2020/03/03

断熱工事:九品仏

不定期でアップしている、九品仏の現場のレビューです。
今回は断熱工事の様子です。

こちらの住宅も高気密・高断熱仕様にしているので、断熱工事が重要な工事のひとつとなります。



内部の一般的な壁面の施工状況。
見え掛かりとしては普通のグラスウールとほとんど変わりません。
今回使用したのは旭ファイバーグラスのアクリネクストという製品です。
グラスウールにも密度によって断熱のグレードがあり、密度が高ければ同じ厚みでも断熱の性能があがります。今回使用したアクリネクストは、一般的な住宅でよく使用される100ミリ程度の厚みになりますが、密度が高くて高性能なのと端部にビニルのミミがついているので気密の施工がしやすい点が特徴です。
写真ではグラスウールの間の間柱もビニルで覆われていますが、このように隙間なく全体を覆うことで気密性を確保します。ただ、床や天井の切り替わり部分や窓廻り等の気密性をより確実にする為、今回の工事ではこの上から更に気密シートを張っています。






こちらの写真は斜めになった壁面の施工状況です。グラスウールのズレ防止とボード施工の為に桟木を入れており、梁や桟木の間にあるグラスウールの上から薄いピンクの気密シートを一面に張っています。壁、天井にまんべんなく気密シートを張ることで、内外の漏気が発生することを防止します。







こちらは外部の壁面の断熱です。
一面に張ってある黄色い面材が断熱材ですが、外部は厚さ30ミリ程度の硬質な断熱材を張り込んでいます。外部側の断熱材は付加断熱といって、補助的な断熱材になります。外部をまんべんなく断熱材で覆うことで、柱や梁等の断熱材で覆うことが出来ない部分も補足的に断熱します。これにより部分的に伝播される外部の熱を遮断し、全体的な断熱の性能をあげる訳です。



付加断熱は寒冷地以外のエリアではまだ一般的な構法ではありませんが、壁の厚さもそれほど通常の在来工法の建物と変わらないので、省エネ基準の厳格化に伴って今後普及してゆくのではないかと思います。






断熱材の写真の絵面は大変地味なものですが、、、エコ仕様の重要な部分を占めていますので工事の記録と解説の意味合いを含め、掲載しました。