2022/10/22

イッタラ展

 フィンランドのガラスメーカー、「イッタラ」社のプロダクトを紹介する展覧会が渋谷の文化村ミュージアムで開催されているので行ってきました。



イッタラは、北欧好きには著名なガラスのメーカーですが、近年はイッセイ・ミヤケや日本の著名なデザイナーともコラボしており、人気のある北欧ブランドのひとつです。



ケンチクの世界では、フィンランドを代表する巨匠、アルヴァ・アアルトのガラス製品を手掛けていることでも知られています。



展覧会場を入ってすぐのエリアに展示されている、「アアルトベース」の展示。



自由な曲線をかたどった「アアルトベース」は1930年代に開発され、90年近く経った現在でも未だにイッタラを代表するプロダクトといえるようです。


かくいう私もフィンランドに行った際に小ぶりの「アアルトベース」を買いました。

ヘルシンキの本店で購入したのがささやかな自慢ですが(笑、日本でもイッタラのお店やネット通販等で色々と購入する方法があるので、さほど珍しいものではないかと思います。



「アアルトベース」をはじめ、シンプルで飽きのこないロングライフデザインと手の届く価格がイッタラの魅力と思いますが、中にはガラス技術を駆使した鳥のデコイのようなプロダクトもあります。





展覧会の最後にディスプレイされていた、ガラスの鳥の数々。

現在はほとんどのプロダクトが機械生産されているようですが、どこかに高い技術を持った手仕事の痕跡を残しているようなところが、イッタラの魅力なのかもしれません。





このグラスも、イッタラの「ウルティマ ツーレ」というグラス。

ラップランドの氷が溶ける様子にインスパイアされてデザインされたもののようですが、ガラスの表面の木の幹を思わせる模様やグラスの底の凹凸が反映した光の様子が、有機的な美しさを創り出しています。

そのせいか、氷が似合うグラスだなあと思います。


このプロダクトも、1960年代のデザインですが、全く古さを感じさせない、ロングライフデザインになっています。



こうした定番デザインがある一方で、新たなデザイナーを招いてのチャレンジをする姿勢が支持されて今の人気につながっているのかと思いますが、どこか自然の優しさを感じさせる有機的なデザインが今の時代に合っているのかなと思います。



同じことは、建築のデザインにもいえるかと思いますが、飽きのこない、どこか優しさのあるデザインの建築をつくることが出来れば、、、と思います。