2022/10/08

三渓園:合掌造り

 先日の三渓園の続きです。


臨春閣は、残念ながら内部の撮影禁止でしたので、内部の様子はお伝え出来なかったのですが、三渓園の中でいつでも内部に入れるのが、旧矢箆原家住宅(やのはらけじゅうたく)」です。


この住宅は、合掌造りで有名な飛騨白川郷のエリアにあったものですが、ダム建設に伴って水没となることから昭和35年に三渓園へ移築されてきたものです。





建物の外観。映画のセットのような佇まいの住宅です。

上階には登れませんが、白川郷の他の民家同様に、上階は養蚕のスペースになっています。




この住宅は重要文化財に指定されていますが、文化財となっている建築物としては珍しく、毎日、囲炉裏に火を入れているそうです。


囲炉裏の煙は、茅葺き屋根の防虫効果もあるのですが、こうして火が入ることで建物が生きている感じが、実感できます。


そしてちょっと座敷わらしでも出てきそう、、、な雰囲気を感じます。





こちらは家の一番奥にある、書院の様子。


民家の書院としては大変立派なものです。





書院の欄間の意匠。

扇を散りばめたデザインが大変オシャレです。



おそらく養蚕やその他の産業で非常に羽振りが良かったのかもしれませんが、建物の大きさや凝った意匠を含めて、迫力のある民家でした。




臨春閣の内部の意匠も、この民家に劣らぬ大変素晴らしいものでしたが、写真が撮れなかったので、その代わりに、という訳ではないですが、、、、こちらの民家のインテリアの写真をアップしてみました。





三渓園には重要文化財が10棟あるそうですが、外から見るだけでも見応えのある建築が多くあります。



紅葉の季節も三渓園の庭園巡りに良いシーズンのようですが、また訪れてみると新たな発見や気づきのありそうな庭園・建築施設だなと思います。



2022/09/30

臨春閣

 先日、横浜の三渓園の代表的な建築のひとつ、「臨春閣」の内部が限定期間で公開されるということで、見学に行ってきました。


三渓園は、横浜の実業家、原三溪により明治から昭和期にかけて整備され、京都や鎌倉等の歴史的に価値の高い木造建築物を園内に移築して成り立っている、腹自身の邸宅を兼ねていた大きな庭園です。


庭園と一体的に整備された建築群が見どころですが、通常非公開になっている「臨春閣」が修復を終えたタイミングでの短期間公開でした。


「臨春閣」は、もともと1600年代に建てられた紀州徳川家の別荘・蔵出御殿が大阪に移築された後、大正期に三渓園へ移築されてきたものだそうです。


池のほとりに雁行して建つ優雅な姿から「東の桂離宮」と言われ、重要文化財に指定されています。


残念ながら、今回の特別公開では内部の撮影不可でしたが、ゆっくり内部を見学した後に改めて庭園から外部を見学しました。




池の対岸越しに臨春閣を見たところ。

雁行した建物のボリュームがよくわかります。

ちょうどこの建物の対角線上にある丘の上に室町時代の三重塔が建っており、池越しの三重塔を眺めながら酒宴に興じる、、、庭園全体を活かした、ぜいたくな空間の構成になっています。


当日はあいにく大雨の日で、写真にも雨が写り込んでいますが、季節の良い晴れた日にはもっと映えるのだろうと思います。


インテリアも遊びココロのある数寄屋風書院造で、華のある酒宴のための空間、という趣きでした。

実際、移築は原三溪の長男の結婚披露宴に合わせたタイミングで竣工したようです。


庭園も含めて、これだけの規模で保存状態の良い数寄屋建築はなかなか無いと思いますが、「東の桂離宮」と言われるのも納得、、、という感じでした。




併設されている展示室には修復工事の作業を移したビデオも上映されていましたが、庭園の中にも興味を引く看板が立っていました。



文字が読みづらいですが、


「杮葺屋根葺替え」 約12万円/㎡

「檜皮葺根葺替え」 約22万円/㎡


と書いてあります。



通常の屋根工事の10倍、20倍、くらいの価格、といったところでしょうか。。。



杮葺きは板を割って製材、檜皮葺は木の皮をはいで製材、といった作業をすべて手作業でやっている工程がビデオで上映されていましたが、実際の見え掛かり以上に手間ひまかけてつくられているのがよくわかります。


木造建築は、木という朽ちる素材でつくられているので、メンテナンスをしなければ数十年で朽ち果ててしまいますが、きちんとメンテナンスをしてゆけば数百年の寿命を保つことができます。

そして、その分コストもかかる、、、ということも含めて、よく理解できる展示でした。



設計をする身としては、三渓園のように大規模かつゼイタクな邸宅を設計する機会はなかなか無いなあ、、、と思いつつ、現代の住宅建築においてもヒントになる色々なアイデアや構法を実地体験しながらブラッシュアップできた、良い機会になりました。



大雨の中を園内を歩き回って見学したおかげで、ズブ濡れの訪問となりましたが、、、足を運んでの現地実習の大切さを改めて感じた次第です。









2022/09/24

まかないメシ

 事務所でシゴトをしていて、時間がある時は手軽なランチをつくる時もあります。


といっても、だいたいパスタを作るくらいですが、、、ちょっとした調理をすることでも、日常生活の基本を維持することは住宅の設計にとっても大事なことと思います。




写真は、先日つくった、薬味ペペロンチーノ。


薬味と具材たっぷりなのが個人的にポイント高い、、、です。



やはり食は生活の基本、と最近強く思いますが、アトリエ事務所でスタッフやっていた頃は、無頓着な食生活だったなあと今更ながら思います。



最近は、この業界も働き方改革が言われるようになっていますが、食生活の面からも持続的に健康的な働き方が出来ればと思ってます。




まあ、自分の料理が健康的で美味しい、というものでは無いですが、、、調理をすることで日常生活のリズムやバランスを整えてる感じはします。










2022/09/17

北の丸公園

 9月になりましたが、まだまだ暑い日が続いています。




こちらの写真は、竹橋の国立近代美術館に行った時に撮影した一枚。


太陽に向かってカメラ(といってもケータイですが)を構えているので、液晶画面がよく見えず、直感で撮りました。



東京のど真ん中で太陽がギラつく中、なぜか車が1台も無く、赤の日傘がちょっとアクセントで効いており、なんだか、うだるような残暑の感じが出ていて、個人的に奇跡の一枚(笑、、、です。




今年の夏は、記録的な猛暑が世界中で話題になっていましたが、気候変動の影響が多分にあるのかもしれません。




建築の設計においても、エコロジカルな取り組みがより重要になってゆくと思わざるをえない、そんな夏の日々であったと、写真を見ながら改めて感じいる次第です。





2022/09/08

フィン・ユール展

 気づけば9月に入っていますが、今年はケンチク・デザイン系の展覧会が充実しています。


そのひとつである、「フィン・ユールとデンマークの椅子」展に行ってきました。


デンマークの著名な椅子・インテリアのデザイナーであるフィン・ユールを軸に、デンマークの名作椅子を紹介する展覧会でした。




会場は東京都美術館。前川國男設計のクラシック・モダンな空間の美術館ですが、北欧モダニズムによる椅子の展示と美術館の空間がマッチしてました。





こちらは日本でも有名なアルネ・ヤコブセンのデザインした椅子の展示コーナー。




この椅子は、シドニー・オペラハウスで有名なヨーン・ウッツォンのデザイン。ウッツォンも北欧系の出身と理解していましたが、実はデンマークの方だそうです。

この椅子の、ちょっと癖のある曲線のフォルムはオーロラをイメージしているそうです。




こちらの椅子は、フィン・ユールのデザインした椅子の中でも代表的な「ザ・チェアー」。

シンプルながらしなやかな曲線が特徴的で、とても座りやすそうです。

北欧デザインらしい木の質感と優しさを持った椅子だなと思います。



こちらの展示も、全てフィン・ユールのデザインした椅子。


いずれも柔らかな曲線を使っており、普通っぽさの中にあるちょっとした癖のようなカーブラインが印象的です。


恥ずかしながらフィン・ユールという方を全く知らなかったのですが、、、微妙な曲線が多く製造が難しいからか、現在は廃番になっている製品も多いようです。

ただ、まだ販売されている製品もあるようで、フィン・ユールをはじめとする現在流通しているデンマークの椅子プロダクトに、触って座れるコーナーが、展示室の最後にありました。


20世紀初頭からのデンマークの椅子のデザインを概観できる上に試し座りも出来るので、椅子好き、北欧デザイン好きには大変オススメの展覧会です。




10月9日まで、東京都美術館で開催されています。