2021/12/25

府中:断熱工事1

工事進行中の府中の二世帯住宅は、高気密・高断熱仕様としていますが、今回はその断熱工事の様子をご紹介。


この住宅は民間規格「HEAT20G2グレード」の断熱仕様としています。

これは、室内がおおむね13℃を下回らない程度の断熱グレードとされていて、現在の省エネ等級の最上級「等級4」で求められている外皮平均熱貫流率UA値0.87に対し、UA値0.46(温暖地域の場合)が求められます。

UA値はその数値が小さいほど性能が良いので、いわば「等級4」の倍の性能を持つのが「HEAT20G2グレード」になります。

とはいえ、そもそも日本の断熱基準は低く設定されていると言われており、「HEAT20G2グレード」でも高気密・高断熱仕様としてはミドルクラスの性能といえます。

個人的には東京のような温暖地域では費用対効果を考慮するとG2グレードくらいがバランスが良いのではないかと考えていますが、この府中の住宅もそうした考えのもとに断熱仕様が設定されています。




断熱材施工中の外壁側の様子。窓枠部分に木枠がついていて、その外側の外壁全般に張られているのが25ミリの断熱ボード。これは一般的に「付加断熱」といって、柱や梁といった構造部分から熱が伝わるのを防ぐために外壁側にまんべんなく張り巡らします。




外壁面をもう少し拡大してみた写真。外壁一面に張られているのが断熱ボードで、製品としては「フェノバボード」を使用しています。ざっくり言うと、密度の高い発泡スチロールを壁一面に張っているような感じです。このような処置をすることで外気の冷気・暖気が室内側に侵入するのを防ぎます。





一方、室内側はグラスウールを入れています。グラスウールはガラス繊維の断熱材で、木造ではよく使われています。

今回使用した製品は木造の規格に合わせて使いやすいように袋入りにされた製品「アクリネクスト」を使用しています。

隙間が出来ないようにまんべんなくグラスウールを充填することが施工上大事なポイントになります。




断熱工事は高気密・高断熱仕様のキモなので、また別の記事で改めてレビューしたいと思います。