2018/02/01

木工事1

今回も阿佐ヶ谷の現場の様子です。

上棟時には柱梁の骨組みだけでしたが、ここから壁や間柱、窓サッシュといった構造と外壁を形作る要素をつくってゆきます。


2階から3階の吹抜け部分を見上げたところです。
柱、梁の架構が整然と組み上がって、キレイにみえます。

意匠的にはこうした架構を見せる方法もあるのですが、木造3階建て住宅の場合は準耐火建築物という、耐火のグレードを確保しなければならず、また断熱上も弱点となってしまう可能性があるので、今回は全てせっこうボードで覆うようにしています。
ちょっともったいない気もしますが。。。


それぞれ、2階と3階の階段と廊下の部分です。
この部分はライトコート(光庭)に面していて、建物全体を動線的にも視覚的にもつないでいます。写真はちょうどサッシュを取り付けしたところです。

今回使用しているサッシュは断熱サッシュといって、外気をできるだけ遮断する素材と機構でつくられたサッシュです。フレームは樹脂製なのですが、断熱性能が高い上に耐火性能も確保しています。またガラスは法規的に義務付けられている網入りガラスを使用せずに、代わり耐火ガラスという網なしで透明なガラスを使用しています。網入りガラスは心理的・視覚的にすっきりしないという弱点がありますが、今回使用しているYKK APさんのAPW330と防火窓Gシリーズという製品サッシュは、断熱性と透明性を確保している、優れた製品です。

ちなみに結露した窓の光景というのは皆さんおなじみかと思いますが、やはり断熱性能に劣るので高気密・高断熱とする場合に窓は大きな弱点になります。ただ、今回のような断熱サッシュはどのメーカーさんもここ最近競って開発していて、かなりの勢いで普及しつつあるように見受けられます。おそらく数年後にはこうしたサッシュが標準的な仕様になる気がしますが、現時点ではお値段もそれなり、、、で、普通の住宅用サッシュの2、3倍くらいの価格になります。総工費の中の割合で考えると数%のコストアップですが、それでもなかなかコストインパクトはあります。




話しがそれましたが、この段階の工事では木の構造をしっかりつくることがメインで、柱・梁を金物でしっかりと固定して、部分的には写真のように鉄骨部材を添えて補強したりもします。

3階建ての木造になると構造計算が義務付けられるのですが、こうした構造計算を通して過不足の無い、安全な構造体をつくりあげてゆきます。


構造設計を含めた設計の構想と、それを実現する工務店や大工さんの協業ではじめて良い建物が生まれるのだと思います。