2021/04/21

省エネ法講習

 今年の4月から改正省エネ法が施行され、300平米以下の住宅でも省エネ基準に適合しているか、建築主への説明義務制度がスタートしました。

そして、その施行に合わせて東京建築士会のオンライン講習が開催されていたので、先日受講しました。




今回の改正では住宅のような小さな建物では省エネ基準への説明義務が生じるのみなので、実は不適合でも罰則等はありません。

その意味では非常に緩い縛りの改正ではあるのですが、建築士は省エネの適合について検討し、建築主へ説明する必要があります。


ウチの事務所では各プロジェクトごとに省エネ計算をするようにしているのと、現行の省エネ基準より高い省エネ性能(=HEAT20G2レベル同等)を目指した住宅づくりをしているので、実際に業務や設計のスペックに大きな変更は必要無い、、、ということが講習を受けてわかったのですが、建築に関連する法規や基準は日々更新されてゆくので、常に新しい情報を更新する必要があります。


そういう意味ではこうした講習会がオンラインで開催されるのは移動が無いぶん気軽に受講できるので、参加しやすいものです。

参加が気軽なぶん、途中で眠くなったりするのが弊害かもですが・・・(笑。



まあ、常にブラッシュアップが必要なのはどの職能にとっても同じなのかと思いますが、スキルや情報の更新はおこたらないように心がけたいと常々思っています。





2021/04/14

世田谷美術館

 アアルト展関連が続きますが、展覧会が開催されているのは用賀の砧公園の中にある、世田谷美術館。





世田谷美術館は80年代半ばに建てられた建築で、設計は内井昭蔵さん。集合住宅や戸建て住宅の設計で名を馳せた、昭和の巨匠の一人です。世田谷美術館はここ数年、大規模改修で休館していましたが、昨年リニューアルオープンしました。

リニューアルといってもデザイン的には大きな改修はしていなさそうで、公園の木々の中に建つ建築はなんとなく風合いが増して、風景に馴染んでいました。





こちらはエントランスホール。床や階段はトラバーチンと言われる大理石の一種がゼイタクに使ってあります。

おそらく今はこうしたリッチな石の使い方をするのは、特に公共建築では難しいのではないかと思います。




展示室間をつなぐ回廊から中庭を見たところ。

単板ガラスをV字柱と壁に枠なしで納めている、ちょっとアクロバティックなディテール。

少しフランク・ロイド・ライトっぽい感じもします。




入口脇の傘立てもオシャレ。

庇や雨樋も含めて一体的にデザインされていて、違和感の無い組み合わせになっています。



もうすぐ40年近く経つはずの建築ですが、クラシックな近代建築、といった趣きで古さが良き味わいになっている建築です。


世田谷美術館は最寄りの用賀駅から徒歩15分くらいかかるのですが、時折良質な企画の展覧会をやっているので学生の頃から通っている美術館のひとつです。


こういう年月が経っても変わらず大事に使われている建築は日本には大変少ないのですが、、、設計がキチンとしていて、メンテナンスが継続して行われていれば持続的に使用可能、という点を証明しているものと思います。

いわばサステナブルな建築のひとつの好例、とも言えるかもしれませんが、ちょっと昭和レトロな風格も感じられる、80年代の良質な建築のひとつです。


今回は閉館間際の訪問だったので、またカフェでお茶したりしつつゆっくりした時間を過ごしたいものです。






2021/04/10

アアルト自邸

 前回、世田谷のアアルト展の展示を少しご紹介しましたが、2016年にアアルト自邸を訪れた際の写真を見直してみると、展示と同じようなアングルの写真を発見しました。





若干アングルは異なりますが、展示にも再現されていたアアルト自邸のリビング。

南側に拡がる庭園からの柔らかな光があふれる穏やかな室内です。

奥の部屋はスタジオですが、段差があって心理的に仕事場と切り替えるようになっています。

そして、テーブルの奥にはグランドピアノ。


アイノ・アアルトが愛用して弾いていたものだそうです。




ピアノの上の写真はアイノさん。


照明や雑貨といった調度品とも調和が取れていて、アイノさんが住んでいた当時の気配が色濃く感じられるような気がします。





それにしても今見ても全く古く感じない、、、、そんな居心地の良い空間です。





今回の展覧会は今一度、二人のアアルトが手掛けた建築やデザインについて復習する、良い機会だなあと思います。








2021/04/07

アアルト展@世田谷

 現在、世田谷美術館で「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展が開催されています。


アルヴァ・アアルトはフィンランドを中心に活躍した20世紀の近代建築の巨匠のひとりですが、その公私にわたるパートナーがアイノ・アアルトでした。


今回の展覧会はその二人が一緒に活動した約25年間にスポットを当てて展示する展覧会です。




アイノ・アアルトはどちらかというとインテリアや家具、食器といった分野のデザインを中心に活躍したそうですが、今回の展覧会では彼女のデザインした製品が数多く展示されているのがポイントです。


写真撮影OKエリアに展示されている、アアルト自邸のリビングのインテリアの再現展示。

もう80年くらい前の住宅ですが、今だに販売されている家具や照明で構成されていて、全く古さを感じさせません。むしろ、新鮮な感じすらあります。


ちょっと自慢になりますが(w、数年前にヘルシンキにこの自邸を見学に行きました。木やレンガ等のナチュラルな素材を使って緑の環境に囲まれた気持ちの良い住宅でした。


フィンランドにあるアアルトの建築は現在、世界遺産登録に向けて活動しているようです。





こちらはニューヨーク万博の展示風景を再現したもの。

波打つカーブの優しい造形が和みます。

こちらにも二人のアアルトがデザインしたプロダクトが展示されていましたが、その多くが今も現役で販売されています。

ウチの事務所や自宅で使用しているものもありますが、いずれも手触りが良くて機能的なものが多く、長く使えるロングライフデザインのプロダクトです。





ちなみに、今回の展覧会は完全予約制なので、適度な密度で鑑賞することが出来ます。

最近の美術館は予約制で人数制限をしているところが多いですが、その方が混雑せずにゆったりした環境で見られることが出来るので、コロナ禍以降も継続してほしいなあと思います。


とはいえ、アアルト展には日曜の夕方にもかかわらず多くの人が見学に来ていました。

やはり昨今の北欧デザイン人気を反映しているのかと思いますが、時代の流れとして優しいデザインに皆興味があるのかなと思います。


アアルトは自然環境から学んだ素材や造形を多用していて、エコデザインの源流ともいえる巨匠ですが、個人的に以前にも増して大変興味深い建築家のひとりです。




オススメの展覧会ですので、ぜひ足を運んでみてください。