2020/08/28

オラファー・エリアソン展

 先日、東京都現代美術館に「オラファー・エリアソン展」に行ってきました。

オラファー・エリアソンはデンマーク出身のアーティストでエコロジーやサステナビリティの視点を踏まえたアートを数多く手掛けています。

近年は建築プロジェクトも発表していて、その活動が大変注目されているアーティストです。


作品の多くは自然現象を視覚化した体験型のもので、単純に楽しいものです。

展示室のほとんどは撮影可能で、多くの人が携帯カメラ片手に撮影していました。


ガラスの回転する多面体。ソーラーパネルが電源で光ってゆっくり回転しています。
壁、天井、床に光を反射していますが、単純に美しいものです。






こちらは色味の異なる光が投影された部屋で、中に入って動いてゆくと色の異なる影絵がどんどん出来てゆく、観客参加型のアート。自分の影が作品になるので、皆さんこぞって撮影していました。





こちらは照明が投影された水盤に生じた波紋が反射光となって上部のスクリーンに映る、という作品。





こちらの塊は海岸に流れ着いた氷河のカケラを3Dスキャンしたもの。ヨーロッパでは氷河の氷解が年々早まっていることが体感できるようですが、気候変動の記録と危機意識を喚起するアートです。




こちらは霧に光を当ててゆらぎのある虹を発生させる作品。エリアソンの代表作です。

仕掛けは非常に単純ですが、そこをアートとして作品化するというのが新しい試みだったのだと思います。




こんな感じで主な展示作品をざっとご紹介、です。

難しいテーマやコンセプトはさておき、単純に楽しい、という点は大事かもしれません。この展覧会でも皆さん写真をこぞって撮っていましたが、おそらくインスタ映え、的なことで話題になっているのかと思います。


やはり、エコロジーの取り組みには科学的なアプローチと同時にアートやデザインの視点が融合することでより説得力のある表現になるなあと思いました。


まあ、一般的に現代美術は難解と言われますが、エンターテインメント性も大事だと改めて思いました。特に近年は撮影OKな展覧会が増え、SNSで拡散されることで思わぬ人気を呼ぶケースが増えているようです。



今回のエリアソンの展覧会はそういうケースのひとつと言えますが、百聞は一見にしかず、ということでオススメの展覧会です。

会期は9月27日までで、まだ余裕があります。












2020/08/21

インタビュー記事の掲載

 既に事務所のウエブサイトでは告知していますが、住宅情報サイト「コノイエ」さんで林のインタビュー記事が掲載されています。(リンクはこちらをクリック


一般の方向けにわかりやすく設計に対する考え方を伝えるような内容になっています。


作品にフォーカスしたサイトはいっぱいありますが、設計者の人となりにフォーカスした内容は珍しいかと思います。


まあ、こういう記事はちょっと面はゆい感じが個人的にありますが・・・。




ご一読いただけますと幸いです。







2020/08/17

まかないランチ

 昨年に移転した事務所は室内にキッチンとガス台がついていたので、今春にガスコンロを購入しました。


設計事務所で昼ごはんを自前でつくっているところは結構多いのですが、比較的短い時間でお手軽に出来るスパゲティくらいならやれるかな、、、ということで最近まかないランチをつくっています。

まあ、料理はそれほど得意ではないのでレシピ本を片手に学習している最中ですが、個人的にヒットしたのは「ナポリタン」と「サバのトマトソーススパ」でしょうか。



定番のナポリタン。
手づくりだと具だくさんに出来るのが良いですね。





こちらはサバのトマトソーススパ。

サバ缶のサバとトマトソースとの相性が意外に良く、青魚のクセが消えて美味でした。



やはり食は生活と健康の基本なので、バランスの取れた家庭料理が望ましいと思うのですが、日々の業務の中ではなかなか難しいところもあります。

とはいえコロナ禍で全体的にスローダウンしたところで、こうした手作りご飯のランチに取り組んでみるのも良いタイミングであったかなと思います。



ウチの事務所にとっては、これもひとつの「新しい日常」かもしれません。






2020/08/13

猛暑日

 長梅雨の7月から一転して、ここ最近は猛暑日が続いています。





写真のデジタル時計はウチの事務所のものですが、温度が35度以上=猛暑日並みの室温になっています・・・。



昨年移転した新事務所で真夏を過ごすのは今年が初めてですが、やはり南東側に面したマンションの一室で午前中に朝日が十分に当たるのと、古い建物で断熱性能が低い、といった点が高温化する原因のようです。


現在では省エネ規制の法整備が進んだこともあり、新しい建物ではペアガラスが標準となっていますが、一昔前は単板ガラスが当たり前なので、そこが断熱上の大きなネックになっている事が多いです。


最近はインナーサッシによる断熱改修も出来るのですが、やはり賃貸ですとそこまでは出来ないもしくはやらないこともあり、冷暖房機器で調整するしかないのが実情ということになります。



そういう意味では古い建物はエネルギー消費が過大になって省エネではないケースが多いのですが、ウチの事務所の場合は冷房の風を人のいる場所に局所的に当てるとか、扇風機で部屋全体の空気を循環させるようにするとか、ラフな薄着で過ごす、冷たい飲み物を飲む、といったどちらというと原始的(笑、な方法で対処しています。


まあ日本の場合、昔ながらの木造建築は夏を旨とすべしという考えから外気に近い室内環境だったので、人間の方で室温調整する手立てを色々と工夫してきた文化風土があり、外気温もそうした工夫のみでしのげる気候風土だった訳ですが、やはり気候変動によるものか、最高気温を各地で更新し猛暑日の日数も増えていて、段々と人間側の工夫のみでは限界がある気候条件に変わりつつあります。


そういう意味で、建物側の環境性能のスペックを上げたりデザイン的な工夫を施さないと立ち行かない、、、という認識でエコに配慮した設計・デザインに取り組んでいる次第です。


それにしてもまずは事務所の室内環境を改善しないといけない訳ですが、、、まずは原始的な手段(笑、を用いて対処している次第です。


まあ、猛暑から極寒まで、人間側の環境に対する適応能力もけっこう高いと思いますが、やせ我慢が命の危険につながるという気候条件に変わりつつあることは十分に注意する必要があると思います。



危険な暑さがしばらく続きそうですが、皆さまご自愛ください。








2020/08/10

代官山:旧山手通り

 本日は「山の日」の祝日ということで、自宅・事務所からほど近い代官山にちょっと散歩に行ってみました。



代官山といえばおなじみの槇文彦先生の名作、「代官山ヒルサイドテラス」。


普段ならインバウンドの観光客を含めて全国津々浦々から集まった人々がオシャレをして闊歩する通りなのですが、ご覧の通りで人影の見当たらない午後のひとときが流れていました。。。



本来は本日がオリンピックの閉会式の日程だったそうです。

コロナ禍にある現実との落差を考えるとなんとも言えない心持ちになりますが、また色んな国の人々であふれる代官山に戻ることを切に願っております。



それにしても、写真に撮った代官山ヒルサイドテラスのF棟は竣工して25年以上経過しているとは思えないくらい、凛々しい佇まいです。

昨年に外装の大掛かりなメンテナンスをやっているのを見かけておりましたが、丁寧な設計と施工、その後のこまめなメンテナンスがあってこその現在の姿なのかなと思います。


オーナーやユーザー、地域の方々に愛されてこそ建築が生きる、、、ものと思いますが、こうした質の高いロングライフを続ける建築こそがサステナビリティに対するひとつの模範解答ではないかと思います。



従来とは異なる盛夏の最中ですが、皆様どうぞご自愛ください。










2020/08/06

紀尾井町

8月に変わって、長雨が続いた先月とはうって変わって猛暑の夏になりつつありますが、先週は講習会で紀尾井町に行ってきました。

ここ最近、中目黒界隈でユルユルと生活が完結していたのですが、久々に紀尾井町のような都心の政治・ビジネスの中心街に行くと雰囲気が全く違い、いつも以上に新鮮に感じられました。



そんな紀尾井町の中でも代表的な再開発プロジェクトである「東京ガーデンテラス紀尾井町」の中にたたずむ、「赤坂プリンスクラシックハウス」。
「旧グランドプリンスホテル赤坂 旧館」で元々は「旧李王家東京邸」だそうです。

この場所は我々の世代でいえば丹下健三設計の「赤坂プリンスホテル」のイメージが強いのですが、今はすっかりその痕跡もなく、あたり一帯が一体的に再開発されています。この「クラシックハウス」もレストラン等の施設としてキレイに修復されており、往時をしのびつつ現代的なアートや空間との対比を楽しむことが出来ます。





バックにあるのはオフィスのタワー。
写真だとトリミングされていていまいち迫力が無い感じですが、実際にはガラスのタワーと洋館のコントラストが面白い空間をつくっています。






そして、名和晃平さんの鹿の彫刻。
これも現代美術と洋館の質感が対比的ですが、周辺の現代的な空間とも相まって不思議な調和のある空間を創り出しています。




本来であれば、海外のお客さんを含めて人があふれる空間になっている時期であったと思いますが、コロナ禍の最中の小雨日和でひっそりとしていました。





今年の夏は控えめな外出を続ける生活が続きそうですが、人出が少ないことを逆に楽しむというか、人が少ない中でアートや建築とじっくり向き合えるような機会が増えるのかもしれません。





そういうマイナスをプラスに転換して、ひと夏を過ごすことが出来ればと思います。