2018/05/02

内外装工事

また阿佐ヶ谷の工事現場の話題に戻ります。


断熱材を壁や屋根に仕込んだ後は、更に構造用合板を張ってその上に石膏ボードを張り込んでゆきます。


2階のリビングから中庭側の窓廻りを見たところ。ちょうど構造用合板が壁一面に張り込まれたところです。
木造の3階建てになると法律上、構造計算が必須になるのですが、構造的な強度もより高いものが求められます。構造用合板は筋交いのように水平方向の変形に対して剛性を保つ役割が大きいのですが、この建物では面の凹凸が出るのを避けるため建物全体にまんべんなく張り込んでいます。





2階から3階の吹抜けを見上げたところ。屋根の傾斜面には石膏ボードが張り込まれています。キレイな梁の架構が出来ていたのですが、木造3階建てに求められる耐火性能を確保する為にボードで全体的に覆っています。木造3階建てになると構造だけでなく、耐火においてもより高い性能が求められます。耐火性能を確保する方法はいくつかあるのですが、石膏ボードを張り込む方法はコスト面からすると効果が高い方法のひとつと言えます。ただ、この方法を採用すると木の柱梁を隠さないといけないので、木造の持つ柔らかい質感は活かしづらくなります。方法によっては木の架構をあらわしにすることも出来ますが、相対的に割高なコストになるようです。いずれにしても木造3階建てにおける木という素材の扱い方は一考の余地があるように思われます。





こちらは外壁の様子。ちょっと青みがかった壁面は耐水石膏ボードです。これも耐火性能を確保する為に張っています。内外に所定の厚さの石膏ボードを貼ると所定の耐火性能を有するものとして認められるという訳です。




総じて、都市部に建物を建てる場合には耐震、耐火の性能に関してより高い水準が求められます。それに加えて高気密高断熱化を図る場合には、目に見えない部分に更にコストをかける必要があります。
これらは最終的な見た目では判断できない部分になりますが、建物の基本性能にとって重要な部分になるので、手を抜かずにコストをかけてつくることが大事です。また、こうした性能をきちんと確保することが建物の長寿命化にとって大事になるものと思っています。



本日はGWの中日ですが、みなさま良い休暇をお過ごしください。