フォロ・ロマーノに隣接する丘の上にある、カンピドリオ広場。
ミケランジェロの設計ということで有名な広場です。
元々あった建物に色々と改修を加えて現在の形になっています。
楕円の床パターン、ハの字型に並列された建物(カピトリーノ美術館)、正面のローマ市庁舎の階段等がミケランジェロの設計とされていますが、リズミカルで動的な床パターンやカピトリーノ美術館のパースを強調した配置と都市的なスケールを意識したファサード・デザイン、正面性を強調した庁舎の階段、といったところにミケランジェロらしさがあるのかなと思います。
ジェズ教会。イエズス会のローマにおける拠点となった教会だそうですが、壮麗なインテリアは往時の勢いを感じさせます。
こちらはパンテオン。古代ローマの遺構で今も生き続けている建築。
キリスト教の聖堂になったことで生き永らえたようですが、創建はAD125年になるそうなので、およそ1900年もの間建物として生き続けていることになります。そう考えるとすごいサステナビリティだなあと思います。
パンテオンは天井が半円状のドームになっているのですが、その単純な象徴性が揺らぎない魅力をつくっているように思いました。
最後にトレビの泉。全体的にクリーニングされているので、ピカピカな感じです。
最近はクリーニングの技術が向上したせいか、どの建築に行ってもかなりキレイになっていて、古い建物の持っていた汚れ等がすっかり取れているものが多く見られました。
往時の姿を蘇らせるという意味では大変良いのですが、経年変化による古風な味わいというのは逆に無くなってしまって、ちょっとテーマパークのアトラクションのような感じはしました。
今回の旅で強く思ったのは、どの観光地に行っても人であふれていて、長い行列が各所で出来ており、オーバーツーリズムが世界中で問題になっているというのを肌で感じられた点です。
各名所に出来た行列を見ているとやはりテーマパークの中にいるような気持ちになりましたが、テーマパークが現実をトレースしているのではなくて、現実がテーマパークをトレースしている気がしました。
この点については、もう少し考えてみたいなと思っています。