2012年はフェルメールの当たり年、といいますか、代表作が同時に2作上野で観られるという、最高のシーズンでした。
で、例によって会期末に慌てて美術館に行った訳ですが、個人的には国立西洋美術館で展示されていた、「真珠の首飾りの女」にちょっと衝撃というかより深い感動を覚えました。
絵自体は左の高窓から入る光の中で真珠の首飾りを鏡に見入っている女性が描かれている、なんでもない所作が描かれた絵な訳ですが、作家の主題としては壁の余白の濃淡を通して光を描こうとしているのではないか、、、という気がしました。
人物やその他の室内の小道具の描写もさることながら、美しい光があふれてくるような絵の輝きこそフェルメールの真骨頂、という感じもしました。
建築家はフェルメール好きが多いですが、やはり美しくて穏やかな光のあふれる空間というのは建築家ならずとも魅了されるというものです。
写真は国立西洋美術館の外観。
近代建築の巨匠、ル・コルビュジェ作ということで世界遺産リストに挙がっていますが、落選の憂き目にあっています。
世界中の他のコルビュジェ作品と抱き合わせでの申請なのですが、一部の建物の状態や保存運営が懸念されるための落選、ということで推薦内容を見直して再チャレンジするようです。
国立美術館に限っていうと様々な改変が大きく、彼の作品のオリジナルの良さをとどめていない部分が多い点が残念な気がします。
運営上仕方ない点もあるでしょうが、オリジナルに復元しないと本当の意味での良さがわからないかなと。
とはいえ、世界遺産になれば良いな、と思います。
まだまだ暑いですが、芸術の秋、の話題でした。