとシンドいだろうなあと思います。まあ、そういう時季はオフシーズンで人も少ないかもですが・・・。





ともあれ、セキュリティチェックを抜けて中に入るとそこは荘厳なキリスト教の世界です。




写真に写っている人の大きさを比較するとよくわかりますが、内部とはいえ、かなり大きな空間です。
やはりカソリックの総本山ということでスケールの大きさと内外装の凝った意匠は他の追随を許さない、、、感じがします。





そして、バチカン大聖堂で必見のひとつがミケランジェロのピエタです。


大聖堂に入ってすぐのニッチ部分にガラスで保護されて展示されています。





ちょっと艶やかさも感じてしまうような、約4-500年前の彫刻とは思えない迫真性と気品にあふれた彫刻です。
しかもミケランジェロは弱冠25歳にしてもこの彫刻を製作していたそうで、天才ぶりが際立つ、、、感じがします。




たしか沢木耕太郎の「深夜特急」にもミケランジェロのピエタにいたく感動した、という話しがあった気がしましたが、今回の旅行でも行く先々でミケランジェロの足跡をたどることが出来ました。


やはりそれだけミケランジェロの芸術作品が大事にされているともいえるのですが、観光資源と文化の持続的な継承という点を考慮すると、日本においてもこうした文化遺産をきちんと保護して価値を高めてゆくことが、より大事になってゆく気がしました。