2012/01/10

近代美術館@鎌倉

週末は建築系の展覧会をハシゴしましたが、鎌倉の神奈川県立近代美術館でやっていたシャルロット・ペリアン展に行ってきました。

ブロガー的には会期はじめにレビューすべきなのでしょうが、、、会期末に慌てて行くことが多く、ほんとにギリギリのタイミングでした。。。


シャルロット・ペリアンはル・コルビュジェのアトリエで家具やインテリア担当のスタッフとして活躍した方ですが、日本との縁も深く、展覧会は彼女と日本のデザインとの関係を軸に展示されていました。日本の伝統建築や工芸からインスパイアされて、デザインを組み立てていく過程がよくわかる、良い展覧会でした。活躍した時代が戦争と重なっていた影響もあり、多作なヒトではなかった感じですが、日仏の多彩な人材との交流による触媒的な役割がより大きく、特に日本のデザイナーに影響を与えていた、という点がよくわかりました。



この展覧会は美術館の開館60周年事業だった訳ですが、この美術館は60年前に日本の近代建築のパイオニアのひとりで、ペリアンとも親交の深かった、坂倉準三によって設計された美術館です。
戦後間もない時期の日本の近代建築の代表作のひとつで、未だに現役で活躍している、とても貴重な建物です。

一時期、取り壊しが取り沙汰された時期があったようですが、自治体の財政難のせいか、、、存続しています。たぶん近い将来に文化財指定されるであろう建物と思います。




1階のテラスから鶴岡八幡宮の池を眺めた写真ですが、木造建築のような軽やかさと池の水面の反射光のキラキラゆらめく様子がキレイだなあと思います。


何度訪ねてもいいなと思える、好きな建築空間のひとつです。






池の鉄骨柱は礎石の上にそっと置いただけに見えますが、よく見ると石を割って合わせてあります。おそらく内部にコンクリートの基礎を隠しているのでしょうが、さりげなく凝っています。





中庭にイサム・ノグチの彫刻。建築と相まってなかなかカワイイ。









せっかくなので、帰り際に鶴岡八幡宮を参拝しましたが、正月からまだ日も浅いので、多くの参拝客で賑わっていました。




快晴で穏やかな、初春の休日でした。