ダ・ヴィンチの解剖図があり、陰陽五行に基づいた人体図あり、義足や脳波で動く車椅子あり、といった感じで多岐に渡ってテーマを掘り下げる深さには圧倒されるものがありました。
難しいアートではなく、広く誰しもが共有できるテーマなので、最終日ということもあってか大勢の人で賑わってました。カタログも買おうかなあと思ったのですが、この手の展覧会にしては珍しく品切れ、ということで再販をするそうです。そうした点からも「生と死」に関する関心の高さがうかがえます。
で、展覧会でアートを楽しんで、深く考えた後のお楽しみは展望台です。
高いところからの眺望を楽しむ、というのはある意味ベタな娯楽ですが、美術館とセットになっていて気軽に楽しめる点と、六本木は立地的に東京の中央に位置するので、銀座から羽田、渋谷、新宿とそれぞれのエリアの眺望が楽しめる点、というのが結構好きなところです。
今回は夜景を楽しむつもりで夕方近くに行ったのですが、ちょうどお月さまがキレイな時分でした。
東京タワーと月。これもベタなショットですが、低い位置にある月とタワーのある夜景というのは良くマッチします。明日が満月みたいですが、こういうコンビは初めてみました。
そのせいか、皆さん写真を撮ってました。
そして、ヒルズはほぼ360度方向の眺望を見られるので、良く見ると、自分が携わったケンチクを発見することが出来ます。
写真だとちょっとわかりにくいですが、画面の中央やや上寄りに見えている、ノッポな白いビルが原宿のH&M=自分の担当作品、です。(クリックして拡大すると見えるかと)
もはや都内では珍しくない、超高層建築群に較べるとごく小さな存在ですが、エリアのちょっとしたアイコンになっているかもしれません。デザインの良い建築というのは、周辺に新しく建つ建築に対して連鎖的な影響を及ぼしてそのエリアのデザイン的な質を上げることがあります。代官山や銀座とかがそういう例かもしれないですが、原宿に建つこの建物も多少なりともデザインの相乗効果をあげてくれればなあ、と思います。どちらかというとこのエリアの再開発系の建築では後発に属する方なので、むしろ先達の刺激のもとに出来た、ともいえるのですが、小さくとも建築という点が都市という面に良い影響を与える、ということは信じたいと思っています。