前回に引き続き、阿佐ヶ谷の住宅の木工事についてです。
この段階は木の架構がむき出しになっていて、完成形とはまた一味違う、素の形が持つ力強さ、美しさを感じさせてくれます。
2階から3階への吹抜けと階段の吹抜け部分をみたところ。
南側の窓からの光が室内に降り注いでいます。
住宅街の一角に立地しているので日当たりが抜群に良い敷地ではないですが、窓の配置を工夫して 室内に日光が入るようにしています。
階段部分の吹抜け。各所の窓から光が入ってきます。
断熱サッシは通常の窓よりも高額なので、窓を多くするとその分コストもかかるのですが、 選択と集中ということで光が効果的に入る位置に窓を設けています。
窓を設けるべきか悩ましい箇所もいくつかあったのですが、結果としてメリハリの効いた窓の配置になったかと思います。
吹抜けの四隅に設けたスチール製の火打ち梁。
風圧等の水平方向にかかる力に対抗するように入っています。
この部材は室内側に現れてくるので、既製品でなくこの現場用に特注されたものです。
吹抜けも位置、大きさ等の条件によっては設けるのが難しいのですが、構造設計のエンジニアと協力して、こうした部材を入れるような工夫を施しながら理想の空間を実現しています。
こういう色々なオプションに駆使しながら、色々な選択から選ぶことができるのが建築家と住宅をつくるひとつの大きな長所と思います。