2012/09/29

奈良@横浜

先日、横浜美術館での奈良美智展に行って来ました。





FRP製の巨大彫刻がエントランスでお出迎え。

奈良さんというと、カワイイ子供の図像がすぐ脳裏に浮かぶ訳ですが、展示空間の使い方が非常に上手な方で、展示空間と作品の関わり方にかなり神経が使われています。


この作品は撮影フリー、ということで皆さん記念写真を撮っていました。


横浜美術館はかの丹下健三先生の設計な訳ですが、花崗岩をいっぱい使っていて、やや硬い感じの空間です。でもその硬さに負けないよう、カワイイ彫刻が存在感を放っていました。

写真で見てもクールかわいい、、、みたいな妙な調和が感じられます。


ちなみにこのホールは屋根面がガラスのトップライトと全自動ブラインドで出来ているのですが、近年はずっと閉じられて直射日光が入らないようにしているようです。
ただ、建物の構成をよく見ると、このホールの空間は外部空間のように造られていて、西洋の古い建物の美術館によくあるようなエントランスのゲートをくぐって中庭プラザに出る、という構成を意識しながら設計されているかな、という感じがします。
外部に限りなく近い内部の空間を創ろうとしたのであれば、外部によく使われる花崗岩をいっぱい使っている点も合点がゆきます。
なので、ブラインドがずっと閉じられているのはちょっと残念なのですが、美術作品への影響やランニングコストを考えると難しいのかもしれません。。。


話がだいぶそれましたが、奈良展は2001年に同じ美術館で開催されていて、その当時も見にゆきました。

つい数年前だった気がしたのですが、もう10年以上経っているかと思うとちょっと怖い、、、と思う今日この頃です。






2012/09/16

国立西洋美術館

2012年はフェルメールの当たり年、といいますか、代表作が同時に2作上野で観られるという、最高のシーズンでした。


で、例によって会期末に慌てて美術館に行った訳ですが、個人的には国立西洋美術館で展示されていた、「真珠の首飾りの女」にちょっと衝撃というかより深い感動を覚えました。

絵自体は左の高窓から入る光の中で真珠の首飾りを鏡に見入っている女性が描かれている、なんでもない所作が描かれた絵な訳ですが、作家の主題としては壁の余白の濃淡を通して光を描こうとしているのではないか、、、という気がしました。

人物やその他の室内の小道具の描写もさることながら、美しい光があふれてくるような絵の輝きこそフェルメールの真骨頂、という感じもしました。


建築家はフェルメール好きが多いですが、やはり美しくて穏やかな光のあふれる空間というのは建築家ならずとも魅了されるというものです。






写真は国立西洋美術館の外観。
近代建築の巨匠、ル・コルビュジェ作ということで世界遺産リストに挙がっていますが、落選の憂き目にあっています。

世界中の他のコルビュジェ作品と抱き合わせでの申請なのですが、一部の建物の状態や保存運営が懸念されるための落選、ということで推薦内容を見直して再チャレンジするようです。
国立美術館に限っていうと様々な改変が大きく、彼の作品のオリジナルの良さをとどめていない部分が多い点が残念な気がします。

運営上仕方ない点もあるでしょうが、オリジナルに復元しないと本当の意味での良さがわからないかなと。


とはいえ、世界遺産になれば良いな、と思います。


まだまだ暑いですが、芸術の秋、の話題でした。



2012/09/07

世田谷リノベ4


7月から進行していた世田谷のリノベーションは先日完了しました。



 
 
 
 


同じアングルの写真ですが、 収納ベッドです。上の写真が収納時、下の写真がベッドとしての使用時になります。
スプリングが仕込んであって、思いのほか軽く可動します。








浴室のアップです。

タイルのリズミカルな配列で閉塞的になりがちな浴室の空間に抑揚をつけています。
シャワーは上と中間で吐水を切り替えられるタイプにしています。



今回のプロジェクトは原則的に非公開なのですが、部分的な写真は掲載OK、の許可をお施主さんにいただいた上で載せています。

なので、お見せできる箇所は限られるのですが、色々と凝ったマテリアル+ディテールの仕掛けの一端をお伝えすることができればなと思います。


現在、いくつかのプロジェクトが同時並行で進んでいますが、そのプロセスを含めて今後、お見せしていく予定です。