2011/07/26

Klee Cup

先日、東京国立近代美術館で開催中のクレー展に行ってきました。


クレーのような外タレ(というかわかりませんが・・・)系の企画モノの展覧会には、名作・代表作を一堂に集めた形式か、ドローイングやデッサン等も含めて数多く展示してその作家の創作のエッセンスを掘り下げる形式のものがありますが、今回の展覧会は後者でした。

なので、クレーの多彩な創作の方法を学習して、作家に対する理解を深めるという意味ではいい展覧会でしたが、マスターピースを堪能したい向きにはやや消化不良な感じがあった気がします。

にしてもクレーの絵は、コドモの落書きのような奔放であふれるイメージを簡潔な線と色に定着させて自由な世界をつくりあげているところに醍醐味があるのですが、一方で全作品に番号をつけて管理していたり、自らの肖像写真の中の小物に至るまで緻密に計算して写真を撮らせていたり、とかなり偏執的なマメ人間だったみたいで、その対極的な2つの人間性がからみあって彼の芸術の魅力が生まれているのであろうと思います。




で、企画展のお楽しみはミュージアムグッズだったりするのですが、だいたいが「数量限定」とか「展覧会限定」とかプレミアム感満載で、グッズ好きのココロをこれでもかと揺さぶります。。。







ということでグラグラ揺さぶられた結果、今回の展覧会のメイン、「花ひらいて」という作品のマグカップを購入してみました。

普通にありそうな、カワイイ柄のカップです。
バウハウスの教官だったからか、こういう日用品に使われても何の違和感もないところがクレーの絵のいいトコロだなあ、と思います。

まあ、これで頻繁に使うわけでもないカップがまた一個増えた、、、のですが、日常の中にアートの要素がちょっと入り込むだけでも心持ちがゼイタクになれる、というものです。


ちなみに、帰り際に常設展ものぞいてみたのですが、こちらは美術の教科書に掲載されていたあれやコレ、といった名作がゴロゴロしています。。。
さすが国立、いいもの揃えているなあと感嘆しましたが、お客さん少なめ、、、だったので、ちょっともったいない感じもしました。



休日の半日、美術館で楽しめる日常というのは、のんびりしていていいものです。