2009/12/30

RX-78

たぶん今年最後のブログです。

今年も公私にわたり、色々なことがありましたが、自分としてデザイン的なトピックで大きいなあ、という点をちょっと書きます。

タイトルにあるコードナンバーでピンとくる方もいると思いますが、Mobile Suits RX-78 Gundam、早い話ガンダムです。。

今年のGood Design 大賞候補にもなりましたが、実物大のガンダムはかなり自分の中でインパクトがありました。

たぶん、団塊Jr.世代のオトコはだいたい影響を受けているであろう、ガンダム。
我々の少年時代というのはガンプラ=ガンダムのプラモデルをつくることに熱中したものでした。
そして、そういうモノづくりに熱中した体験というのがそのまま長じてオトナになった時に各々の職業に傾ける情熱の中に生きている、ような気がします。

大学の同級生と観に行ったのですが、まさか子供の頃に熱中していたものがこういう形で見られるとは当時思いもしなかったよなあ、と感慨深く話し合ったのでした。

デザイン的にはだいたい鎧甲冑をベースにデフォルメしていると思うのですが、配色がトリコロールカラー(=白、赤、青、黄)になっているところがポイントかと思います。
これは、当時のオモチャとしての売れ線カラー、みたいな商業的な必然があったようなのですが、富野監督が語っているように、実物大のガンダムはこの配色のおかげで兵器のようにみえず、むしろ未来を何か表象しているように見える、と。
新幹線や飛行機、あるいはAsimoが白をベースに配色されている近い感覚で、白というのは余計な意味を持ちにくい、清潔感のある色なのかもしれません。
建築でも、特に建築家は白を好んで使う傾向がありますが、どこか未来的な感覚を含んだ色彩といえるかもしれません。

だからといって、建築とガンダムが直接デザイン的につながる訳ではないのですが、何か自分の記憶の底に沈殿していたものを改めて突き付けられた、という意味で実物大ガンダムというのはインパクトがありました。

そういう意味ではもう少し深く考えた方がいいのかもしれませんが、また整理してから書こうと思います。


それでは、本年も色々な方に色々お世話になりました、来年も良いお年を。






2009/12/26

中目黒リノベーション5

中目黒のリノベーションですが、工事は12月の中旬に完了して、先日撮影も終えました。
水廻りの工事で手直しがあったので、すべての撮影が出来なかったのですが、居室部分の撮影だけはやっていただいたので、先にブログにアップします。



収納兼照明ボックスの中の照明は実はろうそくです。
撮影をした時にちょっとノリで入れてみました。。。
設計段階ではこういうディスプレイボックスとしての使い方を想定していなかったのですが、住むヒトによってはこういう演出もアリかもしれません。

柱梁にはちょっとラメの入ったクロスを使っているので、近くに寄って見ると微細な光を反射しています。こういうマンションの一室だと、とにかく白いクロスで全て覆ってしまうことが一般的には多いですが、構造体の要素を強調して空間が本来持っている幾何学性を強調するのと、ラメの入った仕上を施すことで、時間や天候で移り変わる光の状態を空間の中に反映させることを意図しています。

ごくごくシンプルで小さな部屋ですが、ちょっと変えることで雰囲気は大きく変わります。

先日、事務所のウエブをアップデートしたばかりですが、水廻りとか他の部分の撮影を終えてからまたこのプロジェクトもアップデートしたいと思います。

2009/12/23

ウエブのアップデート

久々にランビアーシ&林アーキテクツのウエブサイトをアップデートしました。
こちら

先日、写真家の黒住直臣さんにお願いして、1日で竣工プロジェクトを3件撮影して回る、、、という強行軍をやらさせていただき、公開可能な写真の準備が整ったためです。

黒住さんとは前職からのお付き合いで、その流れで今回お願いしました。
通常は1日1件、じっくり時間をかけて撮影するものですが、天候や光をあまり気にしなくてよいインテリアの案件のみだったので、朝から晩までお付き合いいただき、都内をぐるりと廻って撮影しました。ありがとうございました。

建築の写真は素人が撮ると画面が歪んだり、ごくわずかな範囲しか撮れないので、多少良い機材を持っていてもなかなか難しいところがあります。
プロの方というのは機材もさることながら、撮る対象をいかに写真として切り取るか、という視点が建築家と違うので、そこが大事であったりします。

我々なりに設計している時に空間のイメージを持っているので、その想像していた視点から撮ってもらうことも大事ですが、写真家が現場を観ながら視点を決めて撮っていただいた写真というのも、出来上がったものを見るとなるほどなあ、という感じがすごくします。

あらたにアップした写真はそういう建築家と写真家のコラボレーションの成果、ともいえる訳ですが、撮影の過程とかを想像しながら(まあ我々は現場でチャチャを入れていただけですが・・・)、見ていただけるとまた違った面白さがあるかもしれませんので、ご高覧いただければ幸いです。

2009/12/22

広告 by Google

ブログの紹介欄の下にグーグルの広告を載せるようにしてみました。

広告の掲載によって小遣い稼ぎを主に狙っている訳ではない、ですが、ブログにどのくらいのビューがあるかを確認することが出来なかったので、サイト・ビューの定量的なデータを得られるように申し込んでみました。

このBloggerというブログサイトはグーグル系のサイトで日本ではポピュラーでないですが、Gmailのアカウントを持っていればはじめられて、手軽だったので選んだわけです。

で、その流れでグーグルの広告が掲載できるようにしたのですが、広告内容はグーグルらしく、書かれている文章の内容やキーワードに応じて最適化された広告が掲載されます。

なので掲載されている広告は建築とかリノベーションとかデザイン系のサイトのもの。


・・・・・これって、商売的にはライバル。。。

まあブログそのものが「ランビアーシ&林アーキテクツ」のプロモーションの一環、だったりする訳ですが、広告を載せることで敵に塩を送るようなもの、、、ともいえる。
一方で「敵」のサイトをクリックしてもらうことではじめて自分の収益になるのでちょっとジレンマな訳です。

ブログで収益をあげよう、などというスケベ心を出さなければ全然問題無いのですが、やるからにはほんのちょっと儲けたい、、、という煩悩は世俗に生きる人間としてムクムク湧いてくる。。。

願わくば、読者の方には広告のクリックだけバンバンしていただいて、最終的な設計のオファーはこちらに、、、などと都合のよいことを考えてしまうのですが、まあウチの事務所のオフィシャル・サイトも同じようにグーグルの広告へ掲載できるようにしているので、おあいこかもしれません。

ということで、しばらく広告が載る状態になると思います。

2009/12/20

東京タワー

先日、芝公園近くの赤羽橋で打合せがあって、久々に東京タワーを間近で見ました。



東京タワーはやはり夜景がキレイです。
昔から東京の不動のランドマークですが、このエリアというのは他に行く用事というのが滅多にないので、東京タワーに行く人はだいたい観光客に限られます。
また東京のカオという点では都庁やらお台場やら六本木ヒルズといった「新参者」に一時的にその座を譲る訳ですが、にもかかわらずいつの間にか復権して、今だにカオとしての存在を維持しつづけている。
エッフェル塔と較べると構造的な優美さがないとか、赤白の縞模様がセンスがない、とか色々減点要素がある、ともいえるのですが、それすらも今となってはレトロな風情をかもしだして味がある、ともいえます。


でも街角で急に東京タワーが見えると、思わずハッと見とれてつい感激してしまいます。
たぶん関東圏外から上京したヒトにとっては、東京タワーと富士山というのはどこか東京に対する憧れの原風景になっている気がします。読んでないですがリリー・フランキーの「東京タワー」もそういう構図があったかと。

なので、地方から出てきて上京して暮らす自分にとってはやっぱりどこかココロの琴線に触れる、ちょっとなつかしくもある特別な存在、といえるのでした。

2009/12/15

中目黒リノベーション4

先週に引き続き、中目黒の現場の様子です。

クローゼットの仕切りとして黒のバーティカル・ブラインドがつきました。



クローゼットと間接照明を兼ねています。ブラインド越しに中のモノが透けて見えて、単なる「見せる収納」とは少し違った、シックな雰囲気を出すように意図しています。

実は工事は週末に完了して、ブログの情報はちょっと後出し状態なのですが、まだ部分的に完成していなかったり、プロの写真家にお願いして撮影してもらったりしたので、また整理してアップしようと思います。

2009/12/09

中目黒リノベーション3

中目黒の現場の様子です。

クローゼットの姿が見えてきました。





ちょうど塗装をしているところです。薄塗りをして木目を生かした仕上になる予定です。
この収納は完全にクローズするよりはむしろ中のものが見えても違和感のないよう、半ばモノを見せる収納としてデザインしています。そういう意味でちょっと書院造りの違い棚的な要素もデザインに含んでいる感じです。


今回の改修では水廻りも部分的に手を入れています。




真ん中に見えているのが化粧鏡の収納棚です。
既製品で良いモノがないか、調べたのですが既製品で照明もついていてかつデザイン的に優れた製品というのがなかなか無い、、、感じでした。
なので、今回は現場で大工さんに製作してもらっています。

ほんとに小さな規模の現場なのですが、週末には完成予定なので楽しみです。


2009/12/06

「巣鴨」の次になりますが、本物の「鴨」の話題です。

最近目黒川に鴨がいます。



どうやら上流と下流で移動しているようですが、冬は中目黒界隈がテリトリーみたいです。


頭あげているトコロを撮ろうと狙ったのですが、水草を食べているのか頭入れたり出したりを繰り返しているので、ブレてます。
止まっている建築を撮る技術は多少訓練しているつもりですが、動いているモノを撮るのは難しいもんです。。。



2009/12/03

巣鴨

12月です。師走です。早いものです。。。

先週、某シンポジウムに参加するため、巣鴨に行ってきました。
開場までちょっと時間があったので、会場近くの「おばあちゃんの原宿」こと巣鴨地蔵通り商店街を散歩してきました。



平日の昼前にもかかわらず、人でいっぱいです。そしてそのニックネームにふさわしく、見事にU-60世代がいない。。。
なんか自分浮いてるなあ、、とか思いつつ商店街を歩いていくととげぬき地蔵尊(=高岩寺というらしい)にたどり着きます。




どうもウエブで調べると、とげぬき地蔵というのは秘仏らしく、ご本尊を見ることは基本的にできないらしいです。で、本堂の傍らにあるのが洗い観音、ということで、こちらも有名な観音様です。洗うことで御利益があるとのことで、洗う人の行列用の見事な鉄柵までが準備してある。休日にはもっとすごい列ができるのでしょう。


境内には出店が何軒も出ていて、すごい賑わっています。R60世代がターゲットなのでしょうか、お守りとかせんべいとか品揃えがとにかく渋い。







で、それらの出店の奥から妙なる音楽が流れています。



 のぞいてみると、








 

 
 
フラダンス by 常磐ハワイアンセンター。
 
 
 
とげぬき地蔵+ハワイアン、夢のコラボ、といったところでしょうか。。。
ありえなさそうでありえる、この組み合わせ。
失礼ながら踊り子の方が抜群に若い訳では、ない。
でも、この空間の平均年齢からすると十分に若い。そして皆さん熱心に観ている。
ピースフルでゆったりとした調子のハワイアンは、意外にこういう場所にマッチする、、、という事実を初めて発見しました。
思えば、お寺の境内と参道というのはそもそも娯楽や市場に供した自由な空間、という機能も従来はあった訳で、そういう文脈からすると、とげぬき地蔵界隈は今も十分にその機能を果たしている、といえます。

 
でも、それでも、自分自身はあと30年くらいは自主的に来ないかも、、、とか思いながら商店街を後にしたのでした。
 
ま、「5分後の世界」ならぬ「5分前の世界」とでもいいましょうか、東京は奥が深いものです。