東京国立博物館で開催中の「日本のたてもの」展に行ってきました。
この展覧会は日本の「伝統建築工匠の技」がユネスコ無形文化遺産登録が決定したことを受けて開催されている展覧会です。
東博での展示テーマは「古代から近世、日本建築の成り立ち」というものでした。
テーマだけを見ると何やら難解な感じもしますが、展示物は保存修理時に制作された1/10模型を中心に構成されており、非常に明快でわかりやすい展覧会でした。
会場は東博の中にある表慶館。
入るとすぐのホールに法隆寺五重塔の模型。
西洋古典建築の空間とのコントラストが良い感じです。
唐招提寺金堂の断面模型。
実物では断面を見ることは出来ないので、構造的な成り立ちがよくわかります。
こちらは松本城の断面模型。
やはり、現実にこういう姿を見ることは出来ないので、興味深いものです。
こちらは一昨年に焼失してしまった、首里城正殿の模型。
昭和28年に制作されたそうですが、この模型がひとつの原型となって、正殿の復元が出来たようです。
一昨年の火事による焼失は非常にショッキングな出来事でしたが、こうした模型もひとつの参照にしてこれから再建されていくのかなと思います。
ご紹介したのは一部の模型に過ぎませんが、多くの模型が1/10というスケールなので各建築の大きさが体感的に理解できるのと、普段見られない部位やアングルから建築を概観出来るという点で非常にわかりやすく、楽しい展覧会でした。
それにしても、こうした模型がつくられているのは保存修復のたゆまぬ努力の成果な訳ですが、工匠の技術を含めてきちんと伝承していって欲しいなと思います。
展覧会は2月21日までらしいので、ケンチク好きの人は是非、足を運んでみてください。