2020/02/01

エコハウス大賞のシンポジウム

先日、新宿のパークタワーで開催されたエコハウス大賞のシンポジウムに行ってきました。


「日本エコハウス大賞」は一昨年、当事務所が奨励賞を受賞したエコハウスに関するコンテストです。
今回のシンポジウムは昨年の受賞作品をプレゼン、講評する内容でした。






会場はパークタワー内のホール。
パークタワーはリビングデザインセンターOZONEをはじめ、住宅関連のショールームがまとまって入居しているので、ちょっとした「聖地」みたいな感じです。




シンポジウムは受賞作品のプレゼンと審査員の先生方の講評・解説が主な内容で、特に昨年、一昨年の大賞作品の解説をじっくり聴講できたのはとても勉強になりました。

大賞作品に共通していたのは、高い性能は当然として、お庭やテラス等を通して外部との関係をうまく作っている点、地域性を表現した意匠、吹き抜けや段差をうまく利用して変化に富んだインテリア、といった点でしょうか。
あまり設備に頼らずに設計されているのも共通していましたが、自分とは違う設計のアプローチ方法だったりもしたので、ちょっと新鮮な感じもしました。


また全体の受賞作の傾向を見ると、寒冷地で比較的敷地に余裕のある立地が多く、そうした立地を活かして造園もじっくりと造って内外一体でデザインされている事例が目立ちました。
そういう意味では敷地に余裕が少なく、法規制のより厳しい都市部でのエコハウスのあり方というのはまだまだ開発の余地がありそうな気がしています。
当事務所では特にそうした都市部におけるエコハウスのデザインに積極的に取り組んでいる訳ですが、可能性は色々ありそうなので、今後より一層探究してゆきたいと思っています。

また審査員の先生方のレクチャーで印象的だったのは、環境省作成の「2100年未来の天気予報」への言及があったことです。

このまま温暖化が進行すると2100年の夏の最高気温は日本の多くの地域(北海道含む)で40℃前半になり、相対的に涼しいエリアになる沖縄へ避暑に行くようになる、、、というちょっとダークで深刻な予想を天気予報の形式でわかりやすく伝える動画ですが、温暖化の抑止と気候変動に対する自己防衛という点からも、エコロジー的な視点から設計するのは重要な課題と思いました。




残念ながら「エコハウス大賞」は5回目の今回をメドに休止されるそうですが、類似するエコ関連のコンテストは色々ありますので、自己研鑽も兼ねて応募してゆきたいと思います。