2011/08/02

Skytree

先日、和紙メーカーのKamismさんの押上にあるショールーム兼工房に見学にお邪魔してきたのですが、スカイツリーが近くにあったので、帰り際にちょっとのぞいてみました。





634m。
333mの東京タワーのほぼ倍近い高さです。

ただ、近くで見上げても600mの高さをあんまり実感しない感じです。
たぶん廻りに比較の対象になる高層建築物があまり無いこととか関係しているかもしれません。

むしろ遠景から見た方が異様に目立つので高さを実感できる感じはします。
六本木ヒルズもそうですが、意外なところからはっきり見えたりするので、そういう時に、あーやっぱり高いんだなコレ、とか思います。

ちなみに先日NHKでスカイツリーの工事現場のドキュメントをやっていましたが、アンテナ部分にあたる頂部の「ゲイン塔」といわれる長さ165mの部分は、軸のブレが2cm以内に納まっているそうです。これは普通の2階建ての建物でいえばブレが0.3mmしかない、、、ということで普通の建築の精度をはるかに超えています。

普通の建築はだいたい10-20mmくらいの水平垂直の施工誤差は見越してつくられているので、スカイツリーというのは建築というより精密機械並みの精度かと。


NHKの番組では最終的な軸のブレの許容範囲について協議している設計者の日建設計と大林組の施工部隊の担当の方との打合せの様子も放映していました。

設計:「軸のブレ6cm以内が許容範囲です」
施工:「・・・・最終的に6cmの誤差を超えたらどうなりますかね?」
設計:「つくりなおしでしょ。」
施工「・・・わはは(苦笑。」

まあ、設計者にとっては妙にリアリティがあるというか、身につまされる、ようなやりとりでした。。。
設計監理者というのは工事が適正に行われていて、設計の想定通りに出来ているかをチェックする役割になる訳ですが、「つくりなおし」というのは究極のダメ出しで、なかなかサラッと言えるものでもありません。。。

自分達と相手の実力を見越した上での駆け引き、ともいえるのですが、最終的に2cm以内のブレに納めた大林組の施工能力というのも大したもんだなあ、とか思ってしまいます。
その分の労力とコストを惜しまなくてよい条件が整っているからこそ出来るのでしょうが、やっぱり尋常でない努力の結晶でつくられている、というのはよくわかります。

もし自分が現場で「大工さん、ここの精度は0.3mm以内ねっ!。」と言うたら、次の瞬間パンチを食らっているでしょう・・・。



まあ、たまにはみんながワクワクする建築というのもいいものです。