2021/03/04

イタリア視察:ヴェネツィア1

不定期ながら時々掲載している、イタリア視察旅行の続きです。


フィレンツェ滞在の後、一路ヴェネツィアへ。




ヴェネツィアは今だに水運が主な交通手段ですが、水上バス・ヴァポレットに乗船して市街地の中心部に向かいます。



大通りに相当する「カナル・グランデ」という旧市街をぐるりと巡る大きな運河を起点として、細かい運河が市街地に張り巡らされていますが、写真はカナル・グランデを通っているヴァポレットから見た街並み。

かつての日本の都市も水運がメインで、往時はヴェネツィアのように船が行き交う街だったらしく、東京にも日本橋界隈やダウンタウンエリアにその名残が若干残っていますが、ヴェネツィアはそうした水運による街のアクティビティがそのまま動態保存されている感じです。




ヴェネツィアのシンボル、サンマルコ広場。

最近の日本のニュースでは、海面上昇による「アクア・アルタ」という洪水で水没したサンマルコ広場の様子がよく出てくるので、その姿ばかりが印象的に報道されますが、行った時にはそうした水害のおもかげは全くありませんでした。
とはいえ、この写真の数週間後には水没のニュースが流れてびっくりしましたが・・・。


「アクア・アルタ」は近年その頻度が多く水位も高くなっており、地球温暖化が原因とも言われています。

そうした意味で、ヴェネツィアは温暖化により被害をこうむる都市文明・文化遺産の象徴のようになっていますが、実際に街を歩いてみると、そうした問題がよりリアリティをもって体感できる気がします。


とはいえ、最近のニュースでは水面の低下で運河が機能していない、、、という報道もあって、気候変動によってどういう影響を受けているのか、単純に判断できないような点もあります。



いずれにしても、我々が日常的に天気予報を気にしているように、海という大自然の変化を気にしながら住んでいる街なのだろうと思います。



そうした気候の変化に対して、建築に何が出来るか、、、建築家としての取り組みを続けてゆきたいと改めて感じる次第です。