今回はイタリア視察の続きでバチカンの見学の様子のご紹介です。
バチカン市国はローマの街区の一角にあります。
そこだけ別の国、となるのでしょうが、実際の往来にパスポートが必要な訳ではないので、実質的には城壁で囲まれた特殊な市街地、といったところです。
今回は早朝に開催されている一般開館前の見学ツアーに参加してきました。
写真は午前6時くらいに見学ツアー参加者が集まってきているところ。
一般開館前のツアーといっても類似のツアーを様々なツアー会社が企画しており、けっこうな人数でした。
インターネット経由で世界中から気軽にツアーを予約できるようになっているので、ローマの人気の観光地はどこも大行列でしたが、便利なネットの副作用でオーバーツーリズムが発生しているのかなと思います。
バチカンの美術館になっている回廊部分。消失点が見える、、、長い廊下です。
時間帯によっては見学者でいっぱいになるのですが、早朝なので人があまりいません。
早朝ツアーの目的地、システィーナ礼拝堂。
ミケランジェロの「最後の審判」をはじめとする壁画、天井画が有名です。
写真ではわかりにくいですが、ミケランジェロの描く人物は表情が豊かで躍動感と量感があり、同時代の画家と較べると生身の人間に真摯に向き合い、その実像を正面からとらえようとしているような迫力があります。
そこがルネサンスの巨匠といわれる所以でしょうが、やはり今の時代にも変わることのない普遍性のある芸術、といえるかもしれません。
ちなみに写真は早朝ツアーの様子なのでまだ人が少ないですが、一般開館時間以降は満員電車のような混雑でした・・・。
こちらも有名なラファエロの「アテナイの学堂」。
教科書にもよく載っているような絵画ですが、回廊の一角にある小部屋に展示されているので、案内が無いと見過ごしそうになります。
描いてあるのはギリシャの哲学者な訳ですが、各人のエピソードがわかればより面白いのだろうと思います。
日本でもそうですが、特に宗教系の美術はその背景を知っているとより楽しめるのだろうと思いますが、なかなかそこまで教養が深まらない、、、のがもどかしくもあります。
こちらはバチカン美術館の出口にある階段というか、らせんスロープ。
グッゲンハイム美術館に似ているようにも見えますが、こちらも20世紀半ばに設計された割と古いもののようで、もしかするとグッゲンハイムを参照しているのかもしれません。とはいえ、この階段も大変凝った造形の見事なもので、世界的にも有名な階段のひとつです。
駆け足でバチカン美術館の様子を紹介しましたが、早朝といえど見学者がとても多く、オーバーツーリズムの問題を実感した次第です。
日本でもこうした問題は起こっていますが、インターネットとLCCで世界がより身近につながっている以上、避けては通れないのかと思います。
まあ、他国に行けば自分が地元の人にお世話になる立場なので、マナーを守って楽しく過ごしてお金を落とす、、、のがツーリストとして出来ることかもしれません。