今回の視察で唯一の現代建築かなという感じで、ザハ・ハディド設計のローマ現代美術館に行きました。
ローマの中心市街から少し外れた住宅地の中に建っています。
通りから眺めた外観。
いたって普通ですが、この部分は古い建物の改装部分で街並みに合わせています。
この外観が敷地の中に入ると一変します。
敷地の中では流線型のザハ・デザインが現れます。
かなり暴れています・・・。
そして外装もさることながら、インテリアもかなりアヴァンギャルドです。
エントランスホール
展示ロビー
ホール上部の廊下と階段
展示室
こうして見ると色んな要素が錯綜していて使いづらそうに見えますが、実際に訪れてみると動線が整理されていて思いのほかわかりやすく、使いやすそう、と思いました。
建築のデザインが強いので、アートの種類によっては建築に負けるような気もしましたが、大小様々な空間が用意されているので、様々な形式が考えられる現代美術にはちょうど良い気がしました。
ザハ・ハディドは、日本では新国立競技場の騒動で有名になりましたが、ここ数年世界のあちこちで耳目を集める建築を完成させており、質の高い建築を実現しています。
このローマの現代美術館も、街区の景観にも配慮して大きな破綻なく丁寧に造られていて好感が持てました。
ちょっと日本でも見てみたかった気もしますが、昨今の日本の厳しい諸条件を考慮すると難しい面もあったのかもしれません。
いずれにしても、曲面の多い難しい建築は日本でなかなか見られなくなっていますので、大変刺激になりました。