2012/01/23

虎ノ門・六本木

先日、森美術館で開催されていた「メタボリズム展」に行ってきましたが、帰り際に恒例の展望台に立ち寄りました。



都内を一望できる展望台から虎ノ門方面を眺めると、基本設計を担当していたビルの現場が間近に見られました。







真ん中の大きい方です。もうすぐ外装が頂部まで施工されるところまできています。

まあ、当然チームでやっていた作業なので、部分的な関わりしかしていないのですが、全体のデザインを決定した時にちょうど携わっていたので、余計に感慨深いモノがあります。




それにしてもこうして見ると東京の高層ビルはずいぶん増えたなあと思います。

ゴジラが活躍していた時代というのはほとんどのビルは31m以下だったので、街中を暴れまわる50m級の巨大怪獣、というのがサマになっていた訳ですが、こうして200mクラスのビルが多くあると、怪獣がチビに感じられてなんとも絵にならない感じもします。


メタボリズム展の建築家達は50年くらい前にこうしたスカイスクレーパーの立ち並ぶ光景を夢見ていた訳ですが、現在の東京の景観というのは彼らが構想していたことのDNAを部分的に受け継いでいる部分はあるかもしれません。


まあ、今後も高層ビルは増えていくでしょうが、景観や環境に配慮したデザインであってほしいなと思います。


ちなみにこのビルの竣工は今年ですが、ちょっと楽しみです。


2012/01/10

近代美術館@鎌倉

週末は建築系の展覧会をハシゴしましたが、鎌倉の神奈川県立近代美術館でやっていたシャルロット・ペリアン展に行ってきました。

ブロガー的には会期はじめにレビューすべきなのでしょうが、、、会期末に慌てて行くことが多く、ほんとにギリギリのタイミングでした。。。


シャルロット・ペリアンはル・コルビュジェのアトリエで家具やインテリア担当のスタッフとして活躍した方ですが、日本との縁も深く、展覧会は彼女と日本のデザインとの関係を軸に展示されていました。日本の伝統建築や工芸からインスパイアされて、デザインを組み立てていく過程がよくわかる、良い展覧会でした。活躍した時代が戦争と重なっていた影響もあり、多作なヒトではなかった感じですが、日仏の多彩な人材との交流による触媒的な役割がより大きく、特に日本のデザイナーに影響を与えていた、という点がよくわかりました。



この展覧会は美術館の開館60周年事業だった訳ですが、この美術館は60年前に日本の近代建築のパイオニアのひとりで、ペリアンとも親交の深かった、坂倉準三によって設計された美術館です。
戦後間もない時期の日本の近代建築の代表作のひとつで、未だに現役で活躍している、とても貴重な建物です。

一時期、取り壊しが取り沙汰された時期があったようですが、自治体の財政難のせいか、、、存続しています。たぶん近い将来に文化財指定されるであろう建物と思います。




1階のテラスから鶴岡八幡宮の池を眺めた写真ですが、木造建築のような軽やかさと池の水面の反射光のキラキラゆらめく様子がキレイだなあと思います。


何度訪ねてもいいなと思える、好きな建築空間のひとつです。






池の鉄骨柱は礎石の上にそっと置いただけに見えますが、よく見ると石を割って合わせてあります。おそらく内部にコンクリートの基礎を隠しているのでしょうが、さりげなく凝っています。





中庭にイサム・ノグチの彫刻。建築と相まってなかなかカワイイ。









せっかくなので、帰り際に鶴岡八幡宮を参拝しましたが、正月からまだ日も浅いので、多くの参拝客で賑わっていました。




快晴で穏やかな、初春の休日でした。






2012/01/05

2012

あけましておめでとうございます。
2012年、一発目の更新です。

年末は「師走」、、で更新が滞りがちでしたが、今年も日々の話題や建築のトピックをお伝えできればと思っております。









年初恒例、、、になっていますが、地元である博多の、箱崎宮の光景。


海=博多湾からお宮まで、300m余りでしょうか、参道が真っすぐに貫いています。



数十年にわたる開発の結果、周りが工業化されてしまい、ほとんど浜辺ともいえなくなっていますが、、、それでも自然=海洋に対する畏怖の念から信仰が発生し、その結果の一端としてお社が出来たことをうかがい知ることが出来る気がします。千年、二千年も前の話しなのでしょうが。


こうして宗教的なしつらえが整えられることで、良い時も悪い時も、ヒトが自然と共に生きることを思い起こさせてくれます。



東京のような都会に住まうとそんな当たり前のことを忘れがちになってしまいますが、こうして当たり前のことを確認する作業は必要なのかもしれません。





昨年は特にそんなことを深く考えた年でもありました。




今年はそのことを改めて胸の内に刻みながら、日々の設計活動に精進していくことになろうかと思います。





皆さま、どうぞ今年もよろしくお願い致します。