2022/01/27

フィンランドデザイン展

 今週末に会期末を迎える、渋谷の東急文化村で開催中の「ザ・フィンランドデザイン展」に行ってきました。


フィンランドというと、ムーミンやサウナで有名な北欧の国ですが、デザイン関連の世界でも家具のアルテック、陶器類のイッタラ、アラビア、ファブリックのマリメッコ等々、日本でもお馴染みのブランドが多くみられます。


展覧会はこれらのデザインブランドの始原にあたる20世紀前半から中盤にかけての主要なデザイナーを紹介する、概要を把握する入門編として最適な展覧会でした。


フィンランドは北欧の比較的小さな国ですが、森と水の自然に親しむ文化というのが日本人の感性と近いところもあるせいか、近年特に人気がある国のひとつと思います。


かくいう私も2016年に初めて訪れて、色々と見学・勉強させていただきました。



展覧会で印象的だったのは、女性のデザイナーが多く活躍していた点で、陶器やテキスタイルといったジャンルの影響もあるかもしれませんが、女性の社会進出や働き方についても学ぶべき部分が多くあるのだろうと思いました。






写真は会場内で撮影OKだった、家具の展示スペース。

展示されている家具はアルテック社の製品がほとんどですが、デザインしたのはフィンランドの巨匠建築家、アルヴァ・アアルトとその妻アイノ・アアルト。


多くの製品がデザインされたのは1930-40年代のようですが、今見ても有機的な曲線と優しい木を使用したプロダクトは古びることなく、いまだ人気のプロダクトです。




こうした持続的でロングライフなデザインを生み出したいと常々思いますが、色々と勉強になる展覧会でした。




すでに会期末ですが、予約制の展覧会なのでお早めに来訪されるのが良いかと思います。






2022/01/23

恵比寿のリノベーション、スタート。

 年が明けて、恵比寿の戸建住宅のリノベーションがスタートしました。



お話しをいただいたのは一昨年だったのですが、そこからゆっくり、ゆっくりと設計を進めてようやく着工に至りました。


建物は築25年程度経った、ツーバイフォーの木造住宅。

25年経つと、水廻りを中心に老朽化した部分が出てきたり、建具の立付けが悪くなったりと色々な問題が出てきます。


今回は、あまり間取りは変えずに各部屋をリファインしていく方向性での改修になります。





写真は現況のキッチン。

今回はオーダーキッチンの設計施工のエキスパート、リブコンテンツさんにキッチン製作をお願いしているので、フルオーダーで使いやすくオシャレなキッチンが出来ると思います。


こうしてモノが無いスッキリした状態で見てみると、まだまだ使えそうな感じもしますが、、、遠目に見てもデザインがちょっと古くなっているのと、近くで見ると設備機器を中心にだいぶヘタっているのがわかります。


ちなみにガスオーブンはマジックシェフというアメリカのメーカーの製品で、4口コンロのハイパワーモデルですが、現在は日本の安全基準の関係であまり使われないそうです。

こういうのはやや希少で解体撤去するのはもったいない気もするのですが、、、やはり老朽化に逆らえないということで撤去する予定です。




今回は温熱環境の改善も含めたリノベーションになりますので、そうした点も含めてブログで工事の進捗をレビューしたいと思います。





お施主様はじめ工事関係者の皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。









2022/01/15

府中:断熱工事2

 府中の二世帯住宅の現場のレビューです。

前回は主に外側の付加断熱についてご紹介しましたが、今回は内部の断熱材の施工についてです。



今回、屋根と壁は高性能グラスウール、基礎床部分はフェノールフォーム系断熱材ボードを使用しています。

これらの仕様は、一般的な木造住宅で使用される断熱材の仕様と大きな違いは無いのですが、材料の厚さはだいぶ異なります。




2階リビング。壁、屋根面に断熱材が施工されています。壁で100ミリ、屋根で250ミリ程度の厚みにしています。





屋根に見えているモフモフがグラスウールです。

モフモフをきちんと充填することで断熱層をつくります。


やっていることはダウンコートに近いかもしれません。羽毛の厚さとグレードが高く袖や襟部分がきちんと密閉されるコートは暖かい、というのと同じ原理、といえます。






2階の個室。
こちらも壁面は気密シートで覆っていますが、屋根面はグラスウールが見えています。








こちらは1階の床下収納部分。

1階の床下はこちらの写真に見られるフェノールフォーム系の断熱材を敷き込んでいます。

密度のあって厚い発泡スチロールを敷いているイメージです。

床の置かれているのがその材料で、今回は90ミリの厚さを使用しています。



断熱材の仕様や施工方法は、目標とする性能値に準じて決定されますが、今回はHEAT20G2グレードという、東京のような温暖地域で性能とコストのバランスが取れていると思われるグレードにしています。G2グレードより高い性能を求める場合、屋根や壁の厚さをより厚くする必要が出てくるので、有効に使用できる部分がやや狭くなります。


やはり性能、コスト、デザインのバランスが大事かなと思いますが、どの辺りを着地点とするかはケースバイケースかと思います。





実際の現場はこちらの写真よりもだいぶ進んでいますが、また近々に進捗をレビューしたいと思います。






2022/01/11

お雑煮

 連休も明けて、正月気分も抜けつつありますが、前回に続き正月ネタです。


日本のお正月といえばおせち料理やお雑煮を思い浮かべるものですが、お雑煮は地域差が非常にあるそうで、時々ニュース記事になっていたりします。


「食べる文化財」お雑煮、地域で具材やだしはなぜ違う? 食文化研究家が解説(畑中三応子) - 個人 - Yahoo!ニュース


この記事を読むと、多種多様なお雑煮が各地で食されていることがわかります。



そして、福岡の実家に帰ると、記事中にあるような典型的な「博多雑煮」が定番となっています。



具材は、ぶり、鶏、かまぼこ、里芋、しいたけ、かつお菜、ごぼう、お餅。出汁はあご出汁ベースです。

このお雑煮がスタンダードだと長年信じて疑わなかったのですが、むしろ地域限定のレシピだと気づいたのは、ごくごく最近のことです。



昨今の日本では、地域差を感じることは少なくなってきていますが、記事に見られるようなお雑煮の多彩さは、顕著に地域差が残っている珍しいケースな気がします。



やはり、郷土料理というのはそれぞれの土地に根ざした食習慣と深く関連しているのでしょうが、こういう地域差があるからある旅をして実体験することは楽しい、のだと思います。



そろそろ正月気分を抜け出さないと、、、と思いつつ、年末年始に撮った写真を見返していらお雑煮の写真が目に留まったのでアップしてみました。





2022/01/08

初詣で

遅ればせながら、新年一回目の投稿です。

今年もよろしくお願いいたします。


今年は久々に、感染対策に配慮しつつ帰省をしたり人に会ったりと、例年に近い、穏やかな年末年始を過ごすことが出来ました。



そして、お正月といえば神社へ初詣で、ということで密を避けつつ詣でてきました。





中目黒の八幡神社。

ご近所の神社ですが、ちょっと高台の上にあって、気持ちの良い鎮守の森の中にあります。






博多の代表的な神社、櫛田神社。

千鳥破風の屋根や大きな注連縄が立派で、博多の総鎮守と呼ぶにふさわしい、堂々とした本殿です。





実家の近くにある、筥崎八幡宮。

近隣はだいぶ都市化されていますが、海浜から続く参道の先にある、これも鎮守の森の面影を残した境内。樹齢800年の立派なクスノキもあったりして、千年以上続く古刹の風格を漂わせています。




特に信心深い訳ではないのですが、ケンチクのシゴトをしていると社寺仏閣の建築本体のみならず、それらの立地の良さや境内の環境にも改めて感心することが多くなっていて、歳を重ねるごとに気づきが多くなっている気がします。



そんな訳でブログ内でもよく社寺仏閣をご紹介したりしていますが、それらがパワースポットと言われる所以を自分なりに探して楽しんでいるところです。





最後に上空からの富士山。


自然がつくった、最強パワスポ、といいますか、、、飛行機からの眺めはいつも見慣れているハズなのに、見つけるとちょっと嬉しくなってついつい写真を撮ってしまいます・・・。




今年も、こうした社寺仏閣や富士山のように、周辺の環境を活かした清らかな空気の流れる場所や空間を設計してゆきたい、、、と思っています。




重ねて、本年もよろしくお願いいたします。