住宅のメンテナンスでつくばを訪れたついでに、つくば駅界隈でお散歩がてら2つのケンチクを見に行ってきました。
ひとつめは伊東豊雄さん設計の「つくば南駐車場」。1994年竣工。
建築家が立体駐車場を設計するのは珍しいですが、当時のつくばの中心市街にはモータリゼーションの時代に合わせて複数の立体駐車場を造る計画があり、その一環でつくられました。低層部にはショールームやオフィス等のテナントが入っています。テナントは当時から入れ替わってだいぶ様変わりしていますが、鉄骨のスケルトンフレームに外部にせり出したスロープやアルミルーバーがつくる軽くて透明な感じがまだ健在で、古さを感じさせないライト・コンストラクションの建築です。
もうひとつは谷口吉生さん設計の「つくばカピオ」。1996年竣工。
アリーナと劇場を中心にした複合文化施設です。
建物前面にある広々としたキャノピーと列柱のある大空間が外部との中間領域をつくっていて、茫漠としたつくばの都市スケールに対応しています。こちらもスチールとコンクリートによるスッキリとしたミニマルでモダンな空間で、つくばの雰囲気にマッチしていると思います。
いずれも25年くらい経過していて、多少ヘタレた部分はあるものの、十分に現役で使われていました。
そして、今だに自分の自慢なのですが、この2つの建築が工事をしていた当時、監理業務の為に現場に常駐していたそれぞれの設計事務所で模型づくりのアルバイトをしていました。
そして、25年を経た今でも当時の担当スタッフの方々と付き合いがある、、、のは嬉しい限りです。
当時は25年後にどうなっているかを確認しに訪れることになるとは思ってもいなかったですが、担当スタッフの方々に色々と教えていただいたことを含めて、大事な自分の原点のひとつであり、ケンチクに一番ロマンを感じていた時期にこうした著名な建築家の工事現場を経験出来たことは、大きな糧になっています。
それにしても、その間に自分がどれだけ成長が出来たか疑わしい気もしますが(笑、、、、25年の風雪に耐えて健在なこれらのケンチクに恥じないように、自分のケンチクを丁寧につくってゆきたいと思います。