2023/03/08

沖縄視察その3:中村家住宅

 ちょっと間が空きましたが、沖縄視察その3。


中城城跡の近くにある、中村家住宅。

戦災で様々なものが失われた沖縄本島では珍しい、18世紀中頃に建てられたといわれる古民家です。国の重要文化財に指定されています。


中村家住宅では住宅本体だけでなく、周辺の環境も含めて遺されているため、往時の沖縄の暮らしぶりを偲ぶことが出来ます。




敷地南側のアプローチの路地からの眺め。
正面の塀は二重になっていて、写真で見えている塀の奥に「ヒンプン」という1.8m程度の顔隠し塀があります。
プライバシーを守りつつ、風雨から家屋を守っています。




塀越しに母屋を見たところ。
塀や舗装には琉球石灰岩が使われています。
堅牢な石で廻りを囲っているところが沖縄らしいですが、琉球石灰岩は乳白色の表情が柔らかい石なので、どことなく柔和な印象があります。
高さは1.8mくらいですが、高すぎず低すぎずで、中に入ると圧迫感が無くて妙な安心感のあるスケールになっています。




中庭から母屋をみたところ。

中庭に対して開放的なつくりになっています。





母屋から中庭を見たところ。

南側に開かれた中庭。写真左がアシャギと言われる客間で、右が高倉。広すぎず狭すぎず、心地よいスケール感の中庭です。




母屋の屋根にはシーサー。
写真ではわかりにくいですが、家の護り神として納得の迫力ある面構え。





母屋の中。風が通りそうな、開放的なつくり。






縁側から中庭を見たところ。

庇が深いので、夏の日射を防いでくれそうです。





こちらは台所。
大小のカマドが並んでいます。






裏手の高台から屋根を見たところ。
住宅は北から南へのなだらかな傾斜地に建っていて、段々状にレベルが変わっています。
加えて、フクギと言われる防風林によって風雨から護られる環境になっています。
高いところから見ると住まいと周辺環境の関係がよくわかります。
屋根は地元産の土を焼いた瓦をしっくいで固めたものだそうですが、独特の迫力があります。



高倉の中に展示されている、お役目を終えた先代のシーサー。

風化したお姿がなんとも味わい深いものです。
シーサーを誰がつくるのかは、瓦屋根の葺き師の親方に権利があるそうで、シーサーの出来栄えで職人の力量がわかるらしいです。

この迫力からすると、先代も現役も相応の力量の職人さんによって造られたのだろうと思います。







改めて写真を見返すと、沖縄の空の感じが印象的でまた行きたくなる、、、心持ちになります。
そして、ヘタな解説文よりも写真をメインにすることで雰囲気が伝われば、と思います。




まあ、最近サボりがちな更新をもう少し頻繁できるように、、、本職だけでなくブログもがんばりたいと思います。

ここ最近、ずっとこういうコメントしてますが・・・(笑。