先日、代官山界隈で「猿楽祭り」というイベントがあり、その催しの一環として代官山にあるデンマーク大使館が開放されていました。
デンマーク大使館は建築家・槇文彦さんが設計された傑作、「代官山ヒルサイドテラス」の建築群と同じ通りにありますが、このデンマーク大使館も槇文彦さんが設計されています。
大使館の中は滅多に公開されないのですが、幸運にも見学することができました。
旧山手通りから見た外観。
落ち着いたベージュ系のタイルが北欧っぽいというか、オトナの建築、という感じです。
でもよくよく見てみると、デンマークの国旗=偏心した十字形に似ているような。
改めて写真を撮ってみて気づきましたが、ちょっと意識しているのかもしれません。
中庭にはテントが張られており、環境大国らしくSDGs関連の展示や食べ物の販売、LEGOブロックのイベント等で賑わっていました。
テントを張って、大胆に半外部の空間にする方法がオシャレかつエコな感じがします。
内部の階段。
槇さんらしい、エレガントで昇りたくなるような階段です。木で仕上げてあるのが北欧らしく、上の障子のような高窓もあいまって柔らかさを感じます。
内部の家具、調度品はほぼ全てデンマーク製品でそろえられています。
手前の籐製の座面の椅子はポール・ケアホルムの名作、PK22ではないかと思います。
デザイナーなら誰でも知っているようなプロダクトがさりげなく置かれていて、そういうところも見どころのひとつでした。
きれいにテーブルコーディネートされたダイニング。
シンプルですが、エレガントさを感じるところが北欧的だし、さすが大使館だなあと思います。
敷地の奥には中庭があり、緑豊かな風情のある風景が拡がっていました。
東京とは思えないような、静かで余裕のある空間の使い方ですが、こういうところで働いてみたいものです。
総じて、控えめな意匠と北欧らしい細やかなインテリアや調度品のアレンジで、デンマーク気分を味わうことが出来ました。
時々、大使館関連のイベントや何らかの用事があって、各国大使館の中に入る機会があったりするものですが、やはり一歩入るとそこは外国、、、という感じで、それぞれにある個性は興味深いものがあります。
その中でもデンマーク大使館は建築的にも中のコンテンツもとても良質なものになっていて、色々と堪能しながら見学することが出来ました。
今回は残念ながら昼食直後に行ったので飲食を断念したのですが、また機会があれば中に入ってカールスバーグやデンマーク風ホットドッグを堪能したい、、、ものです。