2020/06/12

イタリア視察:フィレンツェ1

コロナ禍もあってレビューがしばらく途切れていましたが、昨年秋のイタリア視察の続編ということでフィレンツェについて。



フィレンツェといえばやはりドゥオモ(大聖堂)がランドマークとして有名です。






外装は白とグリーンの大理石のパターンで華やかな印象です。
グリーンの大理石をここまで多用しているのは珍しい気がしますが、寄木細工のような細やかなパターンが効果的に使われています。









華やかな外装に較べるとインテリアはちょっと地味な印象です。
屋根にはゴシック様式のリブヴォールトの架構がかかっていますが、いろんな時代の意匠が少しづつ積層している感じです。全体的に少し地味なのは、おそらくインテリアの工事に取り掛かった頃にはフィレンツェという都市自体が盛期を過ぎて資金がなかった、、、のかもしれません。

とはいえ、建物のスケールの大きさ、華やかさはルネサンスの花の都と讃えられた時代を想起するのには十分な偉容であるといえます。

二十年前に訪れた時はもっと建物が経年変化で汚れていて、重苦しい印象があったのですが、近年の修復で汚れが除去されて往時の華やかさが戻っていたように見えました。







最後に、この大聖堂のデザインを手掛けたルネサンスの巨匠ブルネレスキのお墓。
ブルネレスキはルネサンス建築の創始者ともいわれる建築家ですが、聖堂の地下に眠っていらっしゃいました。本来は地下で静かな環境のハズですが、すぐ隣がお土産ショップエリアに改装されていて、とても賑わっていました。まあ、どう見ても安らかには眠れない環境(笑、、、に変化していてちょっとかわいそうだなあとは思いましたが、資本主義や観光という産業がもたらした時代の変化を如実に表わしているのかもしれません。




今回のコロナ禍でまた静かな環境が戻っているのでしょうが、、、また聖堂に賑わいが戻ることをブルネレスキもお墓の下で願っている、かもしれません。