個人的に休日に美術館巡りや街歩きはよくやりますが、その合間にホテルのロビーにちょっと立ち寄ったりします。
余裕がある時はちょっとお茶したりもしますが、ロビーで少し休むだけでもちょっと贅沢な気分になるものです。
先日は近所の美術館に行った帰りにホテル・オークラのロビーに立ち寄らさせていただきました。
ホテルオークラは数年前にリニューアル・オープンしていますが、旧館の有名なメインロビーは、新しいロビーの一角に復元されています。
このロビーのオリジナルは戦後の近代建築の巨匠の一人、谷口吉郎の設計で、リニューアルした新館は、吉郎氏の息子である谷口吉生の設計になります。
メインロビーは旧館の寸法と意匠をそのまま再現しているので、昔日の雰囲気を損なうことなく現代に蘇らせています。
日本の伝統的な意匠や工芸を現代のデザインに翻案して活用する、という方法は、非常に一般化されていますが、このホテルのロビーはそうしたジャパニーズ・モダン・デザインの最も成功した事例とされています。
写真だとわかりにくいですが、細かな工芸的な造作や、2階部分の天井が絶妙に低くて、日本的でコージーな雰囲気を感じさせるスケール感が、居心地の良さをつくっています。
東京には、一般に開放されている名建築が色々ありますが、ホテルオークラのロビーもそんな名建築のひとつかと思います。
そういう建築を訪れると、新たな発見があったり、建築家としてのマインドがリフレッシュされるような心持ちがするものですが、一度は宿泊者として訪れてみたい、、、ホテル・オークラでした。