週末は世田谷美術館で開催中の「民藝」展に。
この展覧会は、全国巡回展の東京バージョンでした。
歴史的・体系的に「民藝」を概観するような展覧会で、東京の後も色んな地方を巡回するそうです。
写真は、展覧会冒頭の昔の民藝展の展示が再現されていたコーナー。
この展示品の中には海外の家具や陶器も混在しているのですが、全く違和感の無い、「民藝」テイスト。
「民藝」は各地方で伝統的に使われてきた生活用品に「用の美」を見出して、それらを組み合わせてひとつの美意識のもとに提示している訳ですが、骨董屋の店頭の傍らに無造作に放置されていたような品々もピックアップして「民藝」としてコレクションしていたようです。
いわば、一貫した美意識と見立ての眼力が問われる訳ですが、前掲の写真がその美意識のエッセンスが現れているような展示空間になっている、という感じです。
この展示の後に続く展示はどちらかというと学術的かつ体系的な説明的な展示になります。
この展覧会は展覧会で面白いのですが、日本民藝館に行くと1930年代に建てられた建築が当時と同じように使われており、そのエッセンスが感じられるような濃厚な空間になっているので、日本民藝館に行かれることもオススメします。
世田谷美術館のある用賀と日本民藝館のある駒場はわりと近いので、がんばったらハシゴできる距離感です。
そして、今回の展示は内井昭蔵設計による世田谷美術館でしたが、こちらも良質な公共建築の見本のような建築で、見ごたえがあります。
築40年くらいの建築ですが、諸々の更新を重ねつつ大事に使われていることもあり、良質なクラシック・モダン建築のひとつになっています。
まあ、地下に中庭があったり天然石をふんだんに使っていたり、滝の親水スペースがあったりと、今やると税金の無駄遣い、、、と言われかねないゼイタクな空間のオンパレード、とも言えますが、風化しても味わいのある素材やディテールを使用しているので、80年代建築のレガシーとしてベストな事例のひとつではないかと思います。
そしていずれにしても、工芸的に随所に凝った建築である世田谷美術館は「民藝」展の展示会場としてふさわしい、、、とも思いました。
展覧会では民藝のグッズ販売も充実しているので、一度訪問されると良いかと思います。
いつも会期終了後にブログにレビューすることが多いのですが、今回は珍しく会期中にレビューしてみました・・・。