アアルト展関連が続きますが、展覧会が開催されているのは用賀の砧公園の中にある、世田谷美術館。
リニューアルといってもデザイン的には大きな改修はしていなさそうで、公園の木々の中に建つ建築はなんとなく風合いが増して、風景に馴染んでいました。
こちらはエントランスホール。床や階段はトラバーチンと言われる大理石の一種がゼイタクに使ってあります。
おそらく今はこうしたリッチな石の使い方をするのは、特に公共建築では難しいのではないかと思います。
展示室間をつなぐ回廊から中庭を見たところ。
単板ガラスをV字柱と壁に枠なしで納めている、ちょっとアクロバティックなディテール。
少しフランク・ロイド・ライトっぽい感じもします。
入口脇の傘立てもオシャレ。
庇や雨樋も含めて一体的にデザインされていて、違和感の無い組み合わせになっています。
もうすぐ40年近く経つはずの建築ですが、クラシックな近代建築、といった趣きで古さが良き味わいになっている建築です。
世田谷美術館は最寄りの用賀駅から徒歩15分くらいかかるのですが、時折良質な企画の展覧会をやっているので学生の頃から通っている美術館のひとつです。
こういう年月が経っても変わらず大事に使われている建築は日本には大変少ないのですが、、、設計がキチンとしていて、メンテナンスが継続して行われていれば持続的に使用可能、という点を証明しているものと思います。
いわばサステナブルな建築のひとつの好例、とも言えるかもしれませんが、ちょっと昭和レトロな風格も感じられる、80年代の良質な建築のひとつです。
今回は閉館間際の訪問だったので、またカフェでお茶したりしつつゆっくりした時間を過ごしたいものです。