保存された部分をうまく使って吹抜けの大空間をつくっています。
旧建物の設計は吉田鉄郎という昭和初期の建築家で、モダニズム建築の先駆者とされています。
装飾のない、柱梁の構造を素直に表現したシンプルな建築を得意としていました。
写真を見るとそういう感じが伝わってきますが、一般の方が見るとやや味気無いかもしれません。
設計をやっている人間からするとこうした素っ気なさにかえって「萌え」を感じたりもしますが・・・。
局長室のインテリアも復元されていました。やはり柱、梁を剛直に表現していますが、木の使い方とかが意外にぜいたくだったりします。
KITTEはやはり東京駅のベストビューポイントのひとつかもしれません。
上のKITTEの写真と比較すると古典主義とモダニズムの建築の違いがよくわかりますが、しいて共通している美学があるとすれば、柱のプロポーションとか窓の反復のリズムとかをよく吟味して設計されている点でしょうか。
街の魅力のひとつは歴史が積層している感じが建物を見ながら体感できる点がひとつにあるかと思いますが、そうした風潮が高まっているのは良い傾向かもしれません。
普段あまり行かない街をちょっと建築散歩をすると色々と気づくことが多いものです。