先日、東京都現代美術館に「オラファー・エリアソン展」に行ってきました。
オラファー・エリアソンはデンマーク出身のアーティストでエコロジーやサステナビリティの視点を踏まえたアートを数多く手掛けています。
近年は建築プロジェクトも発表していて、その活動が大変注目されているアーティストです。
作品の多くは自然現象を視覚化した体験型のもので、単純に楽しいものです。
展示室のほとんどは撮影可能で、多くの人が携帯カメラ片手に撮影していました。
こちらは色味の異なる光が投影された部屋で、中に入って動いてゆくと色の異なる影絵がどんどん出来てゆく、観客参加型のアート。自分の影が作品になるので、皆さんこぞって撮影していました。
こちらは照明が投影された水盤に生じた波紋が反射光となって上部のスクリーンに映る、という作品。
こちらの塊は海岸に流れ着いた氷河のカケラを3Dスキャンしたもの。ヨーロッパでは氷河の氷解が年々早まっていることが体感できるようですが、気候変動の記録と危機意識を喚起するアートです。
こちらは霧に光を当ててゆらぎのある虹を発生させる作品。エリアソンの代表作です。
仕掛けは非常に単純ですが、そこをアートとして作品化するというのが新しい試みだったのだと思います。
こんな感じで主な展示作品をざっとご紹介、です。
難しいテーマやコンセプトはさておき、単純に楽しい、という点は大事かもしれません。この展覧会でも皆さん写真をこぞって撮っていましたが、おそらくインスタ映え、的なことで話題になっているのかと思います。
やはり、エコロジーの取り組みには科学的なアプローチと同時にアートやデザインの視点が融合することでより説得力のある表現になるなあと思いました。
まあ、一般的に現代美術は難解と言われますが、エンターテインメント性も大事だと改めて思いました。特に近年は撮影OKな展覧会が増え、SNSで拡散されることで思わぬ人気を呼ぶケースが増えているようです。
今回のエリアソンの展覧会はそういうケースのひとつと言えますが、百聞は一見にしかず、ということでオススメの展覧会です。
会期は9月27日までで、まだ余裕があります。