2009/11/16

ポーランド2

ポーランドのお話しの続きです。

ちょっと興味深かったのは住宅の話。
ポーランドでは伝統的にレンガ造が主流で、木造や鉄骨造は皆無に等しいらしい。
レンガ造ということは当然レンガを一個づつ積んでいく訳で、冬が寒いこともあって壁厚が30cm以上になるのは当たり前だと。だから日本の建築のように軽くて薄いデザインの表現は法規制や技術の普及度からいってほぼ不可能、とのことでした。

日本の住宅だと木造が未だに主流でコストも相対的に安い上に、レンガ造は耐震性やコスト、法規制からもほぼ不可能、なのでポーランドと真逆だなあ、という感じです。

21世紀の現在というのは、ケンチクの技術体系というのは世界的に共有されているハズなのですが、結局どの構法や技術が主流になるかというのは、それぞれのお国の昔からの伝統に相当依存している、ということです。
だから、日本にいる我々からするとヨーロッパのケンチクというのは非常に重厚で、がっちりした石とかレンガを組み合わせてつくってあるのがすごく魅力的に映る訳ですが、ヨーロッパからすると日本の木とか金属板とか軽くて薄い素材を組み合わせてつくったケンチク、というのがすごく新鮮に映るらしい。
一種の無い物ねだり、とか隣の芝は青い、みたいな話しですが、やっぱり千年単位で続けてきた建築の方法は百年単位ではなかなか切り替わらない、というのはあるでしょうし、お国柄というのも個性のひとつなのだろうなあと思います。
でも、ナショナリティーみたいなのを意識しすぎると却って過剰なクサさが出てしまって、ちょっとコテコテになる、ということはある気がします。
ハリウッド映画に出てくる日本、みたいな。

まあ、ポーランドで活動している友人にはハリウッド映画の中の日本人、みたいなスタンスで売ったら?みたいな話しもちょっとしたんですが、やっぱり技術体系の違いや本格的な和風建築を勉強していない点からすると、コテコテの和風・スタイルを東欧でつくるのは無理がある、、、というような結論でした。

結局、お国柄というのは、それぞれの建築家の個性が結果としてその国のテイストを表すものであって、そこを意識しすぎない方が良い、ということはあるかもしれません。

我々もあんまり互いのお国の違いとか気にしないで普段やっている訳ですが、それぞれの出自からくる相乗効果が出ればなあ、といつも思っているトコロです。