2009/11/23

つくば

先週末になりますが、住宅系の展示会への参加でつくばに行ってきました。

筑波大出身なので、結構長く住んでいたのですが、卒業以来あんまり行くことがなく、2,3年に1回行くかどうかという感じです。でも、行くたびごとに変わっているのでオドロキます。特につくばエクスプレスが出来て以降の発展というのは目覚ましいものがあります。

基本的に都市が車社会を前提に出来ているのですが、学園都市が出来て以来、40年近く経過しているので、緑が育って結構いい感じの街になってきているなあ、と思います。車で日常的に移動するヒトにとってはすごく住みやすい街、ではないでしょうか。


で、研究学園都市というのは国家プロジェクトだったので、有名建築家が手がけた建物というのが点在しています。




建築関係者の中で一番メジャーなのが、磯崎新設計の「つくばセンタービル」。
四角いコンクリートの箱が主流だった近代建築の中に西洋の古典建築をモチーフにしたデザイン要素を随所に取り入れ、近代建築には無かった遊びや記号的な要素を取り入れた点で当時センセーショナルな建物でした。
今見ると、ごく普通にも見えますが。。。古典建築を勉強していると、謎解きみたいで楽しい、といえます。




お次は、伊東豊雄設計のつくば南駐車場。
立体駐車場なのですが、低層部に店舗や事務所が入っています。アルミのルーバーはバーコードにヒントを得たパターンになっています。
実は学生時代に、ここの現場に中にあった伊東さんの監理事務所で模型づくりのバイトをちょっとやらさせていただいてました。初めての模型バイトで、今思うと使えないバイトだっただろうなあ、と思うのですがスタッフの方からは現地の晩飯コーディネーター、、として重宝された、と思います。
その時にお世話になったスタッフの方とはこの現場事務所でお世話になって以来、音信不通、だったのですが、この前偶然にHPを発見してしまい、なんと我々と同じ中目黒で事務所を開いていらっしゃることがわかり、およそ15年ぶり(!)に再会しました。なんか縁がある人というのはいるものです。というか設計業界がそれだけ狭い、のかもしれません。
で、今またナカメでお世話になっています。。。


さらに近くにはN.Y. のMOMAの設計で世界に名を知らしめた、谷口吉生設計の「つくばカピオ」もあります。



竣工後10年以上経過していますが、いまだに竣工当時のようにキレイです。
実はこちらでも谷口さんの現場監理事務所で1年ほど模型づくりのアルバイトをさせていただき、お世話になりました。ちょうど谷口さんがMOMAの仕事を獲る前くらいだったのですが、あちこちに設計した建物が竣工していた時期で、すごく刺激になりました。建築に対して妥協しない姿勢とか、最後まで粘り強く検討する方法とか、結構深い部分で影響を受けている気がします。

当時のつくばは、陸の孤島とかいわれて地理的なアクセスが不便な場所であった上にインターネットも無い時代、だったので、建築を学ぶのは文物を通してしかできませんでした。建築家の先生の事務所でアルバイトができる都内の学生がすごく羨ましかったし、そういう情報に飢えてました。
なので、たまたま偶然ですが、日本を代表するような建築家の事務所の現場にバイトながらもいることが出来たというのは、非常に幸運だったなあと思います。

今振り返れば、そういうバイトの経験や大学での勉強も含めてもっと色んなことが勉強出来たのに、とも思うのですが、当時は当時なりに一所懸命にもがいてジタバタしてた、かなと。。

そういう意味で色んな個人的な思いが詰まっていて、また建築を学んだ原点の街でもあるわけなので、いつかこのエリアでシゴトしたいなあ、、、と思ってます。