テレビは最近あんまり観ないのですが、たまに面白い番組というのはあります。
そのひとつが「音楽の学校」。
NHK教育の番組ですが、坂本龍一と各回のゲストが音楽をテーマごとに歴史をひもといて、分析をし、中高生と一緒にワークショップをやっていく、という内容です。
ここ数回はジャズをテーマにやっているのですが、山下洋輔をゲスト講師にしてやってます。
各回のテーマ(たとえばスイングジャズとかモードジャズとか)の音楽的な方法論を掘り下げていくのですが、普段そういう音楽的な構造というのをあんまり理解しないで聴いているので、そういう方法論や歴史的背景というのを解説してくれるとなるほどなあ、という感じがします。
で、そういう方法論をもとにワークショップで中高生が楽器を使って実践していく訳ですが、その方法を応用していくことでそれらしい音楽が出来上がっていく過程というのが面白い。
先回はフリージャズがテーマだったのですが、最後は坂本龍一や山下洋輔も即興で参加したりして、盛り上がった演奏になってました。
音楽ってこうして出来上がっていくのだなあ、と。
だいたい小学校の頃から音楽より美術が得意で、その延長で今の職業についているようなものですが、クリエイションとしての音楽への興味というか憧れ、みたいなものはずっとある。
音楽の快楽というのは文化的背景に根差した側面もある訳ですが、何故にある音の組み合わせによる連なりを心地よく感じるのか、ということに対してはあまり理論的な根拠はありません。
建築というのは理詰めで組み立てていく部分も多分にあるため、音楽のように感覚的な要素の比重が高い創造物に対する憧れは余計に出てくる気がします。
で、そういう風に感覚的な比重が高い、としか受け取っていなかったものの構造をわかりやすく明らかにする試み、というのは今までマス・メディアでは無かったし、新鮮な感じがします。
一見すごい地味な番組で、民放だったら出来ないような企画かもしれませんが、さすが国営放送、地味なりに充実したコンテンツになっています。
音楽好きにはおススメの番組です。