2020/06/27

日本民藝館

コロナ禍の自粛明けで、博物館・美術館もようやく再開しつつありますが、先日お散歩がてら駒場の日本民藝館へ行ってきました。




1936年の木造でレトロなミュージアム。おそらく10年ぶりくらいの再訪。






大谷石のなまこ壁とお地蔵さん、植栽が調和して独特な和の世界をつくっています。






外観は城郭のようなデザインながら、特定の様式に縛られない「民藝」スタイルとでも言えるような、妙に味のある感じです。






中に入るとシンメトリーの大階段のある吹抜け。
どちらというと西洋古典建築のような構成ですが、あくまでも和様の意匠でまとめられているので、古いけれど古さを感じない、魅力的な建物でした。




もう築80年以上になる建物ですが、キチンと維持されていつ訪れても気持ちの良い木の空間です。




訪れた時は来訪者はさほど多くありませんでしたが、混みすぎずにちょうど良い按配でした。


もともと、住宅街の中にひっそりと佇むミュージアムでしたが、これからも落ち着いてゆったりと過ごせるミュージアムであってほしいなと思います。







2020/06/20

イタリア視察:フィレンツェ2

フィレンツェの2回目はサン・ロレンツォ聖堂のミケランジェロの作品について。



サン・ロレンツォ聖堂はルネサンスの興隆を担ったメディチ家の加護のもとにルネサンス時代に大きく発展した教会です。



教会の正面(ファサード)。ご覧の通り、粗い石組みのままで未完の状態です。
ミケランジェロのデザインによるファサードのデザイン案が残されていますが、資金や
政治的な事情で実現しなかったようです。未完のまま500年近く残っているのもすごい話ですが、、、やはり石造建築の耐久性とメンテナンスに対する不断の努力の結果かもしれません。



この聖堂は様々な用途の複合体になっていますが、その中からミケランジェロに関する部分をご紹介します。




まずはメディチ家礼拝堂にある、新聖具室。









彫像を含めてミケランジェロの作品です。
訪問時は部分的に修復用の足場がかかっていて見づらい箇所もありましたが、素材を限定しつつ建築の厳格なプロポーションと彫像の肉体的な量感が対比的で緊張感のある空間を創り出しています。
この部屋はメディチ家の墓所にあたる訳ですが、墓所にふさわしい静謐な空間を創り上げているなと思います。




そして、サン・ロレンツォ聖堂のもうひとつのミケランジェロ作品、ラウレンツィアーナ図書館。





この図書館で有名なのは閲覧室よりもむしろ前室にある大階段かもしれません。
天井の高い、縦長の空間にオブジェ的でマッシブかつ流麗な階段が鎮座しています。


この階段は建築史の教科書に必ず出てくるような階段ですが、おそらく階段単体をデザインの対象としてきっちりと設計した最初期の代表例なのかもしれません。
実際に見てみると、彫刻的でとても迫力のある階段です。





閲覧室の中もミケランジェロのデザインです。
閲覧台と窓割・列柱が厳格でリズミカルな空間をつくりだしています。


この閲覧室の奥が展示室になっていて、サン・ロレンツォ聖堂の宝物が展示してありました。


現存するミケランジェロの建築作品は数少ないのですが、そのうちの2つを見ることが出来るサン・ロレンツォ聖堂は建築好きにとっては欠かすことの出来ない聖地、とも言えます。


いずれも重要な文化遺産として大切に保存されていますが、保存と利用を上手く両立させながら活かされているように思いました。


日本においても文化遺産の保存と利用はずっと課題になっていますが、建築の場合は立入禁止で外から眺めるしかないような例が多く、残念に思うケースがよくあります。



そういう意味ではイタリアでは保存と利用を両立させながら上手く観光資源として活用している例が多くみられました。
日本でもこうした利用可能な文化遺産がより増えてゆくといいなと思います。










2020/06/12

イタリア視察:フィレンツェ1

コロナ禍もあってレビューがしばらく途切れていましたが、昨年秋のイタリア視察の続編ということでフィレンツェについて。



フィレンツェといえばやはりドゥオモ(大聖堂)がランドマークとして有名です。






外装は白とグリーンの大理石のパターンで華やかな印象です。
グリーンの大理石をここまで多用しているのは珍しい気がしますが、寄木細工のような細やかなパターンが効果的に使われています。









華やかな外装に較べるとインテリアはちょっと地味な印象です。
屋根にはゴシック様式のリブヴォールトの架構がかかっていますが、いろんな時代の意匠が少しづつ積層している感じです。全体的に少し地味なのは、おそらくインテリアの工事に取り掛かった頃にはフィレンツェという都市自体が盛期を過ぎて資金がなかった、、、のかもしれません。

とはいえ、建物のスケールの大きさ、華やかさはルネサンスの花の都と讃えられた時代を想起するのには十分な偉容であるといえます。

二十年前に訪れた時はもっと建物が経年変化で汚れていて、重苦しい印象があったのですが、近年の修復で汚れが除去されて往時の華やかさが戻っていたように見えました。







最後に、この大聖堂のデザインを手掛けたルネサンスの巨匠ブルネレスキのお墓。
ブルネレスキはルネサンス建築の創始者ともいわれる建築家ですが、聖堂の地下に眠っていらっしゃいました。本来は地下で静かな環境のハズですが、すぐ隣がお土産ショップエリアに改装されていて、とても賑わっていました。まあ、どう見ても安らかには眠れない環境(笑、、、に変化していてちょっとかわいそうだなあとは思いましたが、資本主義や観光という産業がもたらした時代の変化を如実に表わしているのかもしれません。




今回のコロナ禍でまた静かな環境が戻っているのでしょうが、、、また聖堂に賑わいが戻ることをブルネレスキもお墓の下で願っている、かもしれません。







2020/06/06

ゆず塩麺

ここ最近は自粛期間中で外出がめっきり減っていることもあり、これまで以上に「食」が大きなトピックというか、関心事になっています。



いつでも行けると思うと逆にお店に足が向かない、というケースもよくある話しですが、いざ行けなくなると無性に食べたくなるお店の味、というのもあるものです。








写真は有名なラーメン屋「AFURI」さんのゆず塩麺。
ゆず塩麺はお店の看板メニューで、澄んだ鶏だしのスープにコシのある細麺とシャキシャキの野菜、ほどよい火加減のあぶりチャーシュー、そしてほのかに香るゆずが見事に調和しています。


そんなお店の看板メニューは、自分にとっては時々どうしても食べたくなる定番の味、でもあります。
こういうハマってしまうような定番の味のあるお店は今後も生き残ってゆくものと思いますが、最近の飲食店の苦境をみるにつけ、こうしたお店が無くなってしまわないように微力ながらも応援できればと思います。

営業再開しているお店もだいぶ増えましたが、まだまだ予断を許さない状況が続いていますので、衛生マナーをキチンと守りつつお店に通いたいものです。





最近、建築の話題が少なめですが(笑、食も大事ということで・・・。











2020/05/30

手押しポンプ

某住宅プロジェクトの敷地調査ということで自転車に乗って恵比寿、白金界隈をウロウロしていたら、路地裏で昔懐かしい、手押しポンプを発見。








何故か道端にはみだして、まだ現役で使われている様子。
しかも白金エリアでまだ現役、というのはちょっと驚きでした。




恵比寿・白金界隈というと、イメージとしてはお洒落で洗練された街並みが延々と続く感じですが、ひとたび路地裏に入り込むと昔ながらの生活感のある下町風情が残っていたりします。


昔から東京に住む方々にとってはこういうギャップは驚きではないのかもしれないですが、上京して生活をしている自分のような人間にとっては、こういうお洒落エリアと下町エリアの混在が東京の魅力のひとつだなあと思います。





写真のような手押しポンプも、エコや災害対応に活用できるツールとして近年再評価されている道具のひとつですが、都心の片隅で、まだまだ現役を続けてほしいものです。