2010/07/31

一級建築士試験

先日の日曜は一級建築士の試験でした。


つい数年前まではこの時期は熱闘甲子園のごとく夏の恒例行事だった、、、訳ですが、なんとか卒業しました。

一級建築士の試験は最終的な合格率が毎年10%前後で、超難関ではないにせよ、働きながら勉強の時間を確保する、というのが難しいところです。

なので、だいたい皆複数回受験するのが通例となっていて、毎年誰もが苦労しています。


で、今年はジムさんも受験していました。



外国人枠で。



一級建築士の資格は国際的な資格の互換性があって、例えばアメリカやイギリスの建築家資格を取得していると基本的に互換できます。

ただ、資格を互換するにあたって面接とか筆記とか、その人のキャリアによって一応試験をするらしいです。

ジムさんの場合はキャリア的には論文筆記が必要、ということで一般の一級建築士試験と同日に別枠で試験を受けた、と。


月曜に内容をちょっと教えてもらったのですが、なんというか、一般の試験と較べるとかなりギャップがある、、、気がする。

日本の建築基準法に関する理解度を総合的に記述する(英語or日本語で)、みたいな設問だったようですが、日本人で試験勉強を重ねているヒトにとっては簡単、だけど法規に関する総合的な理解が必要で、日本で実務経験が無いと難しい、という感じです。

ま、資格取得に相応に苦労した身からすると簡単な設問で、なんだろこのギャップは、、、とか思ってしまうのですが、、、よくよく考えるとアメリカの建築家資格を持っている、というトコロに至るまでには学生時分の学業のハードさを含めて相応に苦労しているみたいですし、基本的に資格に互換性がある、という点からするとあえて試験を設けるというのはそれなりのハードルかもしれないです。



そんな訳で、昔は簡単といわれていた一級建築士ですが、取得は年々難しくなっているのは事実かと思います。


ちなみにトリビア情報として、一級建築士の第一号はかの田中角栄で、資格自体は「足裏の米粒」といわれています。


いわく、「取らないと気持ち悪い、取っても食えない。」・・・・と。


せめて今後、取ったら食える、ようになって欲しいものです。。。

2010/07/26

田園調布2

田園調布の現場の続きです。

トイレの洗面台廻りの仕上の更新をしました。





花柄の壁紙です。





これのみだとかなり乙女チックでどうしようもない訳ですが、天井とカウンターの天板を黒っぽいブラウンにしたので、甘くなりすぎずに締まった印象になったかと思います。


我々は普段あんまり柄物の壁紙とかは使わないのですが、もともとの家の壁紙がなかなか味なものだったので、その印象を継承しつつ、乙女チックになりすぎないテイストにする、という方向で改修しました。






ちなみに以前の壁紙はこんな感じでした。












ちょっとブレてますが、、、、今どきあまり見かけない柄です。

フェイクな舶来品、、、みたいな臭いがプンプンしますが、これはこれでちょっと新鮮な感じで惜しい気もします。

お施主さんは銀座のクラブのトイレみたいだ、、、とかおっしゃってましたが。

まあ、これだけインパクトのある柄物を見せられたら、完全にそのテイストを消去するのは惜しい、というものです。





小さい規模の改修というのは、既存の建物を見ながらその家の物語性を連歌のように紡いでいく、というものかもしれません。
そういう意味で純粋に我々自身の作品性、みたいなものは出しにくいともいえるのですが、建物の歴史を見ながらちょっとした遊びゴコロを入れながら進める、という点ではなかなかこれはこれで楽しかったりします。





もうすでに使い始めていて、工事はだいたい完了、追加工事を残すのみです。

2010/07/19

田園調布1

久々に現場ネタです。

田園調布で以前やった住宅のリノベーションの追加工事をやってます。

規模的に小さい改修で、特に特殊なことは何もやっていないのですが、壁の色の塗り替えとかをやっています。














壁、天井をカーキ色にして、建具をチョコ色に塗り替えています。



元々の住宅が割とバタくさいというか、ちょっと洋風レトロな感じだったので、そのアジが引き立つような色味を加えています。
以前は特に特徴の無いベージュ色の単色だったのですが、塗装だけでもずいぶんと印象は変わります。

日本の昨今の住宅は特に色彩に対して無難であろうとしますが、近代以前の住宅でも意外と大胆な色を使っていることがあります。

擬洋風住宅なので、バタくさい色を選んだつもりだったのですが、実際はじゅらくに近いトーンの色なので、日本的にも見えます。


廊下のアーチ窓とかは当初のままなのですが、今見るとちょっと新鮮です。
元の空間がある味も持っている場合、その潜在的なポテンシャルを引き出してあげる、という作業もリノベーションの醍醐味ではあります。


住みながらの改修なので、お施主さんは大変だと思いますが、今週いっぱいには完了予定です。

2010/07/16

人参

最近、諸々の締切が立て込んでいて、ちょっと午前様の状態が続いています。

ジムショと家が徒歩10分=終電レスな生活なので、良いような悪いような感じですが、さすがに疲れが溜まるので、とあるサプリをお施主さんからいただき、試してみました。










朝鮮人参粉。



ハングルは全く読めないですが、とりあえず「Made in Korea」ではないらしいです。。。
となるとちょっと怪しい、、、、感じもしてしまうのですが、ちょっと試してみました。




・・・・するとなんだか調子がいい。


気がする。


自分自身の健康というのは低位安定型だと自認していて、体力を気力でカバー、でも途中で疲れてどんより、、、ということがよくあるのですが、深夜まで作業していても、がっくり来ない。


ということで最近朝に一錠飲んで、快調に働いてます。
ワールドカップの決勝戦を調子に乗って徹夜で観てしまった翌日もコレで乗り切りました。


ま、サプリに依存しすぎると、使用しなくなった後の反動が怖いですが。。。。
朝鮮人参おそるべし、です。

2010/07/12

金沢3

金沢ネタの最後です。


旅行に行く楽しみというのはご当地でしか楽しめないアイテム=食べ物だったり工芸品だったりを楽しむところにもあります。


そんな訳でミュージアムや街巡りの合間には食事や買い物にいそしむ訳ですが、ちょっとそうしたお楽しみをご紹介。




木倉町にある「源左エ門」という飲み屋さん。
やっぱりお魚が旨い。福岡を含め、日本海側を旅するといつも思うのですがお魚がすごく美味しい。東京だと魚が旨いお店というのは高かったり、量的にいまいちだったりするものですが、そこは質と量を兼ね備えていて、身が引き締まった歯ごたえを堪能することができる。

それはやっぱり旅先ならではの楽しみです。
ちなみに木倉町というのは古い飲み屋さんがずらっと軒を連ねていて、そぞろ歩くだけでも楽しいものです。


で、水がきれいなところは魚も旨いが蕎麦も旨い、という法則があります。
蕎麦は東日本文化圏の食物なので、金沢あたりはうどんと混在している土地柄と思いますが、「竹の庵」という蕎麦屋さんは旨いです。








杉浦日向子さんの著書にも紹介されているお店で、メニューが蕎麦数種類のみ、席数は10席程度の小さなお店です。


蕎麦屋というのはおひとりさまが憩うにはちょうどいい感じなのですが、コシのある朴訥とした味わいの蕎麦でした。

せっかくなので料理の写真撮れば良かった、、、とかブログ書きながら思ってしまうのですが、その場にいる時は目の前の料理にときめいているので、そんな余裕は無かった、、、というのが実情です。まあ出てきた料理を冷静に撮るというのはそれなりに習慣化していないと出来ないものです。




で、金沢はやはり伝統工芸品のメッカです。京都は現代的な産業もされなりに活発な訳ですが(京セラとか)、金沢はやはり産業としての伝統工芸に力を入れている。

なので、普段はあまり興味湧かないのですが、なんとなくそういうお店に行ってしまうものです。
で、手に入れたのが九谷焼の酒杯。






吉田幸央という作家の作品です。それなりのお値段しました。。。
九谷焼といってもご覧のとおりとても現代的、というか抽象的なパターンを図案にしていて、それでいて微妙な色彩やテクスチャーを持っているところがとてもチャーミングだなあ、と思う。

この人の作品というのを以前ネットで見つけてそれ以来気になっていたのですが、店頭で気にいってしまって遂に購入しました。

吉田さんの作品は、どこかパウル・クレーの絵を思わせて、ものすごくパターンの抽象度が高くて、それでいてどこかの手仕事の痕跡を残していて、かつ注意深く構成された色彩の組み合わせに深みを感じてしまう。


使うにしのびない、、、とか思うのですが、帰ってきてから使ってます。
器というのは、味に心理的な影響を加えます。発泡酒でもコンビニのお茶でも、この器に注ぐとなんとなく美味しいような、、、気がする。たぶん器の口当たりの良さとかも影響するのでしょうが、工芸品というのは飾るのでなくて使ってナンボ、とも思うので大事に使ってます。
割ったらシャレにならん、、、ですが。



ということで一泊二日の金沢旅行のレビューでした。

まあ、楽しんだ分、たまったお仕事に四苦八苦しているのですが、、、写真見ながらまた行きたいなと思ってしまいます。というかブログ書きながら現実逃避、みたいな・・・。


ま、週明けからまたがんばります。

2010/07/08

中国茶

中国出張に行っていたジムさんが珍しくおみやげを買ってきました。








中国茶です。

乾燥したお花が入っていてお湯を入れると開く、というやつです。

クラゲかヒトデのホルマリン漬け、に見えないこともないですが、、、お茶です。


飲んでみると香りや味がさして濃くもなくほのかな香りとコクのある味が楽しめます。
見た目ではあまり想像できないですが。


こういうお茶は一煎目より二煎目の方がより良い味と香りがする、とのことで二度いただきました。

2010/07/05

HPの更新

久々に事務所ネタです。


ホームページのトップページをちょっと更新しました。
内容的にはさして変えていないのですが、より見やすいようにマイナーチェンジです。

だいたい今の時代の消費行動はジャンルを限らずウエブで事前に確認してから、実際の購入に移す、というパターンになるので、設計事務所でもホームページのデザインというのは非常に重要です。

我々は自分達でデザインしているのですが、コストもさることながら更新するスピードを大事にしていきたい、という点もあります。
あとは、あまり凝ったデザインにするよりもわかりやすくて軽いウエブの方が実用的かつクール、という方向にウエブデザイン全体がシフトしている感じもします。

ちょこちょこ改造しているのですが、現在のところVer.1.5、くらいの感じかなと。

ウエブに限らず、硬直化せずに柔軟性を持った建築家/デザイナーでいたいなあ、とは常々思うトコロです。

2010/07/02

金沢2

引き続き金沢シリーズを。


現代美術の後は街歩き。
今回はメジャーな観光地には行かずに街並みツアーを小雨が降りしきる中、敢行しました。


数年前に東工大の先生の塚本由晴さんがデザインのフィールド・ワークをやっていて、その時に簡単な街並みガイドみたいなのをつくっているのですが、それを参考しながらちょっと歩いてきました。


金沢は太平洋戦争の戦禍を免れた街だそうで、都市の骨格が江戸期につくられた基本形をそのまま残しているのみならず、保存地区に限らず古い町家をそこかしこに見ることができます。








写真は東茶屋街のちょっと外れのところ。
東茶屋街は金沢を代表する町家の保存地区ですが、現役の茶屋もまだ残っていたりして極度に観光商売に走りすぎず、生きた風情というのをまだ漂わせています。






店先にお花が活けてあったり。








で、ちょっと観光地から外れていくと昭和レトロな町家もあります。





「小学館の学習雑誌」。

コドモの時分にはよく見かけた気もするのですが、いつのまにかなくなっていました。









「コールドパーマ」。

・・・・って、なんでしょね。
よくわからないけれど死語に近いコトバの看板があることによって、かえって新鮮だったりします。




実は今回ブログネタを探すフィールドワークも兼ねて色々写真を撮ったのですが、どうやら後半の写真はミスで撮り損ねたらしくデータがありません。。。。残念。

撮った中には、「グッとくる、ポスターシリーズ」ということで竹内力出演の「寅壱」のオトコらしいポスターの写真もあったのですが・・・・。無念の極みです。


興味のある方はリンク先のHPをのぞいてみてください。
グッとくる、感じはわかるかと思います。。。