恵比寿のリノベーションは年明けから現場が始まり、少しづつ進んでいます。
今回のリノベーションはあまり間取りは変えずに水廻りを中心にリファインする、という方向性なのですが、温熱環境の改善もひとつの大事な課題となっています。
一般的に、築古の戸建て住宅は断熱性能が現在の標準的な住宅に較べてもかなり劣るので、特に1階は冬季に底冷えします。
今回のリノベーションでは床下の断熱材を更新し、床暖房を導入することで改善するように計画しています。
1階の床仕上げ、下地板を撤去したところ。
幸い、配管等からの漏水もなくドライな状態でした。こちらの家屋は築25年くらいで、地盤面に捨てコンクリートを打ってあるのですが、もう少し古い住宅では地盤面=土壌がそのまま見えている場合があります。
古い社寺建築を見るとよくわかりますが、昔の日本建築では床下=外部という扱いでした。
最近では湿気やメンテナンスへの配慮から写真のように構造体でない捨てコンクリートを打つか、ベタ基礎といって構造的な強度のある床コンクリートを入れることが多いです。
ウチの事務所では通常、ベタ基礎にしています。
こちらは断熱材を入れて床板敷きが完了した部分の写真。
水色の発泡スチロールのようなものが断熱材です。40ミリと50ミリに2枚を入れています。
もともと入っていた断熱材は35ミリでしたので、2.5倍程度の厚みになっています。この位の厚さにしておくと、より断熱効果が高くなり、室内の保温効果が高まる=底冷えしにくくなります。
今回は断熱の増強に加えて、床暖房を採用しました。
床に置いてあるシルバーの板が床暖房ユニットです。
床暖房をする範囲にこのユニットを敷き込んでゆきます。ユニットには温水パイプが入っていて、温水がパイプを循環することで暖かくするシステムになっています。
床暖房は断熱のスペックを上げれば不要なケースもあるのですが、今回の改修では内装すべてを解体するような大規模な断熱改修は行わないので、床暖房を採用しています。
こうした部分は見えない上にコストがそれなりにかかるのですが、地味なりに大事な改修項目になるので、このブログでもご紹介してみました。