2010/05/30

人形町


大学の友人が東京に転勤になって、小伝馬町に住みだした、ということで普段あまり行かない日本橋界隈のエリアに遊びに行ってきました。

東東京エリアというと下町とか江戸っ子風情が残る街、という印象が強いですが、最近はCETエリア=Central East of Tokyoとかいうことでデザイン・建築関係でもその潜在的なポテンシャルの高さに注目する動きがここ数年出てきています。

金曜の夜、ということで人形町に飲みに行ったのですが、昔ながらの渋い店と新たにつくられたバルだのビストロだのが混在するエリアになっていてなかなか開拓しがいのありそうな、いい感じの場所になっています。

で、行ったお店は渋い和食系を選びました、やっぱりそのエリアらしいお店に行きたいものです。



魚料理、山葵(わさび)。店名からして渋い。





穴子、かつお、いなだ。
名札がちゃんとついているところがグー。

お刺身の味は流石でした。

お店は20席くらいの小さなお店でしたが、オヤジ率がかなり高い(自分も含めてですが・・。)

昼メシでもそうですが、だいたいオヤジ率が高い店というのは若干単価が高くともウマくて渋い店が多いです。特に和食系のお店に対するオヤジの嗅覚というのはすさまじい。

なので、オヤジで賑わっているお店は当たりだなあ、と思う。
旅先や出先などの知らない土地で美味しいお店を選ぶ嗅覚というのは大事です。だいたい佇まいや雰囲気で判断するものですが、客層もひとつの基準になるかと。

あと、今回は食べログの検索で見つけた訳ですが、ネット上で検索して良い店を見つけるスキル、というのも大事だなあ、と思います。

ネットの情報というのは良い部分のみを切り取っていることも多分にあるので、なかなか難しいのですが、検索するスキルの精度を高める、というのは美味しい飲食店を探すのに限らず、現代社会で生活しシゴトする上で重要な技術です。自分の行動範囲を拡張するといいますか、生活やシゴトの質を向上させる上で不可欠になっているものだと思う。


で、山葵は人形町の甘酒横丁に立地するのですが、横丁とか人形とか甘酒とか、ちょっと下町っぽい風情を感じさせる言葉の並びに江戸の奥深さを感じて、ちょっとグッと、来ます。

スカイツリーも出来るし、CETエリアはこれからもっと面白くなりそうです。

2010/05/27

音楽の学校

テレビは最近あんまり観ないのですが、たまに面白い番組というのはあります。

そのひとつが「音楽の学校」。
NHK教育の番組ですが、坂本龍一と各回のゲストが音楽をテーマごとに歴史をひもといて、分析をし、中高生と一緒にワークショップをやっていく、という内容です。

ここ数回はジャズをテーマにやっているのですが、山下洋輔をゲスト講師にしてやってます。

各回のテーマ(たとえばスイングジャズとかモードジャズとか)の音楽的な方法論を掘り下げていくのですが、普段そういう音楽的な構造というのをあんまり理解しないで聴いているので、そういう方法論や歴史的背景というのを解説してくれるとなるほどなあ、という感じがします。

で、そういう方法論をもとにワークショップで中高生が楽器を使って実践していく訳ですが、その方法を応用していくことでそれらしい音楽が出来上がっていく過程というのが面白い。

先回はフリージャズがテーマだったのですが、最後は坂本龍一や山下洋輔も即興で参加したりして、盛り上がった演奏になってました。

音楽ってこうして出来上がっていくのだなあ、と。

だいたい小学校の頃から音楽より美術が得意で、その延長で今の職業についているようなものですが、クリエイションとしての音楽への興味というか憧れ、みたいなものはずっとある。

音楽の快楽というのは文化的背景に根差した側面もある訳ですが、何故にある音の組み合わせによる連なりを心地よく感じるのか、ということに対してはあまり理論的な根拠はありません。
建築というのは理詰めで組み立てていく部分も多分にあるため、音楽のように感覚的な要素の比重が高い創造物に対する憧れは余計に出てくる気がします。

で、そういう風に感覚的な比重が高い、としか受け取っていなかったものの構造をわかりやすく明らかにする試み、というのは今までマス・メディアでは無かったし、新鮮な感じがします。

一見すごい地味な番組で、民放だったら出来ないような企画かもしれませんが、さすが国営放送、地味なりに充実したコンテンツになっています。



音楽好きにはおススメの番組です。

2010/05/21

TELL opening party


昨日は竣工したTELL=東京英語いのちの電話の引っ越しお披露目パーティーに行きました。

基本的にパーティーとかは苦手な方で、更にハンパな英会話力なのでちょっとプレッシャーだったのですが、、、それなりに楽しめました。

TELLはNPO法人ですが、30年以上の歴史があります。
支援しているヒトは主に英語圏の国出身で東京に在住している方々で、そうした人達の寄付やボランティアによる運営で成り立っています。
だいたい英語圏の国々(=米英豪中心でしょうか)は経済的・社会的に成功している人々が寄付という形で社会貢献をする、という伝統がある訳ですが、TELLという団体が30年以上の長きに渡って日本で活動できたのはこうした伝統が連綿と受け継がれてきた結果、といえます。

で、パーティーにはそうやってTELLを支援している人々=それなりに偉い人が来るらしい、というのを薄々聞いていたので、そういうヒトと会うことで我々のジムショの営業になるかなあ、、、とかジムさんと事前に話をして、ちょっとスケベ心を出していた訳です。

そしたら来てました、偉い人。
某国大使とか、皇族出の某婦人とか。。。


・・・・ちょっと偉すぎて営業なんぞ恐れ多くて出来ん、、、というのがまあ結論になるのですが、ハイソな人間模様を垣間見れたのは良かったなと。

やっぱり東京の中の異国、といいますか、かなり違う世界が広がっているものだなあと改めて思った次第です。





写真はミーティングルームのカウンターに並べられたお料理。
右はケータリングサービスのスタッフのヒトです。

ヒトの顔がもろに入らないよう、遠慮がちに撮ったのですが、やっぱり建築というのは使われることで生き生きとしてくるものです。


で、我々もほんとに少額ながら寄付をしましたが、異国において母国語で相談できるサービスというのは、自分の海外での経験からいっても大変ありがたいものです。今後もTELLを継続して支援していきたいなと思います。

2010/05/18

写真のアップ

先日撮影していただいた「TELL」と「桜丘UM邸2」の竣工写真をHPにアップしました。(こちら

ご覧いただければ幸いです。


我々の事務所のプロジェクトは形や色が割とポップなところが特徴と思っています。

日本の現代建築というのは禁欲的でミニマム、モノクロームもしくは木などの素材そのままの色彩、というのがおおざっぱに共通した特徴なのですが、そのあたりのデザイン的な傾向に捉われないようにすることは意識しています。

上記は建物が「建築家の作品」らしくなる方法の一例、ともいえるわけですが、そうした規則を課すことで捨てられてしまうかもしれない、規則の外側にある可能性を模索したい、という気持ちがあります。
あとは、建築をよく知らない一般の方に対してもデザインの魅力が共有できるかどうか、という点を考えると、禁欲的でカッコいいモノ、ではなくてポップでカワイイもの、の方が実は有効な場合もあるのではないか、ということを思っています。

今回HPにアップした2つのプロジェクトはそういう考えを背景につくられています。
もっとも、つくっている時から理詰めで考えている訳でもないのですが、改めて写真という媒体を通して、出来あがったものを見て考えを整理するとそういうことかな、と思う訳です。

まあ、建築というのは理詰めでつくっていける部分も多分にありますが、言語化しにくい感覚的な要素というのも多々入っていて、例えばある部分の色を特定の色に決定した理由に完全に理論化できる要因というのは無かったりします。

そういう感覚的なあいまいさを含んでいるところが、つくり手側からみた建築の魅力かもしれません。

ということで、またこれからもがんばっていきたいなあ、と完成したモノを見ながら改めて思う次第です。

2010/05/16

コルドバ

旧HPで掲載していたスペイン旅行シリーズの再掲です。

アップロードが止まっていたので久々にアップしました。
旅行に行ったのが昨年の1月なので、もう一年以上経ちますが・・・。

やっぱり海外の写真というのは「ブログ映え」しますね・・・。

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スペイン旅行の続きです。セビーリャから鉄道でコルドバへ。


コルドバは、これも世界遺産のメスキータ(=スペイン語でモスク)の見学が目的。

現在はキリスト教会として現役で使用されているのですが、イスラム時代から数度にわたる増築を重ねた列柱とアーチによる内部空間は圧巻です。

  




スペインのイスラム遺構全般にいえるようですが、内部に比べて外観は素気ない石積みです。その分、内部の壮麗さが引立つ印象です。外敵に対する防御としての意味合いからこうした閉鎖的な外観になっているのかもしれません。






また内部には各時代の建築要素が散りばめられていて、またところどころにある天窓からの光が迷宮的な内部空間にアクセントを与えています。






メスキータの廻りの市街地は昔のユダヤ人街で、往時の面影が残されています。

だいたいが土産物屋さんか、飲食店、ホテルになっているのは日本の観光地と変わらない光景、ともいえますが、それでも住居として使用されているものも多々あり、組積造建築の持続性は日本人にはなかなか想像がつかない点があります。




   

下の写真はアルカサスのホールの座席で眠る猫。ここの主なのか、座面のクッションが爪で破られています。トラ縞模様ですが、心なしか日本猫離れしているような・・・。







次にホテルの写真を。ホテルは中庭型のプランで、行った時は朝食用のホールになっていました。観光シーズンから外れていたので、お客さんががあまりいませんでした。ちょっぴりさみしい雰囲気。







そして最後にホテルの部屋からの眺め。夜中に目が覚めると、メスキータの塔の傍らに満月がぽっかりと浮かんでいました。多分数百年は変わらない風景のはずで、とても神秘的な眺めで、不思議な気持ちになった夜でした。

2010/05/13

夜霧の東京タワー 

最近、シゴトで赤羽橋に行くことが多いのですが、彼の地は東京タワーがよく見えます。











尖端部が霧というか、雨雲の中に隠れてかつライトアップの光が周囲の雲に反射してなかなか幻想的です。写真の上に見えているのは傘です。雨が降っている感じがわかるかなあと思って入れてみました。


最近はタワーといえば333m=東京タワーの高さを超えた東京スカイツリーに話題を持っていかれていますが、東京タワーもがんばってほしいものです。

なんとなく昭和レトロの象徴的存在になりつつありますが、そういう意味からも将来的に重要文化財として当確、な気がします。

ちなみに本日のタイトル、「夜霧の東京タワー」もそんなレトロ風味からきてます。
演歌っぽいといいますか・・・。「夜霧」と「東京タワー」という単語の組み合わせは妙に哀愁を醸し出します。そして演歌をアタマの中で流しながら写真を今一度見ると、なんだか違った景色に見えてきます。


最愛の女と別れた男が、雨の東京を彷徨いながらふと空を見上げると東京タワーが霞んで見える。

・・・これは夜霧か、、、それとも涙か? ・・・・・みたいな。





・・・・ま、写真だけだとつまらないので、ちょっと妄想入れてみました。

2010/05/10

地震

日曜の昼間に地震がありました。

震度3くらいだったらしいですが、タテ揺れでドン、ときておしまい、みたいな感じでした。
ちょうど家で昼ごはんをつくっていたのですが、外の駐車場かなにかで事故でもあったのかなあ、とか思っていたら地震だったと。

ウチの家はコンクリート造の古いマンションなので、現行の耐震基準を満たしているかどうか怪しい、、、ですが、室内に太い柱梁がドカドカと入っているので意外に丈夫かも、と思ったりしてます。

構造設計者のヒトに聞いたところでは構造強度の計算をする際に計算に入れていない要素(たとえば間仕切壁とか)というのはけっこういっぱいあるので、計算を満たしていなくても倒壊するかどうかは簡単に判断できない側面もある、ということらしいです。
要は構造計算というのはある程度単純にモデル化したものをもとに計算しているので、実際の建物のより複雑な要素を含め合わせると現実に起きていることはもっと複雑でモデルのように行かない可能性も大いにある、ということみたいです。

そんな話も聞いていたので、ウチのマンションは大丈夫だろう、と余計に思っている訳です。


で、家の中を見ると特に家の中の家具調度品の類いが倒れていることもなかったので、外出しようとしたのですが、建てつけが悪くていつも開け閉めに苦労する玄関の扉がスムースに軽くなっている・・・!。

つまりタテ揺れのドン!、で建具の歪みが矯正されてより正常に動くようになったらしいのです。。。

大地震で建具が歪んで扉が開かなくなった、という話はよく聞きますが、逆のパターンもあるんですね。

ちょっとラッキー♪、とか思ってしまった日曜昼下がりの地震、でした。

ま、大地震は怖いですが。。。

2010/05/05

TELL見学会

HPの方に詳しい情報を掲載していますが、TELLオフィスの見学会を開催します。


通常、引き渡しまでの期間が短かったり、個人宅だったりするので竣工したプロジェクトの見学会を開催できる機会というのはなかなか無いのですが、今回は幸いなことに見学会を開催することができました。


再度プロジェクトの概要を説明しますと、TELL=Tokyo English Life Line、東京英語いのちの電話というNPO法人のオフィスのインテリアです。TELLはその名前のとおり、英語を主言語として東京もしくは日本で生活している方が日本で困った時に色々と相談、カウンセリングをしてくれる団体です。

歴史はそれなりに長いようで、同じ南青山の近くにオフィスがあるのですが、もともと住宅の建物を利用しているので不便、ということで今回移転ということになったようです。

TELLのHPにも引越しのアナウンスが出ていますね。



見学に関して基本的に制限等はありませんので、興味のある方は是非お越し下さい。

2010/05/01

竣工写真2発

今週は桜丘とTELLの竣工写真の撮影でした。

今回も前職からのお付き合いのある黒住さんに撮っていただきました。

だいたい完成するとすぐにお施主さんに引き渡しするので、設計者は意外に完成後の様子というのをじっくり味わう機会というのが無いのですが、両方とも半日くらいずっと撮影に立ち会ったおかげで竣工したものをゆっくり見ることが出来ました。







写真はTELLの待合室です。来週末に見学会を開催します。
なかなか我々のようなシロウトだと空間の雰囲気を伝えるのが難しいなあ、と思うのですが、実際に見ていただくとより面白みがわかるかなと思います。






そしてTELLのオフィスを撮影中の黒住さんの勇姿。


・・・・って、勝手にブログに載せちゃってますが。。。


昔は建築の写真というと中判の大型カメラで撮影していましたが、最近は結局ウエブとかデジタルの媒体に載せるので、デジカメで撮影することが多いようです。

近々にオフィシャルHPに竣工写真を掲載できると思います。
楽しみです。