上野で展覧会を観たあとに必ず通るのは東京文化会館。
巨匠・前川國男の代表作のひとつです。
コンクリートのマッシブな庇がカッコ良いです。
写真はバックヤード側のものになりますが、バックヤード側も一切手抜きをせずに緻密なデザインが施されています。
随分昔のことですが、コンクリートの保護剤として赤い塗装が建物全体に塗られていた時期がありました。
その時は汚れもあいまってちょっと重々しい感じで、あまりいい印象が無かったのですが、25年くらい前に大規模な修繕があった際に建造当時の姿に復元されました。
復元されると、打放しコンクリートの美しさが蘇り、石材やガラスを組み合わせた密度の高い迫力のあるデザインだなあと思うようになりました。
ちょうど、前川國男の師匠であるル・コルビュジエの国立西洋美術館と対面する形で建っていますが、この上野に関しては前川の建築の方が迫力があるように感じられます。
もうすぐ60年くらい経つ建築ですが、前川國男という建築家の丁寧で緻密なシゴトが結実した、良い建築だなあと前を通るたびに思います。
実は美術館に行くために前を通るばかりで、中のホールで催されているコンサートに足を運んだことが無い、、、のですが、一度本格的なクラシックのコンサートにも足を運んでみたいものです。
今後、昭和の文化財にもなりえる、東京の名建築のひとつです。