10月から現場がはじまっていた江東区のリノベーションが完成しました。
70㎡程度のインテリアだったので、やっぱりあっという間です。
今回はカウンター廻りを特にポイントを絞ってデザインしています。
ちょっと幾何学的な線と面でリズミカルな構成になるようにしています。
照明は写真だと浮いているかのようですが、深澤直人さんデザインの照明。
すごくシンプルなので存在感が過剰でないところが良いです。
壁は珪藻土を使いました。写真だとわかりにくいですが。
湿気や臭気を吸収したり、冬の乾燥時には壁に霧吹きとかで水を吸わせることで保湿効果が得られます。まさに呼吸する壁、といったところでしょうか。
微妙な質感がアジなところです。
あと赤い部分は和紙クロスをつかったのですが、これも微妙な玉虫色で実際に見るともっと複雑で有機的な表情をしています。
ものすごく予算があった訳でない、、のですが、効果的にリノベーションできたかなあと思ってます。
お施主さんも喜んでくれたみたいで、ほっとしました。
建築というのは完成品を売るわけでないので、パースや模型や材料サンプルで仕上がりを決めていくのですが、結局完成は想像するしかないところがなかなか難しいところです。
出来たら想像以上に良かった、ということもある一方で逆のケースもあり得るので、ギャップが出ないようにイメージのプレゼンテーションは結構力入れてます。
ちなみに、我々の事務所のHPは前職の巨大プロジェクトも実績として掲載してたり、中国とかの巨大プロジェクトをやっていたりするので、こういう小さなプロジェクトをやらないように思われがちなのですが、規模の大小は関係なくやっています。
糸井重里とか、「ほぼ日」の中で「来た球は打ち返す。」みたいなことを書いてたりしますが、まあ投げられた球というのは打てるだろう、という想定のもとに投げられているハズなので、それは可能な限り打ち返したいなと思ってます。
イチローみたいに難しい球でも打てる、というのは建築家として理想的かもしれません。
建築家で、なんでも打ち返すタイプといえば安藤忠雄さんなんかはそういう感じがします。
超ローコストハウスから世界中の美術館まで、ストライクゾーンの広さは他の追随を許さない気がする。
我々もかくありたい、と思う訳ですが、松坂クラスのすごい球投げてくれる方来ないかなあ、、とか思いつつ、まずは目の前の球を打ち返す!、日々を送っているのでした。