2011/03/31

震災について諸々4。

今回はちょっと専門的なお話しになりますが、既存建物の耐震性の基礎的な知識について書きます。


法規的には建築基準法の大幅な改正のあった昭和56年(1981年)以降、耐震に関する規定が強化されており、築年が81年以前か以降により法定上の耐震性能の設定が大きく異なります。1981年施行の耐震設計法では中規模地震(震度5程度)では軽微な損傷、大規模地震(震度6強から7程度)でも倒壊は免れる強さとすることが義務付けられています。この基準施行前の81年以前の建築物では中規模地震で倒壊しない程度の基準が定められていました。そのため、築年がこれ以前の建物については現行法規上の耐震性を満たしておらず、今回のような大地震では危険度が高いということになります。では一律に古い建物が非常に危険かというと、その建築物の設計計画内容、施工状態、維持管理状態により度合いが大きく異なると考えられます。築年については大まかな目安としてとらえ、実際の危険度は耐震診断の専門家(=耐震診断に特化しているエンジニアやコンサルタント)に調査・判定をしてもらうことが必要です。

各地方自治体では耐震診断の専門家の紹介を行っているケースが多いので、特に戸建住宅の場合は、各自治体にお問い合わせするのが良いと思います。

また木造戸建住宅の場合に限りますが、危険度を本当にざっくり把握する方法として平面図(間取り図でも可)の壁の部分を黒塗りしてみて、その配分の加減で判断する方法があります。黒塗り部分が平面全体にまんべんなくバランスよくあったとすれば、構造的な壁量が充足していて、バランスが取れていると考えられます。逆に黒塗り部分が少ない箇所や全体に偏りがある場合は何がしかの構造的な脆弱性がある潜んでいる可能性が考えられますので、耐震診断についてご検討されることをお薦めします。



以上、耐震性について基礎的なお話しでした。



ところで、ジムショの前の目黒川では、サクラも咲き始めています。



また新しい春が来る季節です。




2011/03/30

震災について諸々3。

ちょっと他のHPにあったリンクからの引用になってしまうのですが、
被災地での医療活動に従事した、ある看護師さんのブログについてリンクです。

http://blog.goo.ne.jp/flower-wing



だんだんと、被災地に関する報道は減りつつありますが、他者に対する想像力を欠落してはいけないと思います。

2011/03/28

震災について諸々2。

先週は中国出張でした。

海外に出るとどうしても情報源がしぼられてしまうものですが、情報が限られるとかえって不安になったりします。

で、なんとなく不安に思いながら昨日成田から東京に戻ってみると、拍子抜けするくらいに落ち着いた日常が拡がっていたりします。

結局何事でもそうですが、あるリスクがあった場合、個人の持つ価値基準に照らしてその度合いを判断して行動するしかないものです。

経験したことのあるリスクに対してはある程度判断可能ですが、経験したことの無いリスクの場合は基準を自分で設定できない為に、過剰に厳しくなったり逆に甘く見すぎることもあり得ます。

なので正確な情報を集めていかに分析し、行動するかが問われる訳ですが、正確な情報の見極めというのはなかなか難しかったりします。
やはり個々人の行動というのは廻りの人達の情緒的な部分に大きく影響を受けるので、廻りの人達の行動や言動が一番大きな情報のひとつかもしれません。

そういう意味ではやはり独りだと不安に思うでしょうし、廻りに落ち着いた信頼できるヒトがいれば安心できるものだとも思います。
その点からすると、なるだけ落ち着いて冷静な行動ができるヒトと一緒に行動したいし、自分としてもそういうヒトとして行動できればなあと思います。

少なくともパニックの発信源にはならないように心がけながら、かつ最悪の場合も想定した準備をしつつ日常生活を送る、というのが今の首都圏で生活し仕事をするにあたって大事かもしれません。

そんな訳でしばらく様々な不安要素がありそうですが、我々の事務所はおおむね普段通りに業務をこなしているところです。

負けないように折れないように、柔らかくがんばりましょう。

2011/03/15

震災について諸々。

まだまだ予断を許さない、混乱した状況が続いていますが、計画停電や生活物資の不足といった首都圏で直面している状況は、ポジティブにとらえるとエコ社会にシフトする為の良い契機となるかもしれません。

今日の夜の街中は照明がだいぶ落ちて暗くなっていましたが、本当に必要な、機能的な部分が失われている訳ではなかったので、今後、無駄な部分をそぎ落とすことは可能かなと思いました。

自分達の生活についても照明や空調のムダな部分をそぎ落とすことは出来るかもしれません。
一般家庭の世帯あたりの電力消費量は80年代初頭の1.5倍程度で推移しているようですが、いつの間にやら使用する量が多くなっている感はあります。

そういう意味で生活の在り方を全体的にとらえなおすには良い機会と思います。


あとは余震への対策も引き続き必要となってくる訳ですが、先回書いたように背の高い書棚とかはかなり危険度が高いといえます。
突っ張り棒等々の防護金具をつけることも有効な手段ですが、棚の上部に軽い書籍や小物、下部に重い大型書籍等を配することも、ある程度ですが、簡単で有効な手段と思います。ジムショの書棚に大きな散乱が無かったのはそういう配列になっていたからでないかと。
背の高い家具は置かなかったり、造りつけの家具とするのがもっと有効と思いますが、日本の住宅事情を考慮するとなかなか困難なトコロもあります。

地震とか自然災害はリスクを完全に取り除くことはできないでしょうが、リスクを減らすことは身の廻りの小さなことでも出来ることはあると思います。

いずれにしても普通に生活できる我々が今出来ることを色々考えて行動することが大事と思います。


最後に亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆様方にお見舞い申し上げます。

2011/03/12

余震

ご存知のとおり、今回の東北太平洋地震は過去に経験したことの無い大きさ、広さで起こっているようです。

東京でもまだ余震が時折起こっていますが、今後しばらくはこういう状態が続くそうです。
もしかするとより大きな余震が起こる可能性もありえる気がします。

皆様におかれましては家具の転倒防止や防災用品の準備など、十分な対策をご準備ください。


・・・・と自分も準備が必要なのですが。



建築家は構造耐力の設計などによる建物への予防対策はできるのですが、こと我が身となると意外に無防備、だったりします・・・。

今日も本棚の上の模型が滑り落ちてきたのをスライディングキャッチ、したりしてジムショでアワアワしていたのです・・・。しかも本棚は資料がギッシリ、だったりするので震度6,7クラスだとおおかたの建築事務所はかなり危険、かもしれません。

ともあれ、被災された方をはじめ、皆様のご無事を祈念しております。

2011/03/09

防寒


だいぶ春っぽい暖かい日もちらほらありますが、公園でこんなコドモを見かけました。











毛糸の帽子にマフラー。


誰かが気をつかったのか、暖かそうです。
こういう風景を見かけるとココロもちょっと温まります。



春はもうすぐ、です。

2011/03/03

PKN Tokyo Vol.80

先日告知しましたペチャクチャ・ナイトでのプレゼンテーションの様子です。









なんだかカラオケのデュエットで拍手喝采を浴びている、みたいな絵になってますが、、、和英バイリンガルでマジメに作品の解説をしているところです。

おかげさまで、良いプレゼンテーションが出来たかなと思います。



クラインさんダイサムさんはじめ、ご関係の皆様やご来場いただいた皆様、ありがとうございました。