2019/11/06

イタリア視察:ローマその1

先日、久々の視察旅行ということでイタリアに行ってきました。
古典建築を中心とした建築物の視察と、実益を兼ねてホテルとレストランのインテリアの見学が主な目的でしたが、ここしばらくはその様子をユルユルとレビューしたいと思います。


では、まずはローマから。


イタリアには1998年の夏に行ったことがあるのですが、それから早や20年以上経過しており、今回は久々の2度目の探訪でした。


まず、ローマの古典建築といえばコロッセオ。




前回の訪問時には時間切れで中に入れなかったのですが、今回ようやく見学することが出来ました。

コロッセオは竣工したのがAD80年でほぼ2000年前の建築物ですが、相応に荒廃しているものの往時の姿をしのぶには十分な遺構です。


上の写真は、フォロ・ロマーノというローマの街並みの遺構がある丘の上から眺めたコロッセオの全景。




 スタジアムの全景。当時は木の床が張られていたそうです。
収容人数は52000人と推定されていますが、現代のドームクラスの会場と較べてもひけを取らない人数です。日本だとまだ神話の時代ですので、その当時のローマの技術力の高さと実現させる為の政治力・経済力の高さには本当に驚かされます。





建物は石、レンガ、コンクリートといった素材を組み合わせながらアーチを多用した重厚な架構により成り立っています。5世紀頃にあった地震で大きなダメージを受けながらも使われていたそうですが、その後徐々に放棄されるようになり、完全に放棄された後は建材の採石所になって荒廃していったらしいです。
ちょっと残念なことですが、近世以降にその価値の見直しがなされてローマの栄光を今に伝える遺構として現代では大切に保存されている、という経過を辿っています。

近年はコンサート等のイベントにも使われているそうですが、発掘と修復は持続的に行われているように見受けられましたので、保存と観光を上手く両立させてほしいと思いました。








そして、ちょっと唐突な感じもしますが、復元されていたローマの古代神の像です。よく見ると顔が漫画チックで面白い・・・。
というかどこかのテーマパークにありそうで、ちょっと安っぽい感じもしますが、、、これも往時を偲ぶという意味では部分的にこういうのがあるのもアリかもしれません。





ともあれ、2000年前の人々の建築技術の高さやそこにかけられた情熱を十分に垣間見ることのできる、素晴らしい遺構でした。