個人的なアーカイブの意味もあってこっちに随時アップします。
年明けにスペインの視察旅行に行きました。10日間で5都市を巡る強行軍だったのですが、今回はビルバオについて記したいと思います。ビルバオはバスク地方にある工業都市で、観光上はマイナーな都市、といえるのですがアメリカの建築家フランク・ゲーリーによるビルバオ・グッゲンハイム美術館により、特に建築家の間では知られる都市となりました。シーザー・ペリもビルバオの都市計画マスタープランを手がけているのですが、今回の目的はこのグッゲンハイムを訪れること。グッゲンハイム美術館は空港から市街地への幹線道路にあたる橋梁の脇に立地しています。深夜に到着したのですが、闇夜にライトアップされた美術館は彫刻とも建築ともつかぬ姿で目の前に忽然と現れてきてなかなか圧巻。建設プロセスを追った書籍を見ると、すでに完成していた橋梁といかに対比させて建物を見せるか、という点をかなりスタディしていたようです。つまりは都市的、土木的スケールで街のランドマークになることを意識しており、徹底して彫刻的な形態とすることで高層ビルとはまた違う次元でのシンボル性をつくりだしているといえます。
一方で内部は、複雑な形態がからみあってさながら迷宮のような空間が拡がっているのですが、吹き抜けのアトリウムを中心に八方に大きさの異なる展示室が連結されている割と平面のため、迷うことなく見て回れます。また、形の異なる展示室にはそれぞれの異なるアートが展示されていて、建築とアートが意外になじんでいました。 以前、ゲーリーの仕事ぶりを追った映画を観たのですが、ハサミでバリバリ材料を切りながら模型をつくってました。 結構荒っぽいのですが、すごく恣意的に見えながら実は相当なスタディを重ねた末に形を決定しているようです。実際行ってみると、形やスケールに違和感がなく、注意深くできているというのがよく理解できました。
一方で内部は、複雑な形態がからみあってさながら迷宮のような空間が拡がっているのですが、吹き抜けのアトリウムを中心に八方に大きさの異なる展示室が連結されている割と平面のため、迷うことなく見て回れます。また、形の異なる展示室にはそれぞれの異なるアートが展示されていて、建築とアートが意外になじんでいました。 以前、ゲーリーの仕事ぶりを追った映画を観たのですが、ハサミでバリバリ材料を切りながら模型をつくってました。 結構荒っぽいのですが、すごく恣意的に見えながら実は相当なスタディを重ねた末に形を決定しているようです。実際行ってみると、形やスケールに違和感がなく、注意深くできているというのがよく理解できました。
強いて言えば、建物のディテールも荒っぽいというか割り切ってつくっているので、日本のように精度や安全性を重視する建設方法だと成立しにくい建築とはいえます。神戸にフィッシュ・ダンスという日本で唯一の実作がありますが。 ただ、日本の場合は標準化・工業化が過度に進みすぎている感もあるので、実はこういう特殊解に対応する能力が乏しくなっている気がします。いずれにしてもゲーリーの評価を決定づけた建築、といえるのですが、その評判に違わない秀作、という印象でした。
最後に、トイレの写真を。 個人的に建築を見に行った時にはトイレは結構チェックしてます。トイレの良し悪しで設計者の技量が判断できるという点もあるからですが、グッゲンハイムのトイレはポップで、かわいい系、でした。合格かなと。。。