2012/05/07

Pollock

展覧会の会期はけっこう長いものですが、いつも会期末にバタバタで駆け込みで観に行ってしまいます。。。



本日で終了しましたが、東京国立近代美術館でのジャクソン・ポロック展にGWの合間に観に行きました。



ポロックといえば、アクション・ペインティングによって抽象表現主義の世界を切り開いた、アメリカのミッドセンチュリーを代表するアーティストです。


展覧会はそんなポロックの生涯を概観する企画になっていましたが、色々な試行錯誤を繰り返しながら、アクション・ペインティングによって一瞬の輝きを得ながらも、破滅的な終局に向かって突き進んでいく、その軌跡がみてとれる展示でした。


天才と狂気は紙一重、なのでしょうが、精神疾患を繰り返しながら最期は自殺に等しいと思われる、交通事故による衝突死に至る、その精神の軌跡が見て取れる絵画の数々は、時に神々しく輝き、時に重苦しく感じるものでもありました。


ポロックの一般的なイメージにある、ドリッピングを駆使したペインティングを描いた時代はほんの数年の出来事な訳ですが、その軌跡は夭折のロックミュージシャンにも似たものを感じます。

よく言われるのはポロックの絵画は即興的で同時代のアメリカのジャズに近いものがある、ということですが、描かれたものや制作している時のドキュメンタリー映画を観ると、骨太のロックミュージシャン、にも見えます。


ジミ・ヘンドリックスとか。。。


時代違うし、ベタですが、何か重く衝動的で骨太な表現というのは似たものを感じてしまいます。




会場のエンドにはポロックのスタジオが再現されていました。









ちょっとピンぼけですが、ポロックのスタジオの床。(レプリカですが・・・。)



制作の痕跡を顕著に感じられるこの床の汚れは、格闘の軌跡を如実に感じさせてくれ、作品以上にアートを感じてしまいます。



魂を削りながら、何かを創らずにはいられない、そんな衝動を内に抱えながら生きたポロックは、やはり天才的なアーティストなのでしょう。