2021/11/29

鎮守の森

 都内で色々な場所に打合せ等で出かけることがありますが、都市化した風景が延々と続く中にひっそりと社寺仏閣とその敷地がエアポケットのように残されていることがあります。




写真は、都立大学にある氷川神社の参道。



住宅街の中に、100m以上はあろうかという細長い参道がひっそりと佇んでいます。

「氷川神社」は都内のあちこちに点在していますが、この神社も末社のひとつなのかと思います。

この参道の先にお社があるのですが、長い参道が残っているのは珍しく、歩いていて気持ちの良い空間でした。



シゴトの合間の散歩だったのであまりゆっくりは出来ませんでしたが、こうした鎮守の森は歩くだけでも良い気分転換になり、なんだかご利益があるような気になるものです。







2021/11/19

デンマーク大使館

 先日、代官山界隈で「猿楽祭り」というイベントがあり、その催しの一環として代官山にあるデンマーク大使館が開放されていました。


デンマーク大使館は建築家・槇文彦さんが設計された傑作、「代官山ヒルサイドテラス」の建築群と同じ通りにありますが、このデンマーク大使館も槇文彦さんが設計されています。


大使館の中は滅多に公開されないのですが、幸運にも見学することができました。



旧山手通りから見た外観。

落ち着いたベージュ系のタイルが北欧っぽいというか、オトナの建築、という感じです。

でもよくよく見てみると、デンマークの国旗=偏心した十字形に似ているような。

改めて写真を撮ってみて気づきましたが、ちょっと意識しているのかもしれません。




中庭にはテントが張られており、環境大国らしくSDGs関連の展示や食べ物の販売、LEGOブロックのイベント等で賑わっていました。


テントを張って、大胆に半外部の空間にする方法がオシャレかつエコな感じがします。




内部の階段。

槇さんらしい、エレガントで昇りたくなるような階段です。木で仕上げてあるのが北欧らしく、上の障子のような高窓もあいまって柔らかさを感じます。




内部の家具、調度品はほぼ全てデンマーク製品でそろえられています。

手前の籐製の座面の椅子はポール・ケアホルムの名作、PK22ではないかと思います。

デザイナーなら誰でも知っているようなプロダクトがさりげなく置かれていて、そういうところも見どころのひとつでした。




きれいにテーブルコーディネートされたダイニング。

シンプルですが、エレガントさを感じるところが北欧的だし、さすが大使館だなあと思います。




敷地の奥には中庭があり、緑豊かな風情のある風景が拡がっていました。

東京とは思えないような、静かで余裕のある空間の使い方ですが、こういうところで働いてみたいものです。



総じて、控えめな意匠と北欧らしい細やかなインテリアや調度品のアレンジで、デンマーク気分を味わうことが出来ました。


時々、大使館関連のイベントや何らかの用事があって、各国大使館の中に入る機会があったりするものですが、やはり一歩入るとそこは外国、、、という感じで、それぞれにある個性は興味深いものがあります。


その中でもデンマーク大使館は建築的にも中のコンテンツもとても良質なものになっていて、色々と堪能しながら見学することが出来ました。



今回は残念ながら昼食直後に行ったので飲食を断念したのですが、また機会があれば中に入ってカールスバーグやデンマーク風ホットドッグを堪能したい、、、ものです。






2021/11/15

府中:上棟

 府中の二世帯住宅は先日無事に上棟しました。



道路から見たところ。
少し小ぶりに見えますが、実際には奥行きがかなりある敷地なので、道路からの見た目以上に大きな住宅です。






2階世帯のリビング。上部に小屋裏収納スペースがありその分天井が高くなっています。
天井が高いと開放感があって面積以上に広く感じられます。





屋根面を撮ったところ。
高所恐怖症気味なので(笑、、、近くの足場にしっかりつかまって、やっとの思いで撮りました。




中庭部分を見たところ。

4m角くらいの広さがあり、都市住宅としては広めの中庭です。


奥行きの長い敷地でも中庭があると日当たりや居住性がかなり改善されます。


京都の町家をはじめ、昔から使われている手法ですが、現代においても有効な手法だと思います。




上棟は通常1日くらいで建込みを完了しますが、基礎の段階までは平面的だったのがいきなり立体として立ち上がってくるので、工事においても最も劇的な工程だなあといつも思います。



ここから竣工まで、まだまだ先は長い、、、のですが、引き続き丁寧なものづくりを

すべく、現場の皆さんと共に尽力しているところです。




2021/11/07

ピェンロー鍋

 気づけば鍋の美味しい季節になりました。


定番のお鍋もいいものですが、ここ最近はネットで簡単に色々な種類のお鍋のレシピを参照できるので、新なレシピにチャレンジしてみました。


先日つくったのは「ピェンロー鍋」。






しいたけと昆布でだしを取って、白菜、豚バラ肉、鶏肉、春雨を入れてじっくり煮込み、最後にゴマ油をかけていただくお鍋です。


もとは中国由来のお鍋らしいですが、舞台美術家の妹尾河童さんが著書の中で紹介してだんだんと広まったらしいです。


ゴマ油と椎茸のだしが滋味深い味で、また野菜が多いのでヘルシーに食べられます。




実は随分昔、旧職のアトリエ事務所では夕食をスタッフ全員で食べる習慣があり、一度だけこの鍋とおぼしきゴマ油と春雨の入った鍋を皆で食べたことがありました。


その時の鍋がピェンロー鍋であったか定かではありませんが、、、ゴマ油をかけたお鍋というのはそれまで食べたことが無く、ちょっと記憶に残っていました。そして、ネットで見つけたゴマ油と春雨の鍋の写真を見つけて妙になつかしく感じ、ちょっと挑戦してみた次第です。



ふだんの料理というのはどうしてもパターン化してしまうものですが、たまに定番を外すと新しい味やなつかしい味があるものだなあとつくづく思います。




そしてこれはジャンルを問わず言えることかもしれませんが、定番から新しい世界にちょっとチャレンジして知見を広げるのは、人生を豊かにする上でも大事だなあ、、、とも思います。





そんなことをちょっぴり考えつつ、、、ピェンロー鍋に舌鼓を打った味覚の秋の夜でした。